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特別展『恐竜図鑑』5月31日より開催 豊かなイマジネーションを発揮して描いた「パレオアート」約150点を公開

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小田隆《篠山層群産動植物の生態環境復元画》2014年 丹波市立丹波竜化石工房 ©小田隆/丹波市

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恐竜展といえば、化石などの立体的な展示が多いなか、「恐竜の絵」に着目した異色の展覧会が、5月31日(水)から7月22日(土)まで、東京の上野の森美術館で開催される。恐竜などの古代生物を描いた「パレオアート」の世界を、世界各国から招聘した約150点の作品で紹介する興味深い展覧会だ。

「パレオアート」とは、化石などの学術的根拠に基づいて古代生物を描く復元画のこと。19世紀に「恐竜」と名付けられることになる骨の化石が発見されると、人々は化石などの痕跡から想像をふくらませ、その太古の世界の生き物の姿を主に絵画のかたちで表現してきた。同展は、19世紀の奇妙な復元図から、近年の研究に基づく現代の恐竜画に至るまで、人々が古代生物に対して抱いていたイメージの変遷の歴史をたどるものでもある。

見どころのひとつは、恐竜画の2大巨匠が夢の競演をはたすことだ。19世紀末から20世紀前半にかけてアメリカで活躍したチャールズ・R・ナイトは、野生動物画家としての生物学的知見に基づき、恐竜を生き生きとした姿で描いて、「キング・コング」(1933年)などの映画にも影響を与えたとか。一方、20世紀中盤からチェコで活動したズデニェク・ブリアンは、ヨーロッパ美術のリアリズムの伝統を踏まえて、強い説得力をもつリアルな恐竜画を制作。ふたりの作品は日本の図鑑などにも模写され、恐竜のイメージの普及に大きな影響を与えた。同展は、そうした恐竜画のオリジナル作品が一堂に会する貴重な機会となっている。

一方、19世紀の恐竜発見から間もない時期に描かれた歴史的に貴重な復元画も見逃せない。いまだ知見が限られていたがゆえに、画家たちが豊かなイマジネーションを発揮して描いた絵は、ときに奇妙だが、なんとも魅力的だ。同展ではまた、現代の恐竜画の旗手たちの多彩な作品が集結し、現代日本を代表するパレオアーティストの小田隆の作品の特集もある。CGを用いることなく肉筆のみで生み出された小田作品の圧倒的な迫真性は必見だ。19世紀から現在まで、この200年の間に描かれた多彩な恐竜画群を通して、太古に失われた世界への想像の旅を楽しみたい。

<開催情報>
特別展『恐竜図鑑 ― 失われた世界の想像/創造』

会期:2023年5月31日(水)~7月22日(土) ※会期中無休
会場:上野の森美術館
時間:10:00~17:00、土日祝は9:30から(入場は16:30まで)
料金:一般2,300円、大学1,600円、高中小1,000円
公式サイト:
https://kyoryu-zukan.jp/

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