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乃木坂46 齋藤飛鳥に向けられる期待の眼差し “次世代エース”に至る波乱万丈な歩みを振り返る

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リアルサウンド

 乃木坂46の齋藤飛鳥が、本日12月9日にオンエアされるドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS系)に出演する。過去には前田敦子や渡辺麻友、AKB48の横山由依に密着した回はあったが、乃木坂46からは初の出演。12月1日に上海で開催された乃木坂46にとって初の単独海外公演の舞台裏と彼女の素顔に40日間密着した映像が放送される。

参考:乃木坂46 西野七瀬や若月佑美を開花させた映像作家 湯浅弘章 グループの基調を担う作品群を考察

 今年8月にリリースされた21thシングル『ジコチューで行こう!』で2度目の単独センターを務めた齋藤。1月にはドキュメンタリー番組『セブンルール』(フジテレビ系)でスポットが当たり、10月には映画初主演にしてヒロイン役に抜擢された『あの頃、君を追いかけた』が公開。ヘアケアブランド「LUX」のCMではその艶やかなロングヘアをなびかせるなど、着実に世間への認知を広げている。2017年1月に刊行した写真集『潮騒』は、2018年6月時点で17刷り累計18万部(11月時点で22刷)、乃木坂46メンバーの1st写真集として最も売れている作品と報道された(参考:モデルプレス 乃木坂46齋藤飛鳥、写真集が12ヶ月連続重版 累計18万部を記録)。

 今や白石麻衣、西野七瀬と並び、3トップと呼ばれる齋藤だが、彼女の始まりは選抜メンバーの3列目(最後方)からのスタートだった。デビューシングル『ぐるぐるカーテン』からはじまり、4枚目『制服のマネキン』、7枚目『バレッタ』、11枚目『命は美しい』、12枚目『太陽ノック』と飛び飛びで選抜入りしている上、いずれも3列目のポジション。初めて福神(表題曲のフォーメーションで前列や中列に位置するメンバー)入りしたのは2015年発売の13枚目『今、話したい誰かがいる』でのこと。そして翌年発売の15枚目『裸足でSummer』で単独センターを務めることとなる。西野も齋藤と同じ3列目からスタートした一人ではあるが、アンダー(選抜に選ばれなかったメンバー)は経験していない。歴代のセンターメンバーの中でも、様々な立場を経て、センターへと上り詰めた人物である。

 そのためか齋藤はいつも誠実に仕事をしている印象がある。乃木坂46 Mail(モバイルメール)では出演する番組や掲載となる媒体のお知らせ、スタッフとのエピソードトークなど、一つひとつの取材に真摯に取り組む姿が伝わって来る。『月刊AKB48グループ新聞』2018年9月号のインタビューでも、選抜と比べて仕事が少ないアンダーの時期が長かった分、今の状況に対するありがたみは人一倍感じていることを明かしている。その一方で、感情の起伏が少ない、ネガティブな性格でもある。今回の『情熱大陸』も、初日の取材で「なんで白石麻衣や西野七瀬への密着ではなく、私なんですか?」と疑問を呈するところから始まったという。(参考:モデルプレス 乃木坂46齋藤飛鳥の40日間に完全密着 「情熱大陸」出演決定)

 1期生最年少メンバーとして13歳でグループに加入した齋藤は、今年8月に20歳を迎えた。『乃木坂工事中』の企画「22枚目シングルヒット祈願」では、グループの今後について話す西野と白石が「飛鳥はあと10年はいてほしい」と希望に胸を膨らませ、そのVTRに齋藤が「ちょっと厳しいな」と答える一幕があった。それが本音か、照れ隠しか、本人の意思はわからないにせよ、乃木坂46のエース2人から厚い信頼を寄せられるほど、彼女は今、グループになくてはならない存在であることがわかる。

 そして乃木坂46も7年目にして、大きな変革の時を迎えている。先日、12月3日には4期生のお見立て会が、4日には若月佑美の卒業セレモニーが開催された。西野も今年いっぱいでグループを卒業し、来年2月に卒業コンサートが行われる。グループに加入する者とグループを旅立ち新たな一歩を踏み出す者。そして、去ったメンバーの意志を継ぐ者もいる。卒業セレモニーでは、「制服のマネキン」が披露されたが、生駒里奈の卒業後、センターを継いでいるのは齋藤だ。橋本奈々未がセンターを務めた「サヨナラの意味」を継いでいるのも彼女である。

 過去最大規模のドーム&スタジアムツアーとなった『真夏の全国ツアー2018』では、初めてセンターに抜擢された2年前の泣き虫だった姿から大きく成長し、先頭を切りながらメンバーを気遣う余裕すら見せた齋藤。兼ねてからの目標であった海外進出に乗り出す乃木坂46にとって、齋藤はその若さから長い目で見ても、グループを牽引できるメンバーである。ミャンマー人の母を持つ齋藤はアジア展開にも意欲的であり、先月には『news zero』(日本テレビ系)に生出演。キャスターの有働由美子を相手に中国の最新技術についてコメントし、その中では“アジアツアー”という目標も飛び出していた。

 激動の渦中にある乃木坂46にとって、真のエースとしてグループの核となりつつある齋藤飛鳥。『情熱大陸』の放送で彼女はより多くの人に認知される存在となるだろう。(渡辺彰浩)