KAT-TUNが明かした“個”のこだわり メンバーの胸の内に踏み込んだ密着ドキュメンタリー第2回
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ドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系)の第3弾「KAT-TUN再始動 激動の300日」が11月30日からスタート。12月7日、エピソード2が放送された。
(関連:KAT-TUN、困難を乗り越え再始動した3人のまっすぐな姿ーー密着ドキュメンタリー第1回)
2018年2月23日。東京ドームで行われるコンサートの打ち合わせがはじまった。亀梨和也は「『1・1・1』という画を巧みに使いたいね、今回のライブは」と提案すれば、中丸雄一も「充電期間中に各々でやっていた仕事を振り返ったり、いじったりするのがいいんじゃないか」。上田竜也も「それぞれの個性がうまくでればいいんじゃないか」と続けた。
「グループであっても個であることを大切にする」。風間俊介のナレーションのとおり、それはリハーサル中の様子からも見て取れた。パソコンでテキストを打つ中丸、台本をチェックする上田、スポーツ新聞を読む亀梨。振り付けを覚えるのもそれぞれが自分のスタイルを貫いていた。
「周囲のスタッフに聞けばKAT-TUNは、他のグループとは一線を画すやり方をずっと貫いてきた」と風間のナレーションが続く。演出家・振付師のShin.1によれば、当初は踊りを揃えるやり方でかためていたというが、揃っていないところがグループの魅力だと指摘されたと明かした。「それぞれが全然違うけどカッコいいみたいな踊りを作る方がもう100倍難しい。揃ってないけどカッコよくないといけないっていう責任があったらみんな“個性”が伸びて、そこが“色”になる」と語った。
中丸は「どのグループも結局は“個”なんですよ、多分。でも僕らそういう風に育てられたっていうのもあるし、“なんかいいよね”とか、その“なんか”っていう部分がすごく大きいと思うんですけど」とグループを俯瞰した。
続いて中丸のソロの演出にフォーカスがあてられた。コンサート中に流れる映像の一つに、テレビショッピング風にコンサートグッズ紹介をするというコーナーがある。中丸は「カトゥネット高丸」という会社の高丸社長に扮してグッズを紹介する。今回のコンサートツアーのタイトルが「UNION」であることから、湯に入れる(ON)する「急速充電KAT-TUNの湯」という入浴剤を提案した。
中丸はパッケージのイラストを手がけ、紹介VTRにも出演。台本も一から自分で書いたという。撮影直後に、映像の確認をしながら笑みを浮かべた。スタッフから「楽しそうですね」と声をかけられると、「楽しむのが一番重要ですから」と頷きながら答えた。「ライブも振り幅が必要だと思っているので、こういうちょっとふざけたところもあった方がいいと思うんですよね」。
14歳でアイドルを目指し、自らジャニーズ事務所の門を叩いた中丸。「(ジャニーズJr.が)100人、200人いるなかでどう目立つかとか、ジャニーズ事務所のデビューする今までのものを振り返ってみて、周期的なものを調べたりとか、どういうきっかけでデビューができるのかとか、そういうのを自分なりに調べて。だから『次デビューするのはこの辺りだ』とか次の理由はこういう理由で呼ばれるだろうとか、まぁそういうのをなんとなく把握しながらそこに向けてどうにか入りこめるように」と静かに策略を考えていたという。
「あと、親からも芸能人になりたいなら、芸の一つでも身につけろと言われたので、何かしらそういったものを身につけたいな、っていうのを昔から思っていて。リスクを持って参加しているわけですから、ジャニーズJr.に入るってことは。デビューできるかもわからない世界で、まあそれはそれは毎日ストレスを抱えながら、僕は競争意識は持っていましたね」と胸の内を明かした。
自分の中のルールがあるという中丸。住宅街での撮影中にスタッフが椅子を差し出したが、「滅相もないです」と断った中丸。「気をつけなきゃいけないのは、椅子とか気をつかってくれるじゃないですか。でも、そんな状況を知らない周辺の住民の方が見たときに、あいつ偉そうだってなるんです。だからうかつに座れないです(笑)」、「これトラップですから」と笑ってみせた。
自分が納得するまでこだわりを捨てない男がもう一人、上田竜也だ。
ラーメン店の店主役を演じる中で、チャーシューの切り方を練習していた。実際の店主から褒められたものの手をとめない上田。これは連続ドラマでも映画でもない、アルバムに収録されたビデオクリップ「薫」の撮影でのことだ。
「人と一緒にいるのが嫌……嫌だというワケじゃないんですけど、わーっと人がいるのが嫌なんですよ。人数集めてみたいな。どこ行くのも一緒っていうのが苦手で」と語った上田。以前はメンバーとのも摩擦も多かったが、メンバー脱退とともに絆を深めることの大切さを知ったという。
「俺は180度変わりましたからね。KAT-TUNを結成したときと今の状態。僕ら人数が減って、半分になっているので、そのときにに乗り越えたメンバーの結束力じゃないけど、あとやっぱ辛いことを共有するっていうのはそれなりの絆みたいなのができてくるし」と心境の変化について語った。
「家族の好きと一緒じゃないですか。家族以上に一緒にいるし、もちろん好きだけじゃないですよ、イラッとすることもあるし、それを乗り越えたとき、この3人っていいなって思うから。その好き(は)なんだかんだ言って好き、の好きかな」と赤裸々に語り、続けて「この3人で幸せとりたいよねっていう考え」と明かした。
4月20日、再始動コンサートがスタートした。「その存在があるから僕は動けていて、売れたいとかもっとこんなことをしたいがための欲望だけではここまで動けないと思う、俺は。でも待ってくれている人たちがいる、求めてくれているから動ける、それはありがたいなと思います」亀梨が語った。コンサートを終え、エレベーターに乗り込んだ3人。中丸が亀梨に握手を求め、続いて上田へ。そして上田と亀梨が握手をしたところで2回目の放送が終わった。
前回に続き、メンバーの胸の内にぐっと踏み込んだ2回目。リハーサル室で空いた時間の過ごし方はそれぞれだったが、それでも同じテーブルに座っていたところがなんとも微笑ましかった。上田が語ったように、家族以上に一緒に過ごしてきたメンバーの普段の様子が見て取れたこと、家族感を感じた場面だった。
余談だが「カトゥネット高丸」がテレビ番組で紹介される放送される日が来たことが感慨深い。いつの日か番組化され、中丸の手の込んだ笑いがお茶の間に伝わってほしいと願っている。(柚月裕実)