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「銀河鉄道の父」役所広司が観客の感想コメントに「幸せ」、菅田将暉は宮沢賢治の字を模写

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「銀河鉄道の父」公開記念舞台挨拶の様子。左から森七菜、役所広司、菅田将暉、成島出。

「銀河鉄道の父」の公開記念舞台挨拶が本日5月13日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、キャストの役所広司、菅田将暉、森七菜、監督の成島出が登壇した。

門井慶喜の同名小説を実写化した本作では、詩人、童話作家として知られる宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から描く。役所が政次郎、菅田が賢治、森が賢治の妹トシを演じた。

観客からの感想コメントが載ったボードを眺めた役所は「いい感想ばかり並べてくださったのかもしれませんが(笑)、うれしいですね。劇場に入ってくる自分と出ていく自分が変わったなら、映画を作った人間としてはすごく幸せだなと思います」と話し、菅田は「反響が大きくて、映画の感想を普段言わないような友達からも『面白かった』『泣いちゃったよ』と。うちの家族は森七菜ファンになってました」と明かす。「しめしめです」とうれしそうに反応した森は「私の周りの反響もすごくて、『予告編で楽しい感じの作品だと思っていたので、図らずも泣いてしまった。言ってよ、ハンカチ持っていったのに』と言われました。久しぶりにあんなに褒めてもらったなと」と語る。また成島は「素晴らしい俳優陣が褒められていてうれしいですね。役所さん、菅田さん、森さんと、第1志望の方で全部叶いました」とキャスティングへの思いをにじませた。

「こだわった部分は?」と聞かれると、役所は「21歳から70何歳まで演じました。21歳の僕は必見ですので、お楽しみください」とお茶目に答え、(現在21歳の)森さんと同級生です」と続けて会場を笑わせた。菅田は“手書きの文字”と話し、「劇中には書き物がたくさん出てきますが、映っているものはほとんど自分で書いたものです。宮沢賢治の文字をめちゃくちゃ模写しました。もしDVDになったら、一時停止してもらって、僕の字と宮沢賢治の字を比べていただければ。ただ、寄せつつも、自分なりの文字にしていますよ」と説明した。森は「衣装を見てほしいです。毎回鮮やかなお着物でかわいいんですが、あの時代は着物の下にネルシャツを着るのが流行っていたみたいで。豊かなお家ということもあり、トシも流行りに乗っておしゃれをしています」とアピールする。

菅田は花巻弁の相槌をアドリブで入れたとも述べ、「『ああ、やられた』というような意味の言葉なんですが、正直入れて失敗したかなって思ってるんです」と自信なさげな様子。それを聞いた成島は「面白かったし楽しかったですよ。岩手の言葉は本当に難しくて苦労して……。ほかの地域の人にはわからない言葉でも、字幕を入れるわけにはいかないですし。ただ完璧にできたと思います」と優しくフォロー。MCが「岩手出身の人は会場にいますか?」と呼びかけると、たまたま花巻出身の来場者がおり、作中の花巻弁をたたえたうえで「ありがとがんす」とお礼を述べていた。

終盤には、主題歌を担当したいきものがかりからのメッセージビデオを上映。水野良樹は「作品に関われてよかったです。お話をいただいたときは吉岡(聖恵)が出産を控えていたので、仕事はちょっとお断りしようかという時期でした。でも編集中のバージョンを拝見して、僕らもチームのみんなも『やらせてもらったほうがいい』と感じました」、吉岡聖恵は「これから母になる自分のことも重ね合わせて歌えたらと思ったんです。お母さんには、いつもありがとうと伝えたいです」とコメントした。

また本作が6月8日から開催されるトロント日本映画祭でオープニング作品として上映され、成島はこれまでの功績をたたえられて特別監督賞を受賞されることも話題に挙がる。役所は「お互いにチンピラだった時代からの知り合いで(笑)、ものすごくうれしいですね。彼が助監督の頃からの友人であり、仲間。これからいろんな賞をゲットしてください」とエールを送り、成島は「人の幸せを祈る、人のために生きなさいと言うのが宮沢家の教え。僕たちも人のためになるように映画を作りましたので、それがスクリーンから伝わればこれ以上の幸せはありません」と思いを伝えた。

「銀河鉄道の父」は全国で上映中。

(c)2022「銀河鉄道の父」製作委員会