中村倫也×伊藤沙莉×日村勇紀×柄本時生が明かす実家の謎ルール「リモコンのことをテレビパッチンと呼んでました」
映画
インタビュー
左から)柄本時生、中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀 撮影:友野雄
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すべて見る家族っていいな、と思う映画が誕生した。
5月19日(金) 公開の映画『宇宙人のあいつ』は、真田家というある家族の物語。ごく平凡に暮らしていたはずの4兄妹に、ある日、衝撃の事実が知らされる。なんと次男・日出男は、宇宙人だったのだ。23年間、家族になりすまして一緒に生活してきたが、ついに地球を離れるときがやってきた。本作は、仲良し4兄妹の別れを、シュールな笑いを随所にぶち込みながらも、最後は思わず目頭が熱くなるタッチで描いていく。
次男・日出男を演じるのは中村倫也。さらに、長女・想乃に伊藤沙莉、長男・夢二役に日村勇紀、三男・詩文役に柄本時生と、これまた映画に負けないくらい濃い顔ぶれが勢揃い。まるで本当の兄妹さながらのトークをぜひ楽しんでほしい。
沙莉の朝ドラに出してもらいたいです
――映画を拝見しながらニヤニヤが止まりませんでした。みなさんもお芝居をしながら思わず吹き出してしまったところなどあったのではないでしょうか。
柄本 吹き出し女王だったのは沙莉だね。
伊藤 あはは。久々に(監督の)飯塚(健)さんにちょっと怒られましたからね。
中村 そんなに吹き出してた?
伊藤 吹き出すというか、「沙莉、顔笑ってるのバレてるから」みたいなのは少しありました。
日村 そういうのね。
伊藤 いい加減にしないと本当に怒られると思って、「すみませんでした」って言いつつ(笑)。
――特にこの人のお芝居でよく笑っちゃったというのは?
伊藤 やっぱり日村さんです。夢二が想乃と詩文にある教えを伝える場面があるんですけど、その内容が同じっていう(笑)。
日村 夢二は熱いこと言うんだけど、語彙力ないし、熱だけで喋り出すから、何言ってるのお前ってツッコまれるんだよね。
伊藤 あそこはちょっと耐えきれなかったですね。
中村 みんな面白いですけど、沙莉のツッコミは本当に心地いいよね。なんでそんなうまいんだろうって。
日村 うまいね。
中村 ツッコミがうまい人ってお芝居がうまいと思います。だから、今僕の頭の中は沙莉の朝ドラにどうやったら出してもらえるだろうって。
伊藤 なんでなのよ! おかしいでしょ。
日村 俺も俺も。
伊藤 俺も俺もじゃないですよ! なんで参加するの!
――さすがの切れ味です。伊藤さんのツッコミの秘訣は…。
伊藤 ないですよ(笑)。変だなと思ったら変だなと言うだけの話です。
――日村さんはいつもとは違うフィールドでのお仕事でしたが、中村さんたちと一緒にお芝居をしてみて発見したみなさんの新たな一面はありましたか。
日村 新たな一面…? う~~〜〜ん。
中村 今、ギア変えてます?
日村 う~~~~ん。(音が上がって)う〜~~~ん。
中村 あ、ギア変わった。二速入った。
日村 (笑)。この人たち、見事なくらいギャップがないんですよ。バラエティとかにも出るじゃないですか、この3人って。その印象と普段の境目が本当にない。むしろよりいい人なんだなとわかったというか。よりみんなのことが好きになりました。
中村 新しい一面という意味では、演者・日村勇紀を世の中に知ってもらえる映画だよね。いろんなところでおいしいものを食べるおじさんだと思っている人に、こんなにもプレイヤーとしてすごい人なんだなということを知ってほしいです。本当にすごい人だったんで、日村勇紀さんは。惜しい人を亡くしたなって…。
日村 じゃあ今、誰が喋ってるんだ。
中村 残留思念が(笑)。残留思念がギアを変えてましたね。
足の引っ張り合いも面白いから、地球の方がいい
――映画では、土星は比べ合いや足の引っ張り合いはないけど、家族がいない。地球は家族はいるけど、自意識だったり嫉妬だったりという複雑な感情があるという設定でした。みなさんはどちらに住みたいですか。
柄本 僕が足の引っ張り合いがある地球がいいです。面白いから、そっちの方が。
日村 へえ。
柄本 いろんな感情がごちゃ混ぜになるじゃないですか。それがいいなって。
――柄本さんは自意識とか嫉妬とか強いタイプですか。
柄本 ないです。足を引っ張られていると思ったこともないです。
中村 ないから楽しいんだ。
日村 俺、全然逆です。土星がいい。引っ張り合いがもう本当に嫌なの。誰かを蹴落としてまで何かをしてやろうという気がないから絶対嫌だ。なら土星でいい。
――ただし、土星には家族がいません。
日村 そう。だから本当は地球にいたいんだけどね。でも引っ張り合いが本当嫌い。向いてないのかもしれない、この世界(笑)。
中村 わっかる~。俺も芸能人向いてないなと思う。
――そんな中村さんはどちらに?
中村 もう地球に生まれ育ってるから、この生活が当たり前になって絶対地球ってなりますけど、せっかくなら知らないことも知りたいんで、土星イズムを知ってみたいですね。まあ、でもどうせどっかでつまらなくなって抗いはじめると思うんですけど。決められたものに反抗しがちなんで。
伊藤 私はやっぱり地球ですかね。
中村 絶対そうだろうね、沙莉は。
伊藤 私は家族が生きがいなので、家族のいない場所では生きていけないと思います。それに自意識とかはマイナスに思いがちですが、言葉にできないような感情がいくつも増えるのは豊かでいいんじゃないかなって気がします。
倫也くんは俺のパンツを履いたことがある
――兄妹が食卓を囲んでご飯を食べるシーンが印象的でした。この4人でご飯を食べるならどこで何を食べたいですか。
日村 時生くん家でいいんじゃないの?
柄本 また俺ん家なの? いいけど、すごいうれしいんだけど。
日村 いや、本当はね、うちも来てほしいよ。
伊藤 行きたい。日村さん家のプール入りたい。
日村 いいよ。うちのベランダのプール入ってほしい。ビニールプールですけど(笑)。
中村 みんな、ちゃんと水着持っていかないとね。忘れたら、日村さんの下着を貸してもらえます。
日村 そうだよ。倫也くん、俺のパンツ履いてたことあるから(笑)。
中村 日村さんのねぶた柄のパンツを1日履いてたから、ねぶた先輩って呼ばれてた。
伊藤 楽しそう(笑)。
日村 で、何食べる?
伊藤 またあの日村さんお得意の焼き肉でいいんじゃないですか? なんでしたっけ?
日村 「やきまる」ね。イワタニさんのカセットコンロの(笑)。じゃ、焼き肉でいいね。
中村 そういえば、沙莉がこの間牛タンを送ってくれて。それがめっちゃおいしかったんですよ。
伊藤 じゃあ、それをまた持っていきます。
――日村さんはコンロ、伊藤さんがお肉を用意するなら、中村さんと柄本さんは何を用意しましょう。
中村 氷持っていきます。
柄本 倫也さんは氷ですか。
中村 僕は氷じゃないです。
柄本 …「倫也さんは氷を持っていくんですか」という意味の氷じゃん!(笑) じゃあ、俺は野菜持っていきます。最近野菜ハマッてるんで。
日村 いいね。じゃあ、うちで焼肉で決定!
伊藤家の夕食は、懺悔タイムでした(笑)
――最後に、ご飯を食べるときにみんなで納豆をシェアするなど独特な家族の風景も映画の中には盛り込まれていました。そこで、みなさんの実家の謎ルールを教えてください。
柄本 うちはパンにバターに塗ったときはチンします。あと、お店は愛称で呼んでました。テントが赤いお店だと「赤にいる」とか。それくらいかなあ。
日村 うちは、窓とか鍵とか閉めないでいることを「パナシ」と呼んでましたね。鍵とかカーテンとか開けっぱなしにしていると、親が指差して「パナシ」と注意して閉めさせられるんです。当時、「ひらけ!ポンキッキ」に「パナシのうた」というのがあってね。「パナシ、パナシ、パパパパナシ、私、パナシの女の子~♪」って歌詞なんですよ。それになぞらえてうちの親がずっと言ってました。
中村 そこで言うと、うちはリモコンのことを「テレビパッチン」と呼んでました。誰が言い出したかわからないですけど、チャンネルをパチパチ変えるから、テレビパッチンってなったんでしょうね。で、中学くらいで知りました、よそではそう呼ばないんだって。
伊藤 謎ルール。なんだろうなあ…。あ、映画では、真田家は朝にサミットを開くじゃないですか。伊藤家は夜ご飯のときにみんな懺悔しはじめるという習慣がありました(笑)。最初は1日あったことを話しながらみんなでご飯を食べてるんですけど、今日はあの子と喧嘩してこんなことを言っちゃったとか、黙っておけばいいのにというようなことをうちのきょうだい3人はみんな言っちゃうんですよ。で、よく母と伯母に怒られていましたね(笑)。
取材・文:横川良明 撮影:友野雄
ヘアメイク:(中村さん)Emiy(エミー)、(伊藤さん)岡澤愛子、(日村さん)勝部絵里奈、(柄本さん)住本由香
スタイリング:(中村さん)戸倉祥仁様(holy.)、(伊藤さん)吉田あかね、(日村さん)渡辺 光、(柄本さん)矢野恵美子
衣装協力:(中村さま)ジャケット ¥167,200 、パンツ ¥101,200、ニットベスト ¥74,800、シャツ ¥73,700、ローファー ¥160,600
全てMAGLIANO/Diptrics (柄本さま)Kazuki Nagayama
<作品情報>
『宇宙人のあいつ』
5月19日(金) 全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
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