ハイスタ結成時の記憶から恒岡章への愛で満ちた思いまで「横山健の別に危なくないコラム」に公開
音楽
ニュース
Hi-STANDARD
横山健(Hi-STANDARD、Ken Yokoyama)が、これまでのバンド人生や、2月に亡くなった恒岡章(Dr)への思いをつづった文章を「横山健の別に危なくないコラム」に投稿した。
「横山健の別に危なくないコラム」はPIZZA OF DEATH RECORDSのオフィシャルサイトで連載中のコラム。2014年には「横山健 随感随筆編」として編成され、書籍化された。コラムが更新されるのは2021年12月14日のVol.106以来、約1年4カ月ぶりのこと。Vol.107は1万5000文字を超えるボリュームで、メンバーとの出会い、初ライブの思い出、恒岡章(Dr)、難波章浩(Vo, B)、横山健(G, Vo)の3人が20代の頃に語り合った夢物語のこと、そして恒岡のことが大好きだったという横山の思いがつづられている。
コラムではハイスタで過ごした怒涛の日々、すれ違い、独立、成功、活動停止についてや、活動再開までの11年間に感じたこと、今感じている後悔の念などに触れられている。ここで横山は11年間の隙間を埋めるための課題と向き合い続け、新曲を作り、「90年代のバンド」から「現在進行形のバンド」へと変わっていったという再始動後にハイスタについて述べている。そしてコラムの内容は主催フェス「AIR JAM」のこと、2017年発表のアルバム「The Gift」を携えたツアーにおける3人の関係性など、過去から少しずつ現在に向かっていく。
横山が「世界一のロックンロールバンド」と自負するハイスタは、2018年末のライブを最後に休眠状態に。活動が止まったのは「数年ハイスタに力を入れたから、しばらくお休みしてそれぞれのことに集中しよう」という理由だったとのことで、2020年にコロナ禍が起きた際には「ハイスタの再開はコロナの収束後にしよう」と話していたという。徐々にオンラインミーティングの機会なども増えていき、次なる一歩として2022年12月にハイスタは新曲「I'M A RAT」のレコーディングを行った。さらに今年6月17、18日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで行われるPIZZA OF DEATH RECORDS主催の音楽フェス「SATANIC CARNIVAL 2023」への出演オファーを受け、彼らはその公演を新曲披露の場所に選んだ。
当初の予定でハイスタは2023年か2024年のうちに音源を発表し、ツアーする方向で動いていた。恒岡はグループLINEに「忙しくなるぞー!」と書き込んでいたという。しかし今年2月14日に恒岡は死去。Ken Yokoyamaのレコーディングでスタジオにいた横山は、難波からの連絡で訃報に接し、その場に座り込んでしまったという。翌日の昼に対面することになったため、横山はレコーディングを続行。Ken Yokoyamaとして5月8日にリリースする新曲「Better Left Unsaid」のギターソロなどをそのときに録音した。
通夜、葬儀の話を経て、横山は恒岡のドラムプレイの魅力、自身が描いたジャケットのアートワーク、配信リリースにあたって難波と交わしたミックスにまつわるやり取り、来たる「SATANIC CARNIVAL」での演奏形態、人生についてなどを淡々と記している。そして四十九日の数日前に恒岡が横山の夢枕に立ったエピソードに続いて、横山は「ツネちゃん、もっと楽しい夢に出てきてよ。昔みたいに笑かしてよ。チンコ芸見せてよ。そうだ、娘ちゃん達がいるからそういうの止めたんだよね。オレの子どもはみんな男だからさ、その気持ちわかんないんだよな。ツネちゃんつまんねぇ大人になっちまったなぁってよく言ってたよね。それ言った時のツネちゃんの苦笑いが浮かぶよ。じゃあオレの観葉植物の悩みを聞いてよ。若い時みたいに、あてもなくドライブしようよ。湘南行こうよ、湘南。一緒にバンド組む? でも本当はうるさいギターは嫌いなんでしょ? でもよく嬉しそうな顔してくれたじゃーん。またあの笑顔見せてよ。また楽器でおしゃべりしようよ。正直に言って、いなくなった気がしないんだよな。生きてようが死んでようが、オレ達そんな間柄じゃないよね」と恒岡への愛でいっぱいの思いを書き連ね、「愛してるぜ、ツネちゃん」というひと言でコラムを結んだ。
なお本コラムには90年代のものを含む数点の写真も掲載されている。