04 Limited Sazabysが沖縄へ!配信ライブ 「音楽と行こう」でつないだ音楽シーンの希望
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04 Limited Sazabys(撮影:藤井拓)
04 Limited Sazabys のオンラインライブ「音楽と行こう」が3月21日に配信された。
「音楽と行こう」は音楽ライブによる地域経済への貢献を目的とした企画。04 Limited Sazabysは近年のツアーで訪れることができなかった沖縄県で、「つなぐ」をテーマにパフォーマンスを繰り広げた。ここではレアなアコースティック編成と通常のバンド編成という2本のライブの模様をレポートする。
04 Limited Sazabysがアコースティックライブを行ったのは、沖縄県南城市にある百名ビーチ。ライブ収録日は青空が広がり、気温は20度前後と過ごしやすい気候に恵まれた。普段のライブではパワフルなバンド演奏が持ち味の彼らにとって、ビーチを舞台にしたアコースティック編成でのパフォーマンスはレア。この日のライブでは、昨年10月にリリースされた「Harvest」の収録曲を含む全5曲がアコースティックで届けられた。
さわやかな海風が吹く砂浜に、4人はビーチにぴったりのかりゆしウェアを着て登場。フォーリミが1曲目にセレクトしたのはアコースティックでは初披露となる、「Harvest」の収録曲「Every」。ゆったりとしたリズムに乗せてGEN(B, Vo)がはつらつと声を響かせた。波音がさざめきチルアウトムードが漂う中、GENが衣装について「今日はBEGIN先輩を意識して」とハンチング帽を被り直しながら説明したところで、「Horizon」の演奏へ。冒頭でGENが豊かな声量を響かせ、それに続くようにHIROKAZ(G)がアコースティックギターで柔らかな音色を奏でる。さらにRYU-TA(G, Cho)のアコースティックベース、KOUHEI(Dr, Cho)のカホンも合流し、海辺にリラックスした雰囲気をもたらした。
メンバーがライブ前に百名ビーチで出会った砂遊びしていた親子に“ハワイの神様を呼べる人たち”と勘違いされたというエピソードや、自身のライブで沖縄に来るのは約8年ぶりだというトークで盛り上がったのち、GENが「沖縄に縁もゆかりもたっぷりあるこの曲を」と前置きして披露したのは「Letter」。この曲は2015年10月リリースのメジャー1stシングル「TOY」のリード曲で、沖縄のビーチでミュージックビデオが撮影された。メンバーはエモーショナルな音色を奏でながら、当時を思い出すようにしみじみとした表情に。その後、「今は心配ばかりだけど ありふれた安心増えるから」という歌詞がコロナ禍の時代に響く「Harvest」が演奏され、フォーリミは最後に「monolith」を生命力あふれるパフォーマンスで披露してアコースティックライブを終えた。
アコースティックライブから日を改め、百名ビーチから約7kmほどの位置にあるガンガラーの谷で通常のバンド編成でのライブが行われた。ガンガラーの谷は数十万年前の鍾乳洞が崩れて形成された場所。フォーリミはこの谷内にあるケイブカフェで、約300人のファンを前にパフォーマンスを行った。日が徐々に暮れ、場内にひんやりとした空気が流れる中、ケイブカフェに足を踏み入れた観客は鍾乳洞が連なる頭上を見上げ、感嘆の声を上げたりスマートフォンを向けたりと思い思いに過ごしていた。
開演時間を迎え、観客の期待感が高まったところでアコースティックライブと同じくかりゆしウェアを着たフォーリミが登場。GENが「沖縄響いている? 音楽と行ける?名古屋04 Limited Sazabys始めます!」と宣言し、ライブは人気曲「swim」でスタート。4人は気合い十分の面持ちでみずみずしいサウンドを響かせる。鍾乳洞がライトで照らされ神秘的な光景が広がる下で、ノリのいいリズムの「Warp」、疾走感のあるメロディックパンクナンバー「climb」を続け、序盤からギアを上げていく。さらにRYU-TA主導によるコール&レスポンスから「Chicken race」を披露し、コミカルなギターフレーズやアッパーなサウンドで場内にお祭りムードを漂わせた。
改めて客席を見渡したGENは、「いろんな場所でライブやったけど、初めてじゃない? 最前に岩がいるの。今日は“谷人(たにんちゅ)”として一緒に盛り上がっていきましょう! 」とファンと岩に語りかけつつ、ステージ裏にそびえるガジュマルについてのエピソードを語った。その後、彼らはブラストビートが炸裂する「message」、鋭いギターリフが冴える「fiction」、骨太な重低音が鳴り響く「Finder」と赤い照明がぴったりの攻撃的なサウンドの楽曲を連投。怪しげなムードの「mahoroba」では、鍾乳洞の迫力が相まって映画のような世界観が演出された。
今回の配信ライブについて、GENは「『ライブに行きたくても行けない』という声をいただいていたし、沖縄にもずっと来れていなかったので、今日は『Harvest tour』の番外編的な意味も込めて配信ライブをやれたらいいなと。画面の向こう側にも会場の熱量を伝えたいので一緒にライブしていきましょう」と語る。その後「Now here, No where」でパフォーマンスは再開し、4人は安定感のあるバンドアンサンブルを響かせた。さらに最近のライブでおなじみになっている「Galapagos」から「Galapagos II」へと続くコンボをお見舞いした。
「音楽と行こう」の特設サイトでは、芦沢ムネト(パップコーン)とハローユキトモ(ヤングオオハラ)が南城市のおすすめスポットやグルメを紹介する動画を公開中。GENはこの動画について、今回の配信ライブのテーマである「つなぐ」という言葉にちなみ「配信の企画でいろいろ手伝ってもらっていて、ヤングオオハラにはガラじゃないことさせて申し訳なかったなと思いつつも、そうやっていろんなバンドが出てきて盛り上がることがつないでいくということなのかなと思うので。これからもちょっとずつでもシーンを盛り上げたい」と語った。そしてここからは柔らかなサウンドが際立つ楽曲が続くセクションへ。唯一ガンガラーの谷と百名ビーチの両方で披露された「Letter」、リスナーに優しく寄り添う歌詞が印象的な「Honey」、温かなムードの「hello」が演奏され、場内を感動的な雰囲気で染め上げた。バンドは最後に「Keep going」「Just」を未来への希望を込めるように清々しい表情でプレイしてライブを終えた。
なお、uP!!! およびTELASA では4月4日23:59までアーカイブを配信中。04 Limited Sazabysのレアな配信ライブをまだ観ていないというファンはお見逃しなく。配信チケットは同日22:00まで販売している。
04 Limited Sazabys 「音楽と行こう」 百名ビーチ セットリスト
01. Every
02. Horizon
03. Letter
04. Harvest
05. monolith
04 Limited Sazabys 「音楽と行こう」ガンガラーの谷 セットリスト
01. swim
02. Warp
03. climb
04. Chicken race
05. message
06. fiction
07. Finder
08. mahoroba
09. Now here, No where
10. Galapagos
11. Galapagos II
12. midnight cruising
13. Letter
14. Honey
15. hello
16. Keep going
17. Just