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藤井流星、年上キラーな芝居で中山美穂を翻弄する 『黄昏流星群』全員が納得した人生の道へ?

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 真璃子(中山美穂)には春輝(藤井流星)の家という新しい居場所ができ、完治(佐々木蔵之介)もまた若葉銀行に戻り居場所を再度確立する。徐々に瀧沢家の溝は深まるが、それぞれは納得した人生を歩んでいた。『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系)第9話では「求められること」と「応えること」を両方の立場から描いた回となった。

【写真】『黄昏流星群』撮影現場での藤井流星

 介護で疲弊した春輝の世話をかって出た真璃子は、春輝の母親である冴(麻生祐未)の介護と家事全般をこなす。冴は意外にも真璃子を受け入れ、真璃子はすんなりと日野家に居場所を見つけたのだった。娘がロンドンに行って、どこか寂しさが残る様子の真璃子であったが、春輝の面倒を見ることで表情ははつらつと明るくなっていく。真璃子にとって春輝は、恋愛の感情だけではなく、母性も満たしてくれる存在だったのだろう。

 一方、完治は栞(黒木瞳)と連絡が取れず、居場所もわからないまま。しかし、出向先から銀行本店に戻れることとなり、バタバタと日々が過ぎて行った。真璃子は、栞と完治の関係を知っていたことを完治に話し、家を出てしまった。しかし完治は、堪える様子もなく、月を眺め栞に連絡をするのであった。

 真璃子を求めていたのは紛れもなく、春輝と冴である。彼らの生活に、真璃子の”家事”という能力は不可欠だった。そして真璃子はその能力で相手の期待に応えられたことに、やりがいを感じている様子である。春輝との会話でも、その感情を説明し、笑顔を見せた。さらに春輝もますます真璃子に惹かれていて、陽の差し込む部屋でキスをした。冴は、現時点では家事手伝いとしての真璃子しか認めておらず、春輝の相手としてどう思っているのかは明かされていない。この3人の関係が良好であれば、真璃子は瀧沢家に戻る必要がなくなる。冴の真璃子への印象は今後の展開を大きく左右するだろう。

 実は、冴と真璃子は根底の部分が似ているキャラクターであり、愛する者を支えたいという気持ちで動くタイプだ。故に、手を結べば、価値観や追い求めるものはわかりあえる2人なのだ。しかし春輝を奪い合うような構図になってしまうことが多く、なかなか安定した関係を結べずにいる。春輝にとっては、母である冴のように頼りになるよきサポーターの真璃子は、女性としても、結婚相手としても申し分ないと感じているのだろう。春輝を演じる藤井流星は一回り以上年上の中山美穂とのラブシーンで、男性としてリードしつつも子犬のような愛らしさで翻弄する。藤井の困ったような表情と、笑うとタレ目になる顔立ちは母性本能をくすぐる。まさに年上キラーな芝居であった。後半まで結ばれることのなかった2人だけに、キスを交わす2人の表情は満ち足りており、見ていて安心できる。これまで真璃子は辛い思いをし続けてきたが、それが少しでも和らげば、という気持ちになった。

 次回はいよいよ最終回。冴の振る舞い次第で春輝と真璃子の関係は大きく変化するだろう。さらに完治は栞と再会できるのか、完治の同期社員の自殺未遂はどうなるのか、と気になる伏線が残されたままだ。来週で全て回収され、泣いても笑っても結末が決まってしまう。これだけの男女が恋仲として登場すると、視聴者も応援するカップルを選んで楽しめるだろう。

(Nana Numoto)