「街の小さな映画館」塚本晋也が大分のシネマ5へ、「股旅」に心くすぐられる

塚本晋也による動画企画「街の小さな映画館」の第9弾がYouTubeで公開された。

この企画は、かつて「野火」で全国80館以上の劇場を行脚した塚本が、1館ずつ足を運んで魅力を伝えるもの。今回は大分・大分市内唯一のミニシアター、シネマ5を訪れた。

シネマ5は、昭和天皇崩御と同日の1989年1月7日に開館。閉館する劇場の名称をそのまま継承する形で、湯布院映画祭の中心メンバーだった現代表・田井肇氏によって、ミニシアター系の作品を上映する映画館としてリスタートした。こけら落とし作品はヴィム・ヴェンダースの「ベルリン・天使の詩」。「野火」公開時に、真っ先に上映を決めた劇場の1つでもある。

解禁された映像では、田井氏のインタビューとともに入り口やロビー、趣のある映写室などが映し出されていく。塚本は同館について「丁寧に長い時間大事にされてきた静謐の空気がある」「喫煙室には大好きな『股旅』のポスターが貼られてあり、心をくすぐる。大人の人の手がかかったミニシアターの中のミニシアター、です」とつづった。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

塚本晋也 コメント

ビルの小さな入り口に入り、階段を上ると、落ち着いた雰囲気の映画館が待っている。丁寧に長い時間大事にされてきた静謐の空気がある。
支配人の田井さんは、全国に広がるコミュニティシネマセンターの代表理事を務められ、動画のコメントでは田井さんらしく謙遜されているが、色々な映画館から「田井さんに助けてもらった」、「田井さんに優しくお声がけいただいた」、という声をよく聞く。
喫煙室には大好きな「股旅」のポスターが貼られてあり、心をくすぐる。大人の人の手がかかったミニシアターの中のミニシアター、です。