香港歌手のアニタ・ムイを演じたルイーズ・ウォン、共演した中島歩を“じま”呼び
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ルイーズ・ウォン
第16回アジア・フィルム・アワードで新人俳優賞にノミネートされていた「アニタ」のルイーズ・ウォンが、映画ナタリーの取材に応じた。
「アニタ」は、香港の歌手・女優として活躍し、子宮頸がんのため40歳の若さで他界したアニタ・ムイの波乱に満ちた人生を描く伝記映画。アニタと親交を深めるレスリー・チャンをテレンス・ラウ、ラストコンサートで舞台衣装を手がけるデザイナーのエディー・ラウをルイス・クー、近藤真彦をモデルにしたとされる日本人青年・後藤夕輝を中島歩が演じ、「コールド・ウォー 香港警察」シリーズのリョン・ロクマンが監督を務めた。アニタ役で出演したウォンは受賞を逃したものの、本作は最優秀衣装デザイン賞、最優秀音響賞を受賞している。
「ルイーズ・ウォンです」と日本語で挨拶した彼女は「アニタ」が映画初出演。Facebookを通じて映画会社から連絡がありオーディションに参加することになったものの、出演が決まるまでは役柄を知らなかったと言う。彼女は「すごく驚きました。アジアの伝説的な存在であるアニタさんを演じると知ってとても怖くなり、飛行機でタイまで行ってホテルで2日間泣いたんです。でも、せっかくチームの皆さんに信じてもらって選ばれたので、自分の使命だと思って精一杯努力すると決心しました」と撮影前を振り返った。
半年間かけて歌や演技、ダンスの特訓をしたウォンは、「苦しい半年でしたが、そのおかげで撮影が始まると何も考えずに楽しむ気持ちだけで演じられました」と笑顔で話す。役作りについては「本や映画でも研究しましたが、各年代のインタビュー映像を見るのが一番よかったです。性格や話すときのトーン、さりげないしぐさを学ぶことができるので」と、10代後半から40歳までの1人の人物を演じるため、準備を重ねたと語った。
共演した中島のことは「とても謙虚な方で演技も素晴らしかった」と述べ、後藤がアニタにギターで弾き語りをするシーンについて「(中島が)実際にギターを弾いて歌う姿を隣で見てびっくりしたんです。チャーミングだしプロだなと感じました」と回想する。また中島のことは“じま”と呼んでいたと明かし、言語を超えて築いた信頼関係をうかがわせた。
モデルとしてキャリアをスタートさせたウォンは、本作での経験を「新しいドアが開いた感じ」と表現する。彼女は「映画や演技についていろんなことを学んでいきたい。今好奇心がどんどん湧いています」と声を弾ませ「すべての感謝をアニタさんに伝えたいです。彼女がいなければ物語は成立しなかったので、本当にありがたく思っています 」とコメントした。
なお「アニタ」はディレクターズカット版が全5話のドラマシリーズとしてディズニープラスで独占配信されている。