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野村萬斎、「こうもり」でオペラ初演出「激烈な演出を考えている」

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左から幸田浩子、阪哲朗、野村萬斎、福井敬、藤木大地。

2023年度 全国共同制作オペラ J.シュトラウスII世 / 喜歌劇「こうもり」が、11月19日に滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール、25日に東京・東京芸術劇場 コンサートホール、12月17日に山形・やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館) 大ホールで上演される。これに先駆けた記者会見が本日5月2日に東京都内で行われた。

全国共同制作オペラは、日本全国の劇場・音楽堂や芸術団体等が、文化庁の助成を得て、新演出のオペラを作り上げるプロジェクト。2021年度には岡田利規演出「夕鶴」、2022年度には上田久美子演出「田舎騎士道 / 道化師」が上演された。2023年度は、オペラ初挑戦となる野村萬斎の演出により「こうもり」が制作される。

記者会見には、演出の萬斎、指揮を務める阪哲朗、キャストの福井敬、藤木大地、幸田浩子が出席。まず萬斎があいさつし、「世田谷パブリックシアターで20年間芸術監督を務め、先日卒業いたしましたので、違うジャンルに挑戦・勉強したいと思っておりました。せっかく抜擢していただいたので、日本ならではの発想、能・狂言ならではの発想を生かして、珍しいものにできれば。激烈な演出を考えているのですが、ネタバレになるので今はあまりお話しできません(笑)」と構想の一部を語った。

続く阪は、キャスト陣に目を向けながら、「『こうもり』を上演するには、芝居ができて、歌えて、踊れる、総合力が必要になると思いますが、今回のキャストの皆さんは芸達者な方ばかりなので、まったく心配しておりません」と笑顔を見せる。また、「30年近く欧米諸国で活動していると、能・狂言に触れるチャンスがなかなかなくて。なので、萬斎さんが今回どのような演出をつけるかとても興味がありますし、萬斎さんと一緒に、音楽のスピードと芝居のスピードをシンクロさせる作業ができることを非常に楽しみにしております」と期待を述べた。

アイゼンシュタイン役の福井は「シュトラウスの作品は、喜劇であっても、世紀末の匂いを感じる作品が多い。萬斎さんも、世紀末から新しい時代が生まれてくるイメージで演出プランを練っているとおっしゃっていたので、どのような作品に仕上がるのかとても楽しみです」とコメント。アデーレ役を務める幸田は「『こうもり』の2幕に、みんなが仮装をして別の人に変身するシーンがあるのですけれど、仮面をつけてほかの人になり切ることで、その人自身の本質が見えてくるのではないかと思っていて。パンデミックという非日常を経験したからこそ、日常が愛おしく思える。そんな感覚をお客様と共有しながら、作品を作り上げていけたらと思います」と観客に呼びかけた。

オルロフスキー公爵役の藤木は「カウンターテナーは、男性が女性の音域で歌っていると表現をされることがあるのですが、僕はもうそこに言及しなくても良いのではと思っています。このプロダクションにおいて、カウンターテナーでオルロフスキー公爵の歌を歌うことは珍しいかもしれないけれど、今回は別の部分に注目してほしいです」と思いを込める。また、阪とのつながりに触れて、「阪さんとは20年来の野球仲間なので、栗山英樹監督と大谷翔平さんのような関係になれるようにがんばります(笑)」とユーモアたっぷりに語った。

チケット販売は東京公演分が7月1日、滋賀公演分は8日、山形公演分は29日にスタート。

2023年度 全国共同制作オペラ J.シュトラウスII世 / 喜歌劇「こうもり」

2023年11月19日(日)
滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

2023年11月25日(土)
東京都 東京芸術劇場 コンサートホール

2023年12月17日(日)
山形県 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館) 大ホール

指揮:阪哲朗
演出:野村萬斎
管弦楽:日本センチュリー交響楽団(滋賀公演)、ザ・オペラ・バンド(東京公演)、山形交響楽団(山形公演)

キャスト

アイゼンシュタイン:福井敬
ロザリンデ:森谷真理(滋賀・東京公演)、田崎尚美(山形公演)
フランク:山下浩司
オルロフスキー公爵:藤木大地
アルフレード:与儀巧
ファルケ博士:大西宇宙(滋賀・東京公演)、青山貴(山形公演)
アデーレ:幸田浩子
ブリント博士:晴雅彦
フロッシュ:桂米團治
イーダ:佐藤寛子