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「美術」が産声を上げた明治時代の美術の在り方に焦点をあてた『特別展 明治美術狂想曲』4月8日より開催

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落合芳幾《末広五十三次 程ヶ谷》 慶応元年(1865)展示期間:5/10〜6/4

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2022年10月に東京・丸の内に開館した静嘉堂@丸の内では、4月8日(土)から6月4日(日)まで、「明治時代」を立脚点として静嘉堂の幅広いコレクションを展観する特別展が開催される。

江戸幕府が倒れ、西洋文明が流入した明治時代は、「美術」という言葉が誕生した時代だ。政治体制や身分制の改革、西洋風の建築や装いの普及など、社会や文化面で大きな変化があったが、芸術の世界でも、博覧会の開催や初の美術館の設置、油彩画の普及など新たな展開がもたらされた。急激な西洋化の一方で、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂といった動きも進められている。『明治美術狂想曲』と題した同展は、そうした様々な変化や模索を経験した明治美術の在り方に焦点をあてたものだ。

まず、見どころとなるのは、幕末から明治にかけての錦絵をはじめとする作品群。江戸時代の表現方法を踏襲することで江戸の余韻を残しつつも、文明開化のモチーフを取り入れることで新たな時代の幕開けを感じさせる作品からは、新時代に向き合う絵師や画家の気概が感じられるだろう。

明治時代はまた、西欧でのジャポニスムのブームもあり、欧米好みの華麗な工芸品が盛んに輸出された時代だった。近年では「超絶技巧」の名で称讃される精緻な技術を用いた美麗な陶器や漆器、金工の名品が一堂に並ぶのも同展の見どころのひとつだ。

静嘉堂を創設した岩﨑家とゆかりの深い名品がもつエピソードもまた興味深い。たとえば、三菱第2代社長・岩﨑彌之助が、明治28年の第 4 回内国勧業博覧会のために当時を代表する日本画家たちに依頼した屛風絵。その1点、橋本雅邦の《龍虎図屛風》は、新しい表現が批判も受けたというが、後に重要文化財に初めて指定された近代美術のひとつとなった。また、岩﨑家のビリヤード室を飾っていた黒田清輝の《裸体婦人像》は、発表当初は「裸体画論争」を巻き起こした話題作だった。今も色あせない魅力を放つ明治美術を楽しみつつ、作品の評価をも変えていく時代の変遷にも思いを馳せたい。

<開催情報>
『特別展 明治美術狂想曲』

会期:2023年4月8日(土)~6月4日(日) ※会期中展示替えあり
会場:静嘉堂@丸の内
時間:10:00~17:00、金曜は18:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜、5月9日(火)
料金:一般1,500円、大高1,000円
https://www.seikado.or.jp/

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