次は本丸をいけ…安倍晋三をテーマにした記録映画「妖怪の孫」の監督が制作経緯語る
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「妖怪の孫」ポスタービジュアル
政治ドキュメンタリー「妖怪の孫」を手がけた内山雄人のインタビューコメントが到着した。
“昭和の妖怪”と呼ばれた政治家・岸信介の孫であり、凶弾に倒れた元総理大臣・安倍晋三。本作では“美しい国、日本”をスローガンに掲げていた彼がいったい何者で、この国に何を遺したのかを問うていく。
内山が同じく監督を務めた菅義偉のドキュメンタリー「パンケーキを毒見する」の公開直後から、「妖怪の孫」の企画はスタートしたという。内山は「政治家さんや周りから『次は本丸をいけ』など言われていたりしていて、その後、スターサンズの河村さんから具体的な話があったんです。そのときにはタイトルも『妖怪の孫』と決まっていて。2022年頭くらいから実際に調べ始めたんですが、6月に河村さんが亡くなってしまって、その後あの銃撃事件が起こって、企画自体が棚上げ状態に一時はなっていました。その後統一協会の話が出てきて、『安倍さんがもともと抱えていた問題じゃないか』という問題意識が持ち上がり、企画がもう1回立ち上がったんです」と経緯を説明する。
また「右左といった思想や政治的な傾向の問題ではなく、客観的な事実をもとに『政治をきちんと検証してみたい』という思いがありました。前作の『パンケーキを毒見する』もそうですが、今回も『安倍さんのしたことをきちんと検証してみよう』という姿勢があるだけで、『反安倍』を掲げる気はまったくないですし、むしろ、何をしたかという事実のみをきちんと並べてみたかったという気持ちのほうが大きいです」と意図を示し、「昨年末から今年にかけて、強硬な政策決定ばかりが続き、安倍さんすら決断しなかったことが次々と実現されようとしている。まさに歴史の転換点。私は今、本当に危機感を感じています。ルールの破り方、物事の進め方など安倍さんを見ることで今の自民党政権のやり方が見えると思います。背景にあるものは何か。この映画を観て知ってほしいです」と述べた。
古舘寛治がナレーターを務めた「妖怪の孫」は、3月17日に東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。
(c)2023「妖怪の孫」製作委員会