Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!

大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!

スポーツ

ニュース

ぴあ

尾崎晟也(東京サンゴリアス) (c)JRLO

続きを読む

フォトギャラリー(6件)

すべて見る

『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』プレーオフトーナメント決勝の再戦だ。『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』プレーオフトーナメント決勝の顔合わせでもある。だが、東京サンゴリアス×埼玉ワイルドナイツは『NTTリーグワン2022-23』の首位攻防戦ではない。王者・埼玉WKは首位を快走するが、2年連続準優勝の東京SGはすでに2敗。3位に甘んじている。

前節は東京SGにとって、誤算だった。3月5日、秩父宮ラグビー場で下位に低迷するトヨタヴェルブリッツと対峙。立ち上がりから出足の鋭いトヨタVに対して、後手に回った。5分インターセプトしたWTBヴィリアメ・ツイドラキのビッグゲインはWTB尾崎晟也がなんとか食い止めたが、8分自陣深くでのスクラムから左へ展開、WTB高橋汰地のロングパスを受けたヴィリアメにインゴール左隅へダイブされた。24分には連続攻撃からSOアーロン・クルーデンがカットパス、トップスピードの尾崎が右サイドを疾走し同点。トライランキングトップを独走する15本目のトライをマークした。

31分残り5mでのトヨタVのラインアウトではモールを止めるも、HO彦坂圭克が持ち出して前進、アーリーエントリーのLOアイザイア・マプスアのピック&ゴーでトライを奪われた。その後、クルーデンのPGは失敗するが、相手には決められて5-15で前半を終えた。

45分敵陣ゴール手前からターンオーバーされて、WTB高橋からFBティアーン・ファルコンへつないだ独走トライはTMOの結果ノートライとなり、53分には連続攻撃からWTBテビタ・リーがトライ、右隅のタイトなGもクルーデンが成功させて12-15。これで東京SGペースになるかと思われたが、大事な次の点はトヨタVに入った。

56分ファルコンのグラバーキックをSH流大が何とか蹴り出すも、続くラインアウトモールをBK含めて13人で押して12-20。61分には逆に東京SGがラインアウトモールを繰り出すも進まず、ならばと左へ展開し、途中出場のSO田村煕、CTB中野将伍とふたりが反転しながらボールをつなぐとFB松島幸太朗がフィニッシュ。流のGは決まらずにスコアは17-20のまま。

松島幸太朗(東京サンゴリアス)(c)JRLO

勝負どころの残り20分となるも、東京SGのギアは上がらなかった。74分トヨタVは9フェーズでFL姫野和樹がピック&ゴールでねじ込んで勝負あり。最後までアタックを仕掛けた東京SGだが、82分PGで勝点1を得ることを選択。

20-27とクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの開幕戦以来の黒星を喫した東京SG。田中澄憲監督が「トヨタのハードワークとハングリー精神に尽きる。今日はそういうゲームになってしまった。しっかりと自分たちのテンポで戦おうとしたが、タッチキックすべきところで蹴れないなど遂行力で逆にトヨタに勢いを与えるようなプレーをしてしまった」と敗因を挙げれば、SH齋藤直人共同主将は「大きいFWパックをいかにして下げるか。いかにサンゴリアスのテンポで試合をするかというところフォーカスした。ただ最後まで自分たちのペースにできなかったことが敗因のひとつ。この負けから学ぶこと、その上でしっかり切り替えて、次のパナソニック戦に向けてチーム全員で戦っていきたい」と唇を噛んだ。

次節・埼玉WK戦への修正点を問われた監督はこのように答えた。
「次はショートウィークでパナソニックにチャレンジしないといけない。まずは対策を考え、ポジティブにチャレンジすることを考えて、しっかりとトレーニングしていきたい。僕らはアタッキングチームで、ブレイクダウンの数が多くなるチーム。今日はそのブレイクダウンのところでターンオーバーされたので、この部分をしっかりやりたい。また、今日もスペース自体は見えていたので、そこにボールを運ぶ遂行力を上げていく。いくつか要因があると思うので、コミュニケーションやスキルのところを微調整していきたい」

対する埼玉WKは、前節も強かった。3月4日、ホームにクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎え撃った第10節は、無敗の首位決戦にふさわしい攻防となった。

3-3で迎えた25分、敵陣10mラインでボールを受けたSO山沢拓也はパスダミーから鋭いステップで3人を抜き去りインゴールまで走り抜けた。Gも決めて10-3とするも、その後S東京ベイが反撃を開始。デカくて強いFWがプレッシャーを掛け、スピード豊かなBK陣の幅を使ったアタックで仕留めにかかるが、埼玉WKの強固な守備網は破れず。それでもペナルティを誘い、29・33・39分とSOバーナード・フォーリーがPGを通して9-12で前半を折り返した。

山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ)(C)JRLO

50分S東京ベイのアタックが続く中、22mライン付近のラックからFLベン・ガンターがボールを確保、No8ジャック・コーネルセン、WTBマリカ・コロインベテ、山沢とボールをつなぎ、キックパス。転がったボールをコロインベテが抑えて再び山沢に預けると、10番がインゴール正面に回り込んでトライ。17-10と逆転すると、10分後に山沢がPGを通した。

63分には埼玉WKが驚異的な粘りを披露。フォーリーのゲインからNo8ファウルア・マキシ、WTB木田晴斗とインゴールに迫るもことごとく止め、最後FLトゥパ フィナウにインゴールに侵入されるもFL福井翔太がグラウンディングを許さず、FLラクラン・ボーシェーも加勢し、すんでのところでトライを阻止した。

それならばとS東京ベイはショットを選択し、65分に20-15とスコアを縮めるも、3分後に22m手前でボールを受けた山沢はDG一閃。再び8点差とした。73分に途中出場のHO堀江翔太が同じく途中出場のCTBテアウパ シオネの猛タックルを食らい、ボールがこぼれると5分前にピッチに入ったばかりのCTBハラトア・ヴァイレアがキャッチ。自陣10mラインから独走トライかと思いきやCTBディラン・ライリーが追い付いて倒すと、その後のアタックも封じた。79分にはライリーのフラットなパスを受けたWTB長田智希が左サイドを切り裂いてトライ、最後タッチライン際の厳しいGを山沢が見事に成功し、30-15でノーサイド。

ディラン・ライリー(埼玉ワイルドナイツ)(c)JRLO

大一番で2トライ3ゴール2PG1DGのワンマンショーを繰り広げた山沢は「勝負できるかなというところでランはいつも狙っているが、それがうまくいっただけ。チームとして、きちんと個々の役割ができている結果」とさらり。松田力也が不在の中、FBではなく、SOとして結果を残した手応えを聞かれても、「本当に勝ててまずホッとした。10番で出ることについては、みなさんが思うほどそういう思いはない。10番で出たら10番の役割を果たしたいし、15番であれば15番の役割を果たしたいという気持ち。うちにはそれぞれのポジションでいい選手がいて、それぞれの良さがある。そういうのをわかった上で、選んでもらっているので、自分が出る時は自分ができることをチームのためにやりたい」とフォア・ザ・チームの心境を明かした。

指揮官は選手たちを称え、キャプテンは誇りについて口にした。
ロビー・ディーンズ監督「最高のラグビー日和。選手たちが期待に応えてくれた。非常にフィジカリティなゲームだったが、選手のディフェンスを誇りに感じているし、ここを乗り越えたことを誇りに思う。平野(翔平)には『おかえりなさい』と伝えたい。長田は初めてWTBで出場した試合でトライを決めてくれてとてもうれしい。山沢の活躍は言うまでもなく素晴らしかった。難しいゲームだったが、スピアーズをノートライに抑えたのがすごく良かった。トライを奪われていたら、より厳しいゲームになった」

HO坂手淳史主将「チームの価値はディフェンスに見えると思っている。ゲインを切られた時、トライに迫られたシーンがあったが、スクランブルディフェンスでプライドを見せることができた。ディフェンスに関して、誇りに思う。ディフェンスで大事にしていることは、早くセットをすること。誰が誰を見るのかを明確にして、ラインスピードを持って前へ出ることを意識している。ワイルドナイツには遂行できるメンバーがいて、システムがあると思う。今日の勝利はこれからの成長につながると思う。勝って、試合内容を反省できるのはポジティブ。この結果に満足することなく、成長し続けたい」

坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)(c)JRLO

大一番を前に痛い星を落とした東京SGと不戦敗を除いて公式戦42試合無敗の埼玉WK。対照的な両軍の試合登録メンバーは以下の通り。

【東京SG】
1小林賢太、2中村駿太、3垣永真之介、4ツイ ヘンドリック、5ハリー・ホッキングス、6下川甲嗣、7山本凱、8テビタ・タタフ、9流大、10アーロン・クルーデン、11テビタ・リー、12中村亮土、13中野将伍、14尾崎晟也、15松島幸太朗、16堀越康介、17石原慎太郎、18中野幹、19トム・サベッジ、20飯野晃司、21齋藤直人、22田村煕、23尾崎泰雅

【埼玉WK】
1稲垣啓太、2坂手淳史、3平野翔平、4リアム・ミッチェル、5ルード・デヤハー、6ベン・ガンター、7ラクラン・ボーシェー、8ジャック・コーネルセン、9小山大輝、10松田力也、11野口竜司、12ダミアン・デアレンデ、13ディラン・ライリー、14長田智希、15山沢拓也、16堀江翔太、17クレイグ・ミラー、18藤井大喜、19エセイ・ハアンガナ、20福井翔大、21内田啓介、22ヴィンス・アソ、23山沢京平

王者に死角は見当たらないが、東京SGにも意地がある。果たして、ここで東京SGが埼玉WKを止めるのか、このまま埼玉WKが全勝で突っ走るのか。『NTTリーグワン2022-23』第11節・東京SG×埼玉WKは3月11日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。試合の模様はBS日テレにて生中継。チケット発売中。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

東京サンゴリアス対埼玉ワイルドナイツ NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23 DIVISION 1のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2303763&rlsCd=007&lotRlsCd=

リーグワン特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/

ジャパンラグビー リーグワン 観戦ガイド 2022-23
https://book.pia.co.jp/book/b617541.html

ジャパンラグビー リーグワン 観戦ガイド 2022-23ウェブ版
https://book.pia.co.jp/leagueone_guide/

フォトギャラリー(6件)

すべて見る