名古屋シネマテークが7月末閉館、市内における最古のミニシアター 最後は原一男を特集
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名古屋シネマテークの劇場内。(写真提供:名古屋シネマテーク)
愛知・名古屋シネマテークが7月末をもって閉館することがわかった。
同館代表の倉本徹氏によると、映画館を取り巻く経営状況の悪化に伴い、今後の長期的な見通しが立たないことから自主廃業を決めたという。名古屋シネマテークは1982年6月、名古屋市千種区の今池にオープン。名古屋市内において最古のミニシアターとなる。2017年に公開された東海テレビ製作ドキュメンタリー「人生フルーツ」は、年間で1万人以上の観客を動員して同館最多を記録した。
倉本氏いわく、中でも上映に力を入れてきたのはドキュメンタリーとドイツ映画。昭和後期には「ドイツ映画大回顧展」として1年がかりの特集上映を打ち出し、観客のサポートも得ながら150本以上の作品にスライド字幕を付けたという。倉本氏は「シネマテークでなければできない。一番思い入れのある企画です」と振り返った。
閉館にあたって、さまざまなクロージング企画も予定。当時への“お返し”として、ドイツ映画のラインナップを組むほか、開館当初にも特集したドキュメンタリー作家・小川紳介と土本典昭の作品がスクリーンにかけられる。さらに倉本氏の“現在もっとも信頼できるドキュメンタリー監督”だという原一男の全作品を上映する企画も。上映とあわせて、本人が来館し“映画塾”を行う予定とのことだ。詳細は今後、名古屋シネマテークの公式サイトでアナウンスされる。