「鳳凰祭四月大歌舞伎」開幕、仁左衛門・玉三郎が18年ぶりに「与話情浮名横櫛」でタッグ
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歌舞伎座新開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」夜の部「与話情浮名横櫛」より。
歌舞伎座新開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」が昨日4月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。
昼の部では、夢枕獏の小説「陰陽師 瀧夜叉姫」を原作に、石川耕士が監修、市川猿之助が脚本・演出を手がける「新・陰陽師 滝夜叉姫」が展開。主人公の安倍晴明役を中村隼人、その友人で笛の名手・源博雅役を市川染五郎が勤め、息の合ったやり取りを披露した。劇中には「菅原伝授手習鑑」より「車引」や、「義経千本桜」より「吉野山」といった歌舞伎の古典作品の趣向がちりばめられている。
夜の部には、片岡仁左衛門と坂東玉三郎による「与話情浮名横櫛」、尾上松緑、尾上左近親子による「連獅子」が並んだ。「与話情浮名横櫛」で仁左衛門が与三郎役、玉三郎がお富役でタッグを組むのは、約18年ぶりのこと。物語の発端となる「木更津海岸見染の場」では、仁左衛門扮する与三郎が舞台から降りて客席の中を練り歩く演出や、互いに一目惚れした与三郎とお富を、仁左衛門と玉三郎が見つめ合う芝居で表現し、その美しさで観客を魅了した。「連獅子」では、本興行で初めて親獅子の精・仔獅子の精を勤め共演する松緑と左近が、勇壮な毛振りを披露。また、僧蓮念役の坂東亀蔵、僧遍念役の河原崎権十郎によるユーモラスな間狂言・宗論にも注目だ。
「鳳凰祭四月大歌舞伎」の公演は4月27日まで。
歌舞伎座新開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」
2023年4月2日(日)~27日(木)
東京都 歌舞伎座
昼の部
「新・陰陽師 滝夜叉姫 蘆屋道満宙乗り相勤め申し候」
原作:夢枕獏「陰陽師 瀧夜叉姫」(文春文庫)
監修:石川耕士
脚本・演出:市川猿之助
出演
安倍晴明:中村隼人
源博雅:市川染五郎
平将門 / 村上帝:坂東巳之助
滝夜叉姫 / 如月姫:中村壱太郎
興世王:尾上右近
桔梗の前:中村児太郎
俵藤太:中村福之助
大蛇丸:中村鷹之資
源八坊:市川青虎
琴吹の内侍:市川寿猿
式神密夜:市川笑三郎
式神密虫:市川笑也
藤原忠平:市川猿弥
藤原実頼:市川中車
三上山の山姥:市川門之助
蘆屋道満:市川猿之助
夜の部
一、「与話情浮名横櫛」
作:三世瀬川如皐
出演
与三郎:片岡仁左衛門
お富:坂東玉三郎
蝙蝠安:片岡市蔵
番頭藤八:片岡松之助
五行亭相生:市村橘太郎
海松杭の松五郎:中村吉之丞
お針女お岸:中村歌女之丞
赤間源左衛門:片岡亀蔵
鳶頭金五郎:河原崎権十郎
和泉屋多左衛門:市川左團次
※和泉屋多左衛門役で出演予定だった市川左團次は体調不良のため休演。代わって同役を河原崎権十郎、権十郎が演じる予定だった鳶頭金五郎役を坂東亀蔵が勤めます。
二、「連獅子」
作:河竹黙阿弥
出演
狂言師右近後に親獅子の精:尾上松緑
狂言師左近後に仔獅子の精:尾上左近
僧蓮念:坂東亀蔵
僧遍念:河原崎権十郎
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