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森田想が“個人主義の象徴”役、「わたしの見ている世界が全て」監督が見どころ語る

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「わたしの見ている世界が全て」公開記念舞台挨拶の様子。左から佐近圭太郎、森田想、中崎敏、熊野善啓。

「わたしの見ている世界が全て」の公開記念舞台挨拶が本日4月1日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、キャストの森田想、中崎敏、熊野善啓、監督の佐近圭太郎が登壇した。

本作は自分1人で生きてきたつもりの主人公・熊野遥風が、母の死をきっかけに疎遠になっていた兄姉たちと再会するさまを描いた社会風刺エンタテインメント。事業立ち上げのため資金が必要な遥風が、実家を売って現金化するため“家族自立化計画”を企てる様子がつづられる。森田が遥風を演じ、長男の啓介に熊野、次男の拓示に中崎が扮した。

森田は「日常の中の経験、感情をすくい取った映画。そういった部分に注目して観てほしいです」と話し、撮影を振り返りつつ「1日のうちにお兄ちゃんとのシーン、お姉ちゃんとのシーンとたくさんお芝居をして、駆け抜けた感じでした」とコメント。佐近は「森田さんは自分の中に役を取り入れて、キャラの強い遥風を演じてくれました。現場では最年少だったんですけど、場の空気を引っ張ってくれて。胸を預けて撮影できました」とたたえた。

「個人主義へのささやかな挑戦を描いた社会風刺エンタテイメント」というキャッチコピーが付けられている本作。佐近は「遥風は個人主義、今の時代の空気の象徴で、この作品は主人公に共感していくのではなく、観察していく映画。こういう人って最終的にはどこにいくんだろう?と観客が観察者として観ていく、歪な作品になっていると思います」と紹介し、「少し抽象的な話になってしまうんですが、強い思いを持っている人じゃないと成し遂げられないこともある。でも、行きすぎるとハレーションを起こしてしまうと思うんです。どっちが正しいのか半々。こういう人をどう思うかフラットに観ていただけたら」と述べた。

熊野は「いろんな感想があると思います。いいことも悪いことも心のままに伝えてほしい」と観客に呼びかけ、中崎は「コミカルでテンポもよくて、兄弟がギクシャクしているのに、なんでこんなに笑っちゃうんだろう?って。熊野家の人が愛おしくて、愛おしくて、一生懸命生きてほしいなと思いました」と述懐。森田は「想像していた作品といい意味で違っていました。場面の切り替えや物語の展開が潔い。自分が関わった作品ですが、面白かったです」と笑みをこぼす。

イベント中には佐近からマドリード国際映画祭で主演女優賞に輝いた森田へ、同賞のトロフィーが渡される場面も。森田は「いつもらえるんだろう? 存在しないんじゃないか?と思っていました(笑)。ありがとうございます」と喜んだ。

最後に森田は「作中の登場人物はすごく個性があります。家族の距離感を振り返るきっかけになってくれたらうれしいです」と伝え、イベントの幕を引いた。

「わたしの見ている世界が全て」は全国で公開中。

(c)2022 Tokyo New Cinema