大変なお話をいただいた、「若き日の親鸞」舞台化に向け藤山扇治郎らが意気込み
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左から春本由香、三林京子、はいだしょうこ、藤山扇治郎、藤川矢之輔、須賀貴匡。
4月に京都・南座で上演される「若き日の親鸞」の記者発表会見が、昨日3月10日に大阪府内で行われた。
本公演は、五木寛之の小説シリーズ「親鸞」より「青春篇」を、森脇京子の脚本、齋藤雅文の演出で舞台化するもの。劇中では、平安末期の京都に生まれた少年が、9歳で出家し、自身の仏性に苦悩し、成長していく様子が描かれる。会見には主人公・範宴 / 綽空 / 善信(後の親鸞)役の藤山扇治郎のほか、出演者のはいだしょうこ、須賀貴匡、春本由香、三林京子、藤川矢之輔が登壇し、それぞれに意気込みを語った。
扇治郎は「まさか自分が親鸞役とは思っていませんでした」と明かし、「実在の人物であり、皆さんそれぞれの親鸞のイメージがあると思うので、大変なお話をいただいたと思っています。人間味のある僧侶でありながら、変わった一面や人情、愛情が入った物語です。素晴らしい共演者の皆さんとご一緒できることがとても幸せで、心強く感じています」とコメント。また、はいだは「素敵な舞台に出させていただくことが心配だったのですが、(機会を)いただいたからには精一杯、親鸞の妻として心優しい芯のある役を演じたいと思っています」と言い、会見のために宝塚歌劇団時代の同期から着物を借りてきたことに触れて、「着物を着ると自然と身の引き締まる思いになりました。しっかり役に向き合いながら勤めたいです」と述べた。
須賀は「親鸞が光だとすると、僕の演じる伏見は世の中の悪を一手に引き受けたような極悪人のような男だと、今は思っています。皆様と力を合わせて良い作品にしたいです」、春本は「この作品は人の闇や生き方が描かれていて、私も原作を読んでとても心を打たれました。まだ難しい部分もありますが、しっかり勉強して良い作品にしていきたいと思っています」と意気込む。
また「扇治郎さんのシリアスなお芝居が好きなので、期待しています」と投げかけた三林は大谷学園で6年間、浄土真宗を学んでいたという。「原作の『親鸞』は、お話をいただいてから読みました。サヨの、親鸞に対する厳しくもあたたかい愛を表現できるよう、千秋楽までがんばります」と話した。劇団前進座の藤川は「(前進座の)中村梅之助が法然を勤めさせていただいたこともあり、また、65年前に立った南座にまた呼んでいただけたことがうれしく、これもまたご縁だと感じています。実在の人物を演じることは難しいですが、梅之助に怒られないよう精一杯勤めたいと思います」と言葉に力を込めた。
公演は4月10日から29日まで。
親鸞聖人御誕生八五〇年 立教開宗八〇〇年 慶讃法要記念「若き日の親鸞」
2023年4月10日(月)~29日(土・祝)
京都府 南座
原作:五木寛之(講談社文庫「親鸞」より)
脚本:森脇京子
演出:齋藤雅文
音楽:甲斐正人
監修:淺田恵真(浄土真宗本願寺派)、草野顕之(真宗大谷派)
キャスト
範宴 / 綽空 / 善信(後の親鸞):藤山扇治郎
紫野(後の恵信尼):はいだしょうこ
鹿野:春本由香
伏見平四郎(後の黒面法師):須賀貴匡
法螺房弁才:曽我廼家寛太郎
慈円:嵐芳三郎
サヨ:三林京子
法然:藤川矢之輔
ほか