グロリア・エステファンの半生を描くミュージカル『オン・ユア・フィート!』開幕
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『オン・ユア・フィート』
2015年から2017年にかけてブロードウェイで上演され、1幕と2幕の最後に観客が踊り出す光景が話題となったミュージカル、『オン・ユア・フィート!』。昨年11月に宝塚歌劇団を卒業し、退団後の初舞台となった『マイ・フェア・レディ』も好評を博した朝夏まなとを主演に迎えた日本語版が、本日12月8日(土)にシアタークリエで開幕した。
朝夏が演じるのは、ラテンポップの女王として今も活躍するシンガー、グロリア・エステファン。彼女の半生を本人のヒット曲にのせて綴る、『ジャージー・ボーイズ』や『ビューティフル』の系譜に連なる作品だ。『ジャージー・ボーイズ』のザ・フォー・シーズンズ、『ビューティフル』のキャロル・キングとも、日本での認知度はアメリカに比べると高くはなかったはずだが、にもかかわらず日本版は大きな成功を収めた。その要因は、役に合ったキャスティングと、日本人キャストと観客の心に寄り添った丁寧な演出にあると言っていい。
グロリア・エステファンもまた、日本ではそこまで知られていないだろうが、ふたつの要件は満たしているように思える。太陽のような笑顔が印象的な朝夏がラテンの歌姫とは、いかにもぴったりだし、『キューティ・ブロンド』をヒットに導いた上田一豪による日本オリジナル演出にも期待が高まる。このカンパニーならばきっと、本物のラテン系俳優たちがお色気ムンムン、終始ノリノリで歌い踊ったブロードウェイ版とは異なる、家族の絆などのストーリー面にも焦点が当たった日本版を作り上げてくれることだろう。
12月30日(日)までシアタークリエにて上演した後、年明けには、福岡、愛知、大阪で公演を行う。
文・町田麻子