阿部寛がチェン・カイコーとの撮影を振り返る、「“街を作る”パワーに圧倒された」
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第16回アジア・フィルム・アワードでExcellence in Asian Cinema Awardを受賞した阿部寛が、授賞式の前日に映画ナタリーの取材に応じた。
Excellence in Asian Cinema Awardは優れた才能を持つ映画人にスポットを当て、アジア映画界およびアジア文化における業績と貢献をたたえる賞。日本人としては第9回の中谷美紀、第13回の役所広司に続く3人目の受賞者となった。これまで日本と香港の合作である「孔雀王」シリーズの第2作「孔雀王 アシュラ伝説」や日中合作の「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」、トニー・レオンと共演した「東京攻略」などアジア作品にも多数出演してきた阿部は受賞について「うれしいです。海外で映画の撮影をするたびにさまざまな発見があり、作品作りの精神性というのは言語が通じなくてもみんな一緒なんだということがわかりました。この賞を機に、またいろんな国からオファーが来るといいなと思います」と述べた。
「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」の撮影時について尋ねると、彼は「スケールにびっくりしましたね。セットの大きさ、エキストラの人の多さなど、“街を作る”パワーに圧倒されました」と回想する。また監督を務めたチェン・カイコーについては「すごくこだわってやるので撮影が止まる日もある。でも、昔黒澤(明)さんの映画とかで(撮影が止まったというエピソードを)耳にしていたから、それを体験しているようでうれしかったです。『おっ、今日で3日間止まってるな』みたいな(笑)」と裏話を披露した。
また阿部の主演作「歩いても 歩いても」「海よりもまだ深く」で監督を務めた是枝裕和については「『歩いても 歩いても』に出演するまではエキセントリックな役が多くて、普通の日常に存在する静かな役でオファーが来たときはすごく喜びました。何気なさの中にある人間の狂気や喜びを抜き出してくる素晴らしい監督。またご一緒できたら」と語った。
第16回アジア・フィルム・アワードの授賞式では、最優秀監督賞を受賞した是枝が、ステージに登壇する前に阿部と握手を交わす場面も。阿部はExcellence in Asian Cinema Awardとあわせて、当日レッドカーペットを歩いた参加者から選ばれるAFA X STI ベスト・ドレッサー・アワードも受賞している。