“お金もいらない”くらい幸せ!劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」間もなく開幕
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劇団四季 ミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」より。(撮影:荒井健)
劇団四季のミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」が、明日4月25日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールで開幕。これに先駆け本日24日に、合同取材会が行われた。
ミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」は、作詞・作曲をジョージ・ガーシュウィン、アイラ・ガーシュウィンが手がけたミュージカル。1992年にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイで初演された本作では、1930年代のアメリカを舞台にしたラブコメディが描かれる。劇団四季では1993年に初演され、これまでに1900回以上も上演されてきた。
通し舞台稽古のあとに行われた取材会には、ボビー・チャイルド役候補の萩原隆匡と、ポリー・ベーカー役候補の町真理子が出席。2015年の「クレイジー・フォー・ユー」でもボビー役を務めた萩原は、久しぶりのボビー役について「相変わらず無我夢中で演じていますし、先ほどの舞台稽古の記憶もあまりないです」と苦笑いしつつ、「お客様に劇場に来ていただけるのは素晴らしいこと。劇場でしか味わえない感覚や感情があると思いますし、一緒に泣いて笑って拍手をして、幸せな時間を過ごしていただけたら」と観客にメッセージを送る。
初出演の町は「大好きな作品なので、出られて本当にうれしい。プレッシャーもありますが、毎日素敵な音楽と歌、振付を味わえるのが幸せです」と微笑みを浮かべる。また町は通し稽古を振り返って「大勢の方に観ていただくのが初めてだったので、一体感があり楽しかった。『そこで笑いが起きるんだ!』という発見もあり、改めてお客様が入って完成する作品だと思いました。ぜひ劇場にお運びいただき、劇中歌を口ずさみながら帰ってほしい」と語った。
世界情勢が揺れている今、コメディを上演することへの思いを尋ねられると、萩原は「この作品を観ていると現実をひと時忘れられる。お客様には軽い足取りで帰ってほしいですね。お客様を笑わせることに真摯に取り組み、それで喜んでもらえたら、これほどの幸せはありません。“お金もいらない”くらい……いえ、本当は欲しいですが(笑)、そのくらい幸福感がある舞台です」と、劇中歌「I Got Rhythm」の歌詞を引用しながら話す。
町は萩原の言葉にうなずきながら「コメディですが、復興や再生といったテーマもあります。寂れた街に活気があふれ、登場人物たちが生きがいを見つけていく。私も舞台上で観ていて胸がいっぱいになることがあります。お客様にもその様子を観て、少しでも元気になってもらえたら」と言葉に力を込めた。
萩原は今回ボビー役に取り組んだ実感について「僕は落ち込みやすいので、明るいボビーにすごく助けられています。演じながら力が入りすぎると、コメディなのにつまらなくなってしまいますから(笑)。悩むよりもパパーン!とやってみたほうが良くなることがあります。だから悩みすぎずまずやってみることを大切にしていますね」と述べる。また町は「私は関西人なのでつい笑いを取りたくなってしまうのですが、『ポリーはそんなに笑いを狙わなくて良い』と稽古場で言われてしまいました(笑)。萩原さん(演じるボビー)がウケていると、『良いなあ』と思います」と打ち明ける。これを聞いた萩原が「いやいや、俺はポリーがうらやましいよ!」と言うと、町は「でも、どうせなら爪あとを残したいんです!」と続け、記者たちの笑いを誘った。
取材会では2人が、“生きがい”について語る場面も。町は「ポリーの生きがいは人を愛することだと思っています。愛を大切にしながら演じたいと思いますし、私自身もポリーを通じ、愛について考えるようになりました」と明かす。また萩原は「僕は本当にこのお仕事が好き。劇場にお客様を迎えられることが僕らの喜びですし、やはりこれが僕の生きがいです。生の舞台が大好きですね。緊張しますけど!」と笑顔を浮かべた。
「クレイジー・フォー・ユー」のKAAT神奈川芸術劇場 ホール公演は7月22日まで行われ、その後8月26日から全国ツアーがスタートする。
劇団四季 ミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」
2023年4月25日(火)~7月22日(土)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
※8月26日から全国ツアー。
※2023年5月18日追記:5月18日公演は出演者の体調不良により中止になりました。