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「ジェーン・エア」上白石萌音が屋比久知奈に感謝「共に稽古したことは生涯の宝」

ステージ

ニュース

左から屋比久知奈、井上芳雄、上白石萌音。

ミュージカル「ジェーン・エア」が、明日3月11日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕する。これに先駆け本日10日に、劇場で囲み取材とゲネプロが行われた。

「ジェーン・エア」は、1847年に刊行されたシャーロット・ブロンテの長編小説。今回はそのミュージカル版を、ミュージカル「ナイツ・テイル-騎士物語-」や舞台「千と千尋の神隠しSpirited Away」などで知られるジョン・ケアードの新演出で立ち上げる。

本公演では、主人公のジェーン・エアとヘレン・バーンズを上白石萌音、屋比久知奈が役替わりのWキャストで演じる。そのほかの出演者にはエドワード・フェアファックス・ロチェスター役の井上芳雄をはじめ、春野寿美礼、仙名彩世、樹里咲穂、大澄賢也、春風ひとみらが名を連ねた。なお本日のゲネプロでは、ジェーン役を上白石、ヘレン役を屋比久が務めた。

本作の舞台は1800年代、ビクトリア朝のイギリス。孤児となったジェーンは、おばのミセス・リードに引き取られる。しかしプライドが高いジェーンはおばに嫌われ、寄宿生として規則が厳しいローウッド学院に行くことに。学院でジェーンはかけがえのない友ヘレンに出会うが、彼女を病気で失ってしまう。成長したジェーンは学院の教師を辞め、家庭教師になる。雇い主のロチェスターは謎めいた男だが、ジェーンは彼と自分に共通する何かを感じ……。

八百屋舞台の後方は草木が生い茂る階段になっており、その最上部には大きなトチの木が立てられている。また舞台の上手と下手には、それぞれステージを見下ろせるほどの高い台が組まれ、その上のオンステージシートからも観客が物語を見守った。

上白石は、閉鎖的な社会で自立を目指すジェーンを凛とした佇まいで好演。第1幕のソロナンバー「自由こそ」では、力強い歌声でジェーンの意志の強さを描き出す。その一方で上白石は、愛するロチェスターに振り回されるジェーンの苦悩や弱さを、微妙な表情の変化や寂しげな立ち姿で表現した。

屋比久は優しい歌声でヘレンを演じ、幼いジェーンに“信じて許すこと”の大切さを教えるヘレンの心の温かさや、その信仰心のあつさに説得力を与える。また井上演じるロチェスターは、一見何を考えているかわからないが、孤独を秘めた人物。井上は人を食ったような態度で周囲の人物をあしらいながらも、心を許したジェーンに対してはひざまずいて愛を求めるロチェスターを、奥行きのあるキャラクターとして立ち上げた。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、上白石、屋比久、井上が出席。上白石は「近くで観ていても本当に素敵な作品だと感じます。早くお客様に観てほしい気持ちでいっぱい」、屋比久は「今回は舞台上にオンステージシートもありますし、お客様を迎えて初めて完成する作品だと思います。客席からエネルギーをいただきつつ楽しみたい」と話す。

井上は「実はさっきまで渋滞に巻き込まれていたので、劇場にたどり着けただけでも『勝ったな』という気持ちです」と笑いを誘い、「舞台稽古に入ってからも日々変更があり、まだ確かな感覚はありません。でもこのまま、生きた舞台をお見せできたら良いなとも思います」とコメントした。

取材ではWキャストの上白石と屋比久がお互いの印象を明かした。上白石は「ここまで来られたのは知奈のおかげ。たくさん話し合い、励まし合い、過分に褒め合ってやってきました(笑)。彼女と一緒に役を作り上げた経験は、生涯の宝になる」と言葉に力を込め、続けて「知奈はアスリート気質なところがすごい。笑みを絶やさず、ガシガシと己を磨く姿を見ていて『こんな人がいるんだ』と刺激を受けています」と屋比久に視線を送る。

屋比久は「萌音とは、同じ役を演じる者同士でしかわからないことを共有できましたし、おかげで救われました」と感謝を口にし、「いつも地に足がついている萌音は、周りを安心させてくれる空気をまとっていて、その包容力が演技にも表れています。Wキャストで同じ舞台に立てることはなかなかないので、ここからまた切磋琢磨していきたいです」と上白石に笑みを返した。

仲むつまじい2人に挟まれた井上は「僕が知る限り、彼女たちはミュージカル史上最も仲良しなWキャストです(笑)」と冗談を飛ばし、「2人は同じ役を演じるライバルですが、共鳴しているように見える。僕が入る隙がないくらい2人でひとつになって稽古している印象を受けました。それでいて2人とも全然違うお芝居をしてくるので、面白いですね。Wキャストがこんなにぴったりと寄り添っているのはまれなことだなと思いますし、キャスティングの素晴らしさと共に、2人の人間としての力を感じました」と目を細めた。

上演時間は休憩を含む約2時間45分。東京公演は明日3月11日から4月2日まで行われ、本作はその後7日から13日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演される。なお4月1日17:30開演回と2日12:30開演回では配信を実施。詳細は公式サイトで確認しよう。

ミュージカル「ジェーン・エア」

2023年3月11日(土)~4月2日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

2023年4月7日(金)~13日(木)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

原作:シャーロット・ブロンテ
脚本・作詞・演出:ジョン・ケアード
作曲・作詞:ポール・ゴードン
翻訳・訳詞:今井麻緒子

キャスト

ジェーン・エア / ヘレン・バーンズ:上白石萌音、屋比久知奈
エドワード・フェアファックス・ロチェスター:井上芳雄
春野寿美礼、仙名彩世、樹里咲穂 / 折井理子、水野貴以、中井智彦、萬谷法英、神田恭兵 / 江崎里紗、犬飼直紀 / 岡田悠李、萩沢結夢、三木美怜 / 大澄賢也、春風ひとみ

※上白石萌音と屋比久知奈は役替わり、Wキャストで出演。岡田悠李、萩沢結夢、三木美怜はトリプルキャストで出演。江崎里紗と犬飼直紀はスウィング。