河村光庸は「ヴィレッジ」に何を託した?スターサンズ作品と軌跡たどる特別映像
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「ヴィレッジ」メイキング写真
「ヴィレッジ」のスペシャル映像がYouTubeで公開された。
「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」の監督・藤井道人とプロデューサー・河村光庸が組んだ本作は、ある村を舞台に、現代日本が抱える闇をあぶり出すサスペンス。母親が抱えた借金の支払いに追われ、父親が起こした事件の汚名をも背負う主人公・片山優を横浜流星が演じ、黒木華、古田新太、中村獅童らが共演した。
2022年6月にこの世を去った河村。2008年に映画会社スターサンズを設立して以降、社会性と娯楽性をあわせ持った独自の企画力で、世に一石を投じる作品群を送り出してきた。第46回日本アカデミー賞では、映画界に多大な貢献を果たした故人に与えられる会長特別賞に選ばれている。スペシャル映像は「あゝ、荒野」「宮本から君へ」「新聞記者」「MOTHER マザー」「ヤクザと家族 The Family」「パンケーキを毒見する」「空白」などのシーンとともにスターサンズの歴史を振り返る内容。河村の映画への熱意がスタッフやキャストに受け継がれていくさまが映し出され、「映画こそ自由であるべきだ」というメッセージで締めくくられる。
河村がクランクアップを見届けた最後の作品となった「ヴィレッジ」。河村は企画が行き詰まってピンチに陥ると藤井を呼ぶそうで、本作も藤井へのヘルプコールから始まった。藤井は「河村さんは感覚的なところも多いので、脚本作りは常に難航するんですけど、そのたびに『頼むよー俺はもう先が長くないんだからー』という技を使ってきて。その言い方はずるいよと思いながらも、わかりましたと(笑)。今回も河村さんがやりたいことをヒアリングしながら脚本に落とし込んでいきました」と振り返っている。
「ヴィレッジ」は4月21日に全国で公開。
(c)2023「ヴィレッジ」製作委員会