市川猿之助、昼夜公演共に宙乗り披露!明治座「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」スタート
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明治座創業百五十周年記念「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」昼の部「歌舞伎スペクタクル『不死鳥よ 波濤を越えて ―平家物語異聞―』」より。(撮影:松竹)
明治座創業百五十周年記念「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」が、東京・明治座で本日5月3日に開幕した。
昼の部では、1979年に植田紳爾の作・演出で初演されて以来、今回が2度目の上演となる「不死鳥よ 波濤を越えて ―平家物語異聞―」が上演される。初演では“歌舞伎レビュー”として話題になった今作を、今回は藤間勘十郎と市川猿之助の演出で立ち上げる。劇中では、平知盛(猿之助)の物語が展開。壇ノ浦の戦いで落命寸前の知盛は、宋の水軍の将・楊乾竜(中村隼人)に助けられ、密かに一命をつないでいた。迫りくる源氏の追手から逃れ、唐戸の浜までたどり着いた知盛は、そこでかつて心を深く通わせた若狭(中村壱太郎)と再会し……。
本演目で猿之助は、“不死鳥”をほうふつとさせる白い衣裳に身を包み宙乗りするほか、歌声も披露。出演者には猿之助、隼人、壱太郎に加え、中村米吉、市川男寅、中村福之助、中村歌之助、市川青虎、下村青、嘉島典俊、市川笑三郎、市川笑也、市川猿弥、石橋正次、中村鴈治郎が名を連ねている。
夜の部には、四世鶴屋南北の原作をもとに、三代目猿之助(現・市川猿翁)が1984年に明治座で初演した「御贔屓繫馬」がラインナップされた。約30年ぶりに上演される今回は、演出の猿之助が、新たな工夫を加え物語を凝縮。猿之助ら昼の部にも出演したキャストに加え、百足のお百役で市川團子、仲居お万役で市川寿猿、渡辺綱役で市川中車、源仲光役で市川門之助が登場した。
平将門の遺児・相馬太郎良門(猿之助)は、父の遺志を継ぎ天下を奪うべく弔い合戦を仕掛けたが、あえなく病死。死者を生き返らせることのできる秘術の存在を知った良門の妹・滝夜叉姫(男寅)は、兄を蘇生させるため、秘術を扱う石蜘法印(青虎)に将門の髑髏と金冠を差し出し……。劇中で猿之助は派手な立廻りや宙乗りを披露し、会場を拍手で包む。また大喜利所作事「蜘蛛の絲宿直噺」では、猿之助が6役早替りの変化舞踊で観客を圧倒した。
「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」は5月28日まで。なお、最終日の5月28日公演のみ、「花形公演」として、一部配役が異なる「御贔屓繫馬」が昼夜公演共に上演される。
明治座創業百五十周年記念「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」
2023年5月3日(水・祝)~28日(日)
東京都 明治座
昼の部
「歌舞伎スペクタクル『不死鳥よ 波濤を越えて ―平家物語異聞―』」
作:植田紳爾
演出・振付:藤間勘十郎
演出:市川猿之助
出演
平知盛:市川猿之助
白拍子若狭 / 紫蘭:中村壱太郎
衛紹王:中村米吉
楊乾竜:中村隼人
蓮花:市川男寅
佐伯義澄:中村福之助
伊藤利正:中村歌之助
難波盛広:市川青虎
宰相武完:下村青
監物為春:嘉島典俊
師の尼:市川笑三郎
白拍子陽炎:市川笑也
入江相政:市川猿弥
景山高次:石橋正次
平通盛:中村鴈治郎
夜の部
「三代猿之助四十八撰の内『御贔屓繫馬』」
作:四世鶴屋南北
脚本:奈河彰輔
脚本・演出:市川猿翁
補綴・演出:石川耕士
演出:市川猿之助
出演
相馬太郎良門 / 女童熨斗美 / 小姓澤瀉 / 番新八重里 / 太鼓持彦平 / 傾城薄雲実は土蜘蛛の精:市川猿之助
桔梗の前:中村米吉
台屋の四郎次 / 源頼光:中村隼人
滝夜叉姫:市川男寅
御厨正頼 / 碓井貞光:中村福之助
卜部季武:中村歌之助
百足のお百:市川團子
石蜘法印 / 坂田金時:市川青虎
仲居お万:市川寿猿
熊手のお爪:下村青
猪熊入道:嘉島典俊
金時女房八重菊:市川笑三郎
貞光女房桐の谷:市川笑也
伊賀寿太郎 / 平井保昌:市川猿弥
渡辺綱:市川中車
源仲光:市川門之助
※5月28日は「花形公演」として、一部配役の異なる「御贔屓繫馬」が昼夜共に上演される。