織田裕二と中村アンの信頼関係が光る 『SUITS/スーツ』自分自身と向き合う最終話に
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最終章と題して幕を開けた『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)第10話では、甲斐(織田裕二)が過去の自分と向き合う出来事が起こる。
甲斐の元には、2人の男が近づいていた。ひとりは、甲斐の検事時代の元上司で、最高検次長検事の柳慎次(國村隼)。柳は、10年前に裁判を有利に進めるため、証拠を隠したという不正の疑惑がかかっていた。柳への捜査は、かつて柳を恩師として慕っていた甲斐のもとにも迫っていたのだ。しかし、柳は「ただの脅しだ」と、自分が最高検の次期トップになることに不満を持つ者たちの仕業であり、検察内部の権力闘争にすぎないと甲斐に告げる。そして、「君が私の味方でいてくれるか確認したかった」と伝えるのだ。
甲斐の元の現れたもうひとりが、最高検の監察指導部の澤田仁志(市川海老蔵)。澤田は甲斐の検事時代の後輩であり、柳の不正の裏をとるべく、当時、柳と親密にしていた甲斐に近づいてきた。甲斐は、柳の不正の証拠となる資料を渡せば協力すると澤田に告げる。そして、その資料から、自らが検事時代に担当した殺人事件が冤罪だったことを知る。当時、その事件の重要な証拠を柳が隠蔽していたのだ。
この事実を知ってから、これまでの自信に満ち溢れた甲斐の様子が一変する。「玉井はどうすべきだと思う?」「どうしたらいい?」。甲斐からの質問に驚きつつも、秘書の玉井(中村アン)は「簡単です。全て真実を証言して柳を引きずり下ろしてやればいいんです。それでシャンパンでも開けてお祝いして、朝までどんちゃん騒ぎしましょ」といつもの甲斐の強気な調子で背中を押す。そして甲斐はそんな玉井に「やっぱり君は最高の秘書だ」と笑顔で告げた。玉井はその後も、「幸村・上杉法律事務所」の所長であるチカ(鈴木保奈美)に「もうあんな甲斐先生を見たくありません。これで先生を救ってください」と柳の隠蔽の証拠を差し出していた。甲斐と玉井が築いてきた信頼関係の強さが垣間見えた瞬間だった。
甲斐は検事時代、柳の不正を知っていながらも、下っ端という立場から、地検のエースである柳を告発できずにいた。「上層部は誰も守っちゃくれない。だから私は検察を辞めた」。柳の不正と向き合うことは、過去の自分と向き合うことでもあった。そしてもうひとつ、甲斐が思い悩んでいたのは、自身が検事時代に柳の証拠隠しにより、冤罪を犯してしまったということ。次週の最終話では、甲斐がこの冤罪と向き合うことになる。甲斐と大輔(中島裕翔)、そして玉井やチカたちとの結束も問われる回となるだろう。
(大和田茉椰)