タイムトラベル説濃厚? 『アベンジャーズ/エンドゲーム』予告編から考察できること
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シリーズ第4弾で完結編となる『アベンジャーズ4』が、『アベンジャーズ/エンドゲーム(原題)』のタイトルで2019年4月26日に公開されることが発表され、予告編も公開された(本記事は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレを含む)。
宇宙の均衡を保つため、宇宙の半分を消滅させようとする最凶の敵サノス(ジョシュ・ブローリン)と、トニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)から成るアベンジャーズが死闘を繰り広げた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。同作でサノスは6つのインフィニティ・ストーンを全て回収し、ザ・デシメーション(通称:指パッチン)を遂行。アベンジャーズの願い叶わず、半分の人々が消えることとなった。
結果的に残ったのは、アイアンマン、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、ソー(クリス・ヘムズワース)、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)、 ブルース・バナー/ハルク(マーク・ラファロ)らの『アベンジャーズ』初期メンバーと、ウォーマシン(ドン・チードル)、ロケット(ブラッドリー・クーパー)、ネビュラ(カレン・ギラン)、オコエ(ダナイ・グリラ)。『インフィニティ・ウォー』には登場しなかったが、クリント・バートン=ホークアイ(ジェレミー・レナー)とスコット・ラング/アントマン(ポール・ラッド)も生きており、また『インフィニティ・ウォー』のエンドクレジットでニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が連絡していたキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)も加わると思われる。
謎多きまま半年以上も、うわさのみを頼りにファンは議論を重ねてきたわけだが、12月7日の22時頃に『アベンジャーズ/エンドゲーム』の予告編が公開。ここからは、本映像の注目すべきポイントや重要となりそうな要素を掘り下げていく。
■1人ぼっちのトニー・スターク
映像は、サノスとの激闘に敗れたトニーが「水と食料は4日前に底を尽きた。酸素ももうじきなくなる」「君の夢を見て眠るよMs.ポッツ」とたった1人で宇宙をさまよい、絶体絶命の状況に諦めを見せるシーンからスタートする。『インフィニティ・ウォー』で惑星タイタンに残ったのは、トニーとネビュラのみ。トニーが座っているのは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの宇宙船ベネターだろう。1分24秒あたりに宇宙船らしき場所にネビュラが立つ姿が映るが、冒頭の様子から察すれば2人は何らかの理由で離れ離れになった可能性が高い。
■ホークアイはローニンとして再登場?
主要メンバーにも関わらず、前作では1mmも姿を現さなかったホークアイが、満を持して登場。しかし、いつもの弓ではなく刀を手に持っているため、ローニンとして登場するのではないかと言われている。ローニンとは、漆黒のコスチュームをまとったヒーローで、日本刀やヌンチャク、格闘技などを武器とする。コミック『ニューアベンジャーズ』シリーズでは、クリント・バートンが2代目ローニンとして登場している。映像内では、ブラック・ウィドウが彼に再会した場所は、「ラーメン」などの看板が並ぶ日本らしき街並み。また、ホークアイ(もしくはローニン)の足元には真田広之らしき男が倒れている。『インフィニティ・ウォー』公開時には、「蟻さん(アントマン)と弓おじさん(ホークアイ)が鍵になると違いない」と言われていたが、今回の予告でさらに謎が深まった。
■『WS』スーツのキャプテン・アメリカ
トニーが宇宙をさまよう中、人類の50%を失った地球では、キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウが「うまくいくはずだ。もしダメなら……お手上げだ」と、この危機を脱却する「ある最後の作戦」について相談している。もうすでに話題になっているが、このときに映るキャップのスーツは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のものだ。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での分裂後、おなじみの盾を手放し、『インフィニティ・ウォー』ではひげを蓄えて、スティーブ・ロジャースとして闘った彼。その姿は生真面目だったスティーブの一種の責任放棄のようにも見えたが、『エンドゲーム』では、ひげを剃り、古いコスチュームをまとっている。キャプテン・アメリカとして闘う決意とも取れる一方で、予告公開前から唱えられていたタイムトラベル説も可能性ゼロではなくなってくる。
■タイムトラベルの可能性
リーク情報を頑なに避けるファンを尊重し、明記は避けるが、非公式で公開された撮影風景の写真には、アベンジャーズのメンバーが“あるもの”をつけている姿が確認されており、そのことからタイムトラベル説が浮上していた(「『Avengers time travel』で画像検索するとすぐ出てくる」)。それから、『アントマン&ワスプ』のエンドクレジットで、スコットは、量子の世界へ行く際に、ジャネット・ヴァン・ダイン/ワスプ(ミシェル・ファイファー)から「時間の渦に入らないでね」と意味深な注意を受けていたのも記憶に新しい。エンドクレジットでは、スコットが量子の世界に入った後に、ザ・デシメーションが起こり、 ホープ(エヴァンジェリン・リリー)、ジャネット、ピム(マイケル・ダグラス)が消滅。すなわちスコットは量子の世界に閉じ込められることとなったが、今回の予告編ではどういうわけか脱出に成功している。redditでは、スティーブが観ているスコットの映像の左上に「1983:archive」と書いてあると議論されているが、正直この映像から断言するのは難しい。とはいえ、完全否定できないのがタイムトラベル説。むしろ、われわれ人間が思いつく範囲でのサノス撃退法はこれが限界だというのが本音だ。
しかし、予想や分析をどれだけしても、われわれの想像もつかない物語を提示してくるのがマーベル・シネマティック・ユニバース。インターネットが発達してリークは避けられない事態となっていても、『インフィニティ・ウォー』を観たときの座席から立ち上がれなくなるあの感覚を思い起こせば、想像以上の物語が待ち受けているのは確かだ(さらに言えば、予告編の内容が本編では変更されていることはデフォルト)。ここまで書いておいて何だが、「的外れだった」と振り返るのが心底楽しみでならない。(阿部桜子)