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世界劇団「零れ落ちて、朝」京都公演本日から、本坊由華子「新しいマスターピースが誕生しました」

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世界劇団「零れ落ちて、朝」より。

世界劇団「零れ落ちて、朝」京都公演が、本日3月17日に京都・THEATRE E9 KYOTOで開幕する。

これは愛媛を拠点に活動する世界劇団の新作公演。本作では、グリム童話「青髭」をモチーフに、残虐な殺戮を犯したフランスの元帥ジル・ド・レイと、外科医だった世界劇団・本坊由華子の実父の生き様を重ねた物語が立ち上がる。出演者には小林冴季子、本田椋、そして本坊が名を連ねている。

本坊は、本作について「外科医が人を捌く罪について向き合ううちに、第二次世界大戦中に九州大学医学部で起きた、米兵捕虜を生きたまま解剖したと言われる生体解剖実験に辿り着きました。私自身も医者ですが、この仕事が人を殺めてしまう危うさを内包していることを常々感じています。命を救うはずの医者が、どうして人を殺める行為に至ったのか。もはや絶版となった本や資料、裁判記録を読み漁るうちに戦争加害者の物語が鮮明に立ち上がったのです。グリム童話『青髭』は、戦後日本の根深い病巣にメスを入れる壮大な作品へと膨れ上がりました」と述べる。

京都公演に向けては、「俳優、スタッフは、仙台、広島、北九州、三重、愛媛、香川、豊岡と、活動拠点を問わず集結し、オールジャパンのチームで挑んでおります。世界劇団のフラッグシップとなる新しいマスターピースが誕生しました。一人でも多くの方に観に来ていただきたいと思っております。ぜひ足をお運びください」と呼びかけた。

上演時間は約1時間40分で、公演は3月19日まで。なお各回アフタートークが実施され、ゲストとして神田真直、ウォーリー木下、合田団地、茂山千之丞が回替わりで登場する。本坊のコメント全文は以下の通り。

本坊由華子コメント

世界劇団最新作「零れ落ちて、朝」の京都公演を行います。

本作品は、外科医であった実父がグリム童話「青髭」に重なったことが創作の発端でした。

外科医が人を捌く罪について向き合ううちに、第二次世界大戦中に九州大学医学部で起きた、米兵捕虜を生きたまま解剖したと言われる生体解剖実験に辿り着きました。

私自身も医者ですが、この仕事が人を殺めてしまう危うさを内包していることを常々感じています。

命を救うはずの医者が、どうして人を殺める行為に至ったのか。

もはや絶版となった本や資料、裁判記録を読み漁るうちに戦争加害者の物語が鮮明に立ち上がったのです。

戦争をテーマにした作品は多くあります。

しかし被害者側の目線で語られることが多い。

この物語を執筆するにあたり、日本人の加害の物語は黙されているように感じました。

つまり、白か黒かと決めるのではなく限りなくグレーのまま闇に葬られていく。

そんな、日本人のアティテュードは戦後に形成されたのでしょう。

グリム童話「青髭」は、戦後日本の根深い病巣にメスを入れる壮大な作品へと膨れ上がりました。

舞台美術は今回初めて杉山至さんにお願いしました。シンプルなのに禍々しい、恐ろしく美しい空間を立ち上げて頂きました。

俳優は宮城県仙台市から短距離男道ミサイルの本田椋さん、広島より無色透明の小林冴季子さんを迎えております。私も含め、動物的勘が鋭く、ほぼ初対面での創作でしたが昔からの友達のような空気もあり、刺激的な稽古を積み上げました。

俳優、スタッフは、仙台、広島、北九州、三重、愛媛、香川、豊岡と、活動拠点を問わず集結し、オールジャパンのチームで挑んでおります。

世界劇団のフラッグシップとなる新しいマスターピースが誕生しました。

一人でも多くの方に観に来ていただきたいと思っております。

ぜひ足をお運びください。

世界劇団「零れ落ちて、朝」

2023年2月25日(土)・26日(日)※公演終了
愛媛県 シアターねこ

2023年3月17日(金)~19日(日)
京都府 THEATRE E9 KYOTO

脚本・演出:本坊由華子
出演:小林冴季子、本田椋、本坊由華子