世界最大級のクラシック音楽祭
『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023』特集
世界最大級のクラシックの祭典『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023』がゴールデンウィークの東京に帰ってくる! クラシック通も、クラシック初心者も楽しめる多彩なプログラム、催しがギッシリとつまった、まさに“祭典”だ。
クラシックに興味はあるけど、どの公演から見ていいかわからない。クラシックのチケットは高額そう……そんな人も気軽に楽しめる“クラシック公演デビュー”に最適のイベントでもある。
2023年のテーマは、コロナ禍によって中止となった“ベートーヴェン生誕250年”のリベンジとなる「Beethoven ― ベートーヴェン」だ!
1:『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023』とは?
2:水先案内人がオススメ! 今年の注目公演はこれだ!
3:いますぐ良席を確保!チケット情報
『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023』とは?
ラ・フォル・ジュルネは、1995年にフランス西部の港町ナントで誕生したクラシック音楽祭。“ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)”の名前の通り、クラシック愛好家はもちろん、幅広い層の観客を魅了し続けている。
日本では東京国際フォーラムを中心に、大手町・丸の内・有楽町、東京駅、京橋、銀座、日本橋、日比谷などで開催。各会場で朝から夜まで1日中、様々なコンサート、イベント、レクチャーなどが行われており、無料コンサートも多い。
たくさんの公演やイベントを続けて楽しめるように演奏時間は45分程度で、チケットの料金もリーズナブルに設定。事前にチケットを入手して会場に足を運び、現地でさらにチケットを購入したり、ワインを飲みながら無料コンサートを楽しんだりすることも可能だ。
なお、“クラシックは敷居が高くて、堅苦しいもの”という人も心配は無用。
会場は家族連れや小さな子どもたちも多く、「0歳からのコンサート」や「キッズのためのオーケストラコンサート」など幅広い公演ラインナップが揃っている。なお、子ども向け公演では周囲の観客も“小さな観客”を迎え入れるモードで、本イベントがコンサートデビューだという子どもたちも多い。
もちろん、公演と演奏家はトップクラスで、本イベントのアーティスティック・ディレクター、ルネ・マルタンとスタッフが総勢700人以上の音楽家を厳選。世界で活躍する出演アーティストが若手演奏家を指導する人気プログラム“マスタークラス”が今年も開催される。
最高の演奏とプログラムを気軽に楽しめるラ・フォル・ジュルネは“クラシックのテーマパーク”。まずは気になるプログラムのチケットを手に会場に足を運んでみては?
ルネ・マルタンからのメッセージ
4年ぶりの開催となる2023年のテーマは、やっぱり 「Beethoven ― ベートーヴェン」!
ベートーヴェンという大作曲家の魅力をぎゅっと詰め込んだ、特別な3日間をご用意します。交響曲やピアノ協奏曲、ピアノ三重奏曲、ピアノ・ソナタなど傑作の数々をはじめ、ベートーヴェンへのオマージュ作品など、ラ・フォル・ジュルネならではの独創的なプログラムの数々で、3年越しの生誕250周年を盛大に祝います。凝縮された“ベートーヴェン三昧”の3日間をお楽しみください。
ベートーヴェンの作品はヒューマニズムにあふれ、人類愛と思いやりを今もなお人々の心に届けるという意味においても、音楽史上唯一無二の存在です。ベートーヴェン自身、彼の音楽の目指すところを、このように記していたではありませんか。
「心より出で、願わくば再び心に至らんことを」 -「ミサ・ソレムニス」の楽譜に添えられた言葉
ルネ・マルタン
LFJアーティスティック・ディレクター
水先案内人がオススメ! 今年の注目公演はこれだ!
今年の“ラ・フォル・ジュルネ”も盛りだくさんのプログラムが並んでいる。そこで、ぴあアプリ/Webで活躍中の“クラシック通”=水先案内人の方に今年の“ラ・フォル・ジュルネ”の注目公演を教えてもらいました!
朝岡聡(コンサートソムリエ)
まさに“クラシックのテーマパーク”。多彩なコンサートが3日間で約50公演も行われるゆえに、どれに出かけるか悩むところではありますが、まずはベートーヴェンの1丁目1番地的存在である交響曲から。
ホールAでは角田鋼亮と日本センチュリー交響楽団の「英雄」(公演番号112)、三ツ橋敬子と東京交響楽団の「田園」(同213)、井上道義と新日本フィルハーモニーによる「運命」(同215)に注目。井上はトークも交えてくれる予定だから面白さ倍増だ。
クラシックと今をつなぐ新機軸としては、シエナ・ウインド・オーケストラ(同212)のプログラムが目を引く。宮川彬良が「運命」交響曲をなんとマンボに編曲した!こりゃ聴きもの。
Youtubeでの演奏が世界的大ヒットになったアメリカ人ピアニスト、ヨアキム・ホースレイと彼のカルテット(同123、225)は、ラテンのリズムで交響曲第7番をルンバ風に仕立て上げ、時空を超えたベートーヴェンを満喫させてくれる。新時代のクラシックはめっぽう楽しい。
最終日の夜はサックス・カルテットによる演奏(同324)で木管6重奏やピアノ・ソナタ第8番が響く。これぞ、現代のおとなの「歓喜の歌」そのもの。
東条碩夫(音楽評論家)
久しぶりのベートーヴェン・プログラム。タイムテーブルだけ見れば、なにごとかと思わせるようなタイトルが並んでいるが、「詳細」を開いてみればお馴染みの名曲プログラムだということが判明してひと安心、ということになるか。
交響曲や室内楽、ピアノ曲などのプログラムはいずれも魅力的で、どれも聴いてみたい気を起こさせてくれる。
だが、その中でもちょっと変わったコンサートが目を惹く。筆者が関心を持っているのは、4日(木)21時からの「脱ジャンル音楽パフォーマンス集団・渋さ知らズオーケストラ」(125)、5日(金)20時45分からの「ハバナのベートーヴェン」(225)、6日(土)20時30分からの「ベートーヴェンと太鼓の邂逅」(325)と21時15分からの「ベートーヴェン風即興サロン」(337)である(最後のふたつ、時間が重なっているのが口惜しい)。
例えば「ハバナのベートーヴェン」は、アメリカのピアニスト、ヨアキム・ホースレイが、「第7交響曲」をルンバ風にアレンジしたものだそうな。なんだかよくわからないが、聴いてみる価値がありそうだ。こういった企画は、いずれも昔なら邪道と言われた路線だが、すべてが多様化している現代では、面白い試みだと思う。
樋口裕一(作家)
東京でのラ・フォル・ジュルネが復活して、しかもベートーヴェン特集! すべてのプログラムが楽しみですが、その中でも、特に楽しみなコンサートを挙げてみます。
●弦楽三重奏全曲演奏シリーズ 132・236
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲はよく知られていますが、ヴァイオリンとヴィオラとチェロが1台ずつで演奏される弦楽三重奏曲はめったに演奏されませんので、一度も聴いたことがない方も多いでしょう。ところが、これがかなり傑作なのです。20代の作品ですので、完成度は高くないのですが、初々しい感性にあふれています。第4番ハ短調は後年のベートーヴェンを思わせる名曲です。
今回、なんとベートーヴェンの残した弦楽三重奏曲が2回に分けて全曲演奏されます。演奏するのは、若き名手たちで結成されたトリオ・アーノルド。弦楽三重奏曲がまとめて聴けるのもラ・フォル・ジュルネならでは。若きベートーヴェンの心の叫びを存分に感じたいものです。
●第九交響曲 315
弦楽三重奏などの渋い曲もいいのですが、やはり久しぶりのラ・フォル・ジュルネは、みんなが知っている曲を聴いて、お祭りの雰囲気で終わりたいもの!
今年のラ・フォル・ジュルネの最後を飾るのはもちろん、「第九」です。指揮をするのはマカオ出身のリオ・クオクマン。繊細にしてダイナミックな演奏には定評があります。歌手陣も充実、オーケストラは神奈川フィル。最後は高らかに人類愛と平和を歌い上げようではありませんか!
いますぐ良席を確保!チケット情報
ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023
5月4日(木•祝)から5月6日(土)まで
東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町エリア 他
チケット発売中!
チケットぴあ「ラフォルジュルネ2023」特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/lfj/