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明け方に女の泣き声を聞く、三島有紀子と20人の役者が作った「東京組曲2020」公開

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「東京組曲2020」ポスタービジュアル

「幼な子われらに生まれ」「Red」で知られる三島有紀子が監督を務めたドキュメンタリー「東京組曲2020(にーまるにーまる)」 が、5月13日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

本作はコロナ禍での最初の緊急事態宣言が発出された2020年4月、三島が自身の誕生日の明け方にどこからか聞こえてきたという人の泣き声に着想を得た作品。誰もが先の見えない不安な日々を過ごす中で、三島は「このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、映像に残し記録として確認しよう」という思いから、制作を始動させた。

リモートで集った20名の役者たちが自ら撮影を担当。その映像全体を三島が監修し、それぞれの役者の暮らしぶりや感じていることを引き出す形でともに作り上げた。出演者は「朝4時の明け方に女の泣き声がどこからか聞こえてくる」という共通のシチュエーションを体験し、そのときの感情の動きやリアクションが記録されている。

出演には荒野哲朗、池田良、大高洋子、長田真英、加茂美穂子、小西貴大、小松広季、佐々木史帆、清野りな、田川恵美子、長谷川葉月、畠山智行、平山りの、舟木幸、辺見和行、松本晃実、宮崎優里、八代真央、山口改、吉岡そんれいが名を連ねた。松本まりかが事前に録音された女性の泣き声を担当している。

英題は「Alone Together」。配給はオムロが担う。YouTubeでは特報が公開中。三島によるコメントは下記に掲載した。

※宮崎優里の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

三島有紀子 コメント

2020年4月の日本では、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため緊急事態宣言が出され、ロックダウンの状態となりました。
気にも留めていなかった当たり前のことが、断層ごとずれていくような感覚に陥りました。ちょうど51歳の誕生日、居場所を求めてベランダに座り、ひと夜を明かしていると、明け方、どこからか、人間の泣き声=生の声が聴こえてきたのです。
その時、このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、映像に残し記録として確認しようと考えました。それで、リモートで声をかけた役者のみなさんに、カメラをまわしてもらいました。集まってきた映像素材から垣間見えたのは、人間の弱さと人間が希求してやまないものは何かということでした。それは、私にとって「人間の再確認」という作業となったのです。それらをクラウドファンドに参加してくださったみなさまやたくさんのみなさまの応援のおかげで、映画というひとつの作品にすることができました。
あれから三年、今、わたしたちは人間らしく生きられていますか? この映画を観た帰り道、ふと考えてもらえたら幸いです。

(c)「東京組曲2020」フィルム パートナーズ