「マネーボーイズ」監督のC.B. Yi、ウィーンで師事したミヒャエル・ハネケを語る
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「マネーボーイズ」場面写真
「マネーボーイズ」より、監督を務めたC.B. Yiのオフィシャルインタビューが到着した。
本作は、男娼として働くフェイとその恋人・シャオレイの葛藤を描く物語。体を売って田舎の両親に仕送りをするフェイをクー・チェンドン、シャオレイをリン・ジェーシーが演じたほか、クロエ・マーヤン、ザック・ルー、バイ・ユーファンがキャストに名を連ねる。
13歳までを中国で過ごし、その後オーストリアのウィーンに移住したC.B. Yiは「物語の舞台を中国にしたのは、ほかでもない個人的な理由のため」「故郷の世界を描くことは、映画を撮るにあたって私に自信と安心を与えてくれた。芸術家のキャリアにおいて、自分の原点を少なくとも一度は扱うことは重要なことだと思う」と述べる。彼は師事したミヒャエル・ハネケにも触れ「彼の鋭い目は、映画の惰性をすぐに明らかにしてしまう」「ハネケの厳しい授業が私にたたきこんでくれた重要なことは、あらゆる状況で一貫性を持つことだった」と振り返った。
セリフよりもビジュアルに多くを託していることに関して彼は「1つのシーンでカメラに動きを出して頻繁にカットを入れてしまうと、人工的で表面的になってしまう」と言い、「私の映画では静寂が大きな役割を果たしている。人との絆というのは、いつもしゃべっていては生まれない。たわいもないことをペラペラしゃべるのをやめて、アイコンタクトを取り相手をきちんと感じたときに生まれるもの」と答えている。またクー・チェンドンについては「撮影開始30秒前まで撮影仲間たちとジョークを言っているけれど、『アクション』の呼び声がかかると瞬時に自分の役に没頭できてしまうタイプの俳優だ。ファーストテイクがいつも素晴らしい」と称賛した。
このたび、ゲイ作家の望月もちぎのコメントも公開された。彼は「不幸を美談にしたり、マイノリティの生き様を美学にしたり、犠牲や弱さを美化してはならないけど、この映画は美しかった」と語っている。
「マネーボーイズ」は4月14日より東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほか全国で順次公開。
(c) KGP Filmproduktion, Zorba, ARTE France Cinéma,Flash Forward Entertainment, La Compagnier Cinematographique&Panache Productions 2021