「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」第5弾は、罪と罰を問う問題作『赦し』を上映
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『赦し』 (C)2022 December Production Committee. All rights reserved
『TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ』プロジェクト第5弾として、被害者家族と加害者の“赦し(ゆるし)”をテーマにした問題作『赦し』を上映、女優の松浦りょうとアンシュル・チョウハン監督がゲスト登壇することが発表された。
TOHOシネマズが、いま、気になる映画人や映画、もっと注目されるべき作品を邦画、洋画問わずピックアップして特別上映を行う『TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ』プロジェクト。2021年12月に実施された第1回は、阪元裕吾監督の『ベイビーわるきゅーれ』『ある用務員』を上映し、当日は満席になるなど好評を博した。
続く2022年2月に実施された第2弾では、いしづかあつこ監督の『グッバイ、ドン・グリーズ!』『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』を上映、同年3月に実施された第3弾では坂田敦哉監督の『宮田バスターズ(株)大長編』を、第4弾では女優・萩原みのりの2作品『お嬢ちゃん』『成れの果て』を上映するなど、映画ファンの注目を集める企画となっている。
そしてこの度、約1年ぶりの同プロジェクトの第5弾としてセレクトされた作品が、娘を殺された元夫婦と犯行時に未成年だった加害者の女性という、癒やしようのない苦しみに囚われた 3 人の葛藤を見据え、魂の救済、赦し(ゆるし)という深遠なテーマに真っ向から挑んだ問題作『赦し』。
本作のメガホンを執ったアンシュル・チョウハンは、インド出身で日本在住の気鋭監督。寓話的なファンタジーだった前作『コントラ』の作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口を披露した本作は、本格的な裁判劇でもある。法廷における裁判官、弁護士、検察官、証人のやりとりを臨場感たっぷりに描出し、スリリングな展開と、登場人物たちが抱く不安、迷い、痛みを見事に表現している。
また、出演者たちの迫真の演技にも注目だ。娘をクラスメイトに殺害され、怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、樋口克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ監督と組んだ主演作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』が記憶に新しい尚玄。元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した『台風家族』『ひとよ』などで多彩なキャラクターを演じてきたMEGUMI。深い喪失感を共有する者同士でありながら、対照的なベクトルで裁判の成り行きを見つめる元夫婦の複雑な思いを表現した。
そして、本作で特に注目を集めているのが、加害者側である福田夏奈役に抜擢された松浦りょうだ。映画デビュー作『渇き。』などで独特の存在感を示してきた新進女優が、本作の成否を左右すると言っても過言ではない難役に挑戦。殺人というあまりにも重い十字架を背負った夏奈の不安定な心模様を、繊細な揺らぎを湛えた瞳とたたずまいで伝えるその迫真の演技は必見だ。
なお、今回の「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマVol.5」は5月18日(木)に実施され、当日は松浦と監督が登壇する舞台挨拶も予定されている。注目を集めるふたりをゲストに迎え、どんな場が生まれるのかに期待したい。
●実施概要
上映日時:5月18日(木) 19時〜
上映作品: 『赦し』(上映時間98分)
ゲスト:松浦りょう、アンシュル・チョウハン監督
上映劇場:TOHOシネマズ日比谷
料金: 1,900円均一
Vitにて5月14日(日)0:00~5月13日(土)24:00チケット販売