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新版画において異彩を放つ存在だったポール・ジャクレー、首都圏初の展覧会を6月3日より開催

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ポール・ジャクレー《極楽鳥、セレベス》(個人蔵)(c) ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5060 前期展示

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2023年6月3日(土)より、太田記念美術館では『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』を開催する。

ポール・ジャクレー(1896-1960)は、パリに生まれたフランス人。3歳の時に来日してから、64歳で亡くなるまで日本で過ごし、昭和9年(1934)、38歳の時から色鮮やかな木版画を次々と刊行した。同展は、ジャクレーの新版画全162点を首都圏で初めて紹介する展覧会だ。

明治末期から昭和にかけて、日本の版画は、作画、彫刻、印刷という行程を美術家がひとりで行う「創作版画」と、江戸時代の浮世絵同様、絵師、摺師、彫師が協同して、ひとつの作品を作り上げる「新版画」の流れがあった。幼い頃から浮世絵を愛し、収集や模写を行っていたというジャクレーが飛び込んだのは、もちろん、新版画の世界である。

新版画といえば川瀬巴水や吉田博などの風景画が有名だが、ジャクレーが描いたのは、サイパン島やヤップ島といった南洋のミクロネシアの島民たち。昭和初期、30代前半だったジャクレーは、日本の委任統治領だった南洋の島々に何度も長期滞在し、島民たちと親交を深めながら、数多くの水彩画を描き、それを新版画の制作へとつなげていった。

目の覚めるような原色により、小麦色の肌をした南国の若者や、満州の美しい女性たちを表現したジャクレー新版画は、今見ても、極めてエキゾチックである。当時の新版画の中でも異彩を放つ彼の作品は、自らが彫師と摺師を指揮する私家版という形で芸術性が追求され、第二次世界大戦後、日本に駐在したアメリカ軍関係者からも好評を博した。

そんなジャクレーの作品を前・後期に分けて紹介する同展は、彼の遺族からの協力を得て実現した。まさにジャクレーの作品の魅力を堪能できる貴重な機会となることは間違いない。

<開催情報>
『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』

会期:2023年6月3日(土)~7月26日(日) ※会期中展示替えあり
会場:太田記念美術館
時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜、6月29日(木)、30日(金)
料金:一般1,000円、大高700円
公式サイト:
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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