【「さよなら中野サンプラザ音楽祭」連動企画】でんぱ組.inc×バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI×虹のコンキスタドール
音楽
インタビュー
左から)鶴見萌(虹のコンキスタドール)、高咲陽菜(でんぱ組.inc)、望月みゆ(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI) Photo:吉田圭子
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すべて見る閉館する中野サンプラザの50年の掉尾を飾る「さよなら中野サンプラザ音楽祭」が開催されている。5月25日には、でんぱ組.inc×バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI×虹のコンキスタドールという、ディアステージ系のアイドル3組によるライブが繰り広げられる。各グループ代表として高咲陽菜(でんぱ組.inc)、望月みゆ(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI)、鶴見萌(虹のコンキスタドール)の3人に、それぞれの関係性から今回の見どころまで語ってもらった。
――この3人は普段どんな間柄ですか?
望月みゆ(以下、望月) いや、謎メンツですね(笑)。私は陽菜ちゃんとの接点はないかな。
高咲陽菜(以下、高咲) そうですね。コロナ禍で配信イベントのMCをされていたとき、以前所属していたグループで出させていただいたことがあるくらいです。
鶴見萌(以下、鶴見) 私はふたりとも何かと関わっています。陽菜ちゃんとはもともと姉妹グループで、一緒にイベントをやったり。でも、でんぱさんに入ってからは、個人で絡むことはなかった気がする。
高咲 ないですね。
――みゆさんが萌さんを飲みに誘ったりは?
望月 随分前から話は出ているよね。映画で共演したとき(2019年公開の『FIND』)、ずっとお酒の話をしていて(笑)。
鶴見 してた、してた!
望月 すぐ飲みに行ってもおかしくなかったのに、結局行けてないね(笑)。
鶴見 何かと一緒になるのに。
望月 事務所全体でも特に仲いいふたりですけど、プライベートではどこにも行ってません。
鶴見 仕事でウェーイとなっています(笑)。
――お酒に強いみゆさんと飲むのはヤバいと、避けてるわけではなくて(笑)。
望月 萌ちゃんはたぶん大丈夫な側だと思う。
鶴見 そう思います(笑)。そこは安心感があって。中野で飲みましょう!
望月 いいね!
――陽菜さんも大人になったら誘おうと?
高咲 数年後に参加します(笑)。
望月 生まれたの、最近か(笑)。
――陽菜さんが虹コンの妹グループに入ってきたときは、萌さんはどんな印象がありました?
鶴見 めちゃくちゃしっかりしていてプロ意識が高いと、ずっと聞いていました。大人とも対等に接していたイメージがあります。
望月 すごーい!
――昨年バンもんが主催した「NAKAYOSHIFES」に、でんぱ組も虹コンも参加していましたが、みゆさんは二組をどう見ていたんですか?
望月 もともとどちらも好きで、対バンで一緒になったら必ずステージを見ていました。虹コンちゃんはフォーメーションがコロコロ変化して。
鶴見 そうですね。
望月 人数が多い分、一人ひとりの運動量が私たちとは違いすぎて、すごいと思います。でんぱさんはワンマンでも、始まってから最後までパワフルさが続くのが衝撃的。観ている側も汗をかくのに、ずっと同じ熱量で動くんですよね。
――でんぱ組はメンバーの変遷もありました。
望月 バンもんは今のメンバーになって9年ですけど、でんぱさんを見ていると、変わっていくのもいいなと思います。去年の日比谷野音も見に行って、新しく入った陽菜ちゃんたちも尻込みしちゃうようなところが全然なくて。メンバー全員、同じパワーで来ていました。
――陽菜さんは小さい頃からでんぱ組が憧れだっただけに、自分が加入することにプレッシャーもありませんでした?
高咲 最初の振り入れの頃はめちゃめちゃ緊張して、先輩たちとひと言も喋れませんでした。加入して初のライブも、新メンバーは全員「自分がここにいていいのかな?」という気後れがあったんです。でも、その直後に振り入れを公開で見せるイベントが、5日間くらい連続であって。
鶴見 やってたね。
高咲 そこで先輩方と新メンバーの距離がグッと縮まりました。楽屋やレッスンでのテンションもそうなって、今は壁がなく、良い感じの空気感になったと思います。
――萌さんはでんぱ組とバンもんをどう見ていました?
鶴見 自分がアイドルを始めた頃から、対バンや大きなフェスでいつもトリだった二組なので。「お疲れさまです」と挨拶するだけの遠い存在でした。最初は事務所も違っていたのがここまで近くなれて、一緒にイベントをする世界線に来られたのは、すごく不思議な感覚。幸せですね。
――この3組で「さよなら中野サンプラザ音楽祭」に出ることになったときは、どう思いました?
望月 たくさんのアーティストが出る中での共演はありましたけど、スリーマンは初めてなんです。念願が叶いました。しかも、中野サンプラザの大きなステージで一緒にやれるのは、めちゃめちゃ感激。とにかく早くチケットを買って、絶対に観に来てほしい!
鶴見 またあるか、わからないしね。
望月 これだけ距離が近いからできることもありますし、見逃さないでほしい! というのを一番に思った感じです。
鶴見 各グループのファンの方が、他のグループも絶対好きになれると思います。
高咲 私もめちゃめちゃうれしかったです。でんぱ組が新体制になって初のホールライブが中野サンプラザで、思い出深い場所ですし、意外とスリーマンがなかったんだと今聞いて、なおさらレアだなと思いました。
――今出たでんぱ組の中野サンプラザでのライブは、2021年のでんぱ組.inc ワンマンライブ 特別公演「箱庭の掟」ですね。どんな思い出がありますか?
高咲 加入してからそこまで、自分的には立ち止まることなく順調にやってきましたけど、中野サンプラザの本番当日のリハーサルで壁にぶち当たったんです。
――いきなり?
高咲 「どうしよう!? どうしよう!?」と悩んで本番直前まで号泣して、目がパンパンになりながらステージに出た記憶があります。
――それはどんな壁だったのでしょう?
高咲 そのライブでは新メンバー全員、メインでフィーチャーされる曲をやらせてもらって。リハーサルをしていたら、自分のキャラクターや立ち位置が急にわからなくなってしまったんです。加入して初めての葛藤でした。でも、本番を通して変われたところも結構あって。終わったあと、メンバーのみんなからも「頑張ったね」と言ってもらえました。
――リハーサルから本番までの数時間の間に、何があったんですか?
高咲 自分の中で考えすぎていた部分があったんです。最年少という立ち位置だけど、同年代ではしっかりしている感じだったので、何だかうまくいかなくて。
望月 末っ子キャラになるかどうかの境目だったんだね。
高咲 自分の性格とパフォーマンスがカチッとハマったのが、あのライブだった気がします。
――バンもんは2018年の「サブカル大相撲ツアー」で中野サンプラザ公演がありました。
望月 意味わからないツアータイトルでしたね(笑)。私たちはバンド寄りで、ライブハウス叩き上げでやってきましたけど、お客さんに若い女の子や子連れの方も結構いたので、「席がある会場でできたら」というのもあって。ライブではなくコンサート。その第2弾が中野サンプラザでした。発表したときのお客さんの沸き方もすごかったし、田舎者の私ですら知っていた会場ですからね(笑)。立てるのは光栄でした。ライブハウスより規模はずっとずっと大きくて、たくさんのお客さんがきれいに並んで見てくれて、より気合いを入れたのを覚えています。
――ステージで印象的だったことは?
望月 バンドにバックバンドを付けたんです。ツインギター、ツインドラム、ツインベースみたいな状況で、大きな和太鼓を置いたりもして、いつもと違うパフォーマンスをしました。どうしてもやりたかったのが、プロレスみたいな客席からの入場! 会場に通路があるからこそ、できることじゃないですか。相撲がテーマだったので、それぞれ旗を持って「東方~」と入ってきて。お客さんの近くを手を振って通っていけたのがうれしくて、一番記憶に残っています。
――それはメンバーもお客さんも高まりますよね。
望月 すごく楽しくて、DVDを何回も見ています。ホールならではということだと、私たちは立ち位置がわりと固定しているので、ライブハウスだと私のカラーのグリーンのサイリウムは下手側に集まりがちなんです。それがホールの指定席だと、色が散らばっているのも新鮮できれいでした。音の広がりや聞こえ方もライブハウスとは全然違うので、演奏も楽しかったです。
――虹コンはこの4月に、「全国美味いもの征服ツアー」のファイナルで、中野サンプラザに立ったばかりです。
鶴見 中野というと、虹コンではZEROホールとかでライブをしていて、中野サンプラザでできるのは驚きとうれしさがありました。でんぱさんの「箱庭の掟」を見に行ったとき、大きくてステージの装飾がきれいだなと思ったのを、いざ自分が立って実感しましたけど、お客さんは近くに感じられて。安心感もありました。
――アニメ好きの萌さんは、中野ブロードウェイに行ったりはしてました?
鶴見 大学時代に結構行ってました。私は明治大学で、中野キャンパスにはオタクカルチャーを学べる学部があって。私は文学部で御茶ノ水でしたけど、他の学部の授業も受けられたので、中野にも通っていたんです。そのときにブロードウェイで展示を見たり、グッズをいろいろ買ったりしていました。
――陽菜さん、みゆさんは中野の街にはどんな印象があります?
高咲 行くことが多いんですよね。お兄ちゃん、お姉ちゃんと行ったり、友だちを連れて行ったり。サブカルチャーを身近に感じて安心できますし、歩いて行けるところに楽しいものがキュッと詰まっている感じがします。
――特によく行くスポットもありますか?
高咲 中野ロープウェイという雑貨屋さんに通っています。かわいくて大きい犬の付いたヘアゴムとか、欲しくなるものがたくさん売っていて。つい手に取って買っています。
望月 私は中野に頻繁に行くわけではないですけど、事務所のスタッフさんが住んでる率がめっちゃ高くて(笑)。たぶんみんな好きで集まっていて、スタジオ練習をするのが中野だったり。「さけっぱらだい酒☆」のお酒を飲みまくるMVも、中野の居酒屋さんで撮りました。そういうとき、みんなで帰りにごはんを食べたり、飲みに行ったりはします。お店がいっぱいあるので、呼ばれている気がして(笑)。アーケードも楽しいですね。
――そんな中で、中野サンプラザが閉館と聞いたときは、どんな想いがよぎりましたか?
望月 もう一回ワンマンをやりたかったな……というのはありました。思い出の場所なので、寂しいです。
高咲 ビックリして家族と共有しようと思ったら、家族から先に「なくなるらしいよ」と連絡がきました。でんぱ組のワンマンが思い出深い公演になって、その後にお客さんとして行ったことも何回かあって。私、それまでは特別な思い入れのある会場があまりなかったので、「あの中野サンプラザが……」という気持ちになりました。
鶴見 なくなる前に滑り込みでライブができたのは、間に合って良かったなと。大学時代に中野に通っていたこともありますけど、小さい頃にも習いごとに行っていたんです。英会話と理科の実験教室みたいなものがあって。そんな身近な街で、中野サンプラザがあるのは当たり前の風景だったので、なくなったらどういうふうになるのか……。衝撃でした。
望月 確かに、駅を出たらバーンとそびえているからね。
鶴見 しかも、ライブをしたら本当にきれいなホールだったので、もったいない気がします。でも、何年か後にもっと大きいホールに建て替えられると聞いたので、それは楽しみです。
――今回の3組でのステージは、普通に考えると、それぞれで何曲かずつやって、全員で数曲……という形になるのかなと。
望月 来てほしいから言いますけど、初めてのものが見られます!
鶴見 そうそう! 私たちもドキドキ、ワクワクしています。
高咲 どのグループのファンの方が見ても絶対楽しめますし、新しい推しが増えるんじゃないかと思います。
――このサンプラザ限定でやることがあるんですね。
望月 そして、今後もできないかもしれないので、記念すべきステージになります。
――皆さんとしても、ワンマンともフェスとも違う心持ちですか?
鶴見 そうですね。グループとしてはずっと近くにいながら、今まで関わることがなかったメンバーもいますから、リハーサルで新しい仲良しができそう。
望月 確かに。そういう新しさもステージで見せられたらいいなと思います。
高咲 私はでんぱ組以外とは、ほとんどのメンバーと通り掛かったら挨拶するくらいの距離感なので、早くもっと仲良くなりたいです。
――特に仲良くなりたいメンバーはいますか?
高咲 バンもんさんとは全然関わりがなかったので、一人ひとりとお話ししたいです。みゆさんもこのインタビューで、めっちゃ話が面白いなと思いました。
望月 エーッ? 私、何か面白いこと言った(笑)?
高咲 事務所でトークレッスンがあって、今日も実践の場でしたけど、みゆさんと一緒にレッスンを受けられたら、吸収するものがいっぱいありそう。
望月 私はトークレッスンを受けたことはないけど(笑)。こっちは陽菜ちゃんが本当にしっかりしていて、ビックリした。元から末っ子キャラというわけではなかったんだね?
高咲 家族でも末っ子なので、たぶん根はそのままです。よくいたずらを仕掛けて、「このー!」ってトムとジェリーみたいになることはあります(笑)。
――みゆさんにベースを教わりたいとは?
望月 教えられません(笑)。
高咲 私、最近トランペットを始めたんです。小学生の頃に吹いていて、ずっとまたやりたかったんですけど、アイドルで大忙しだったので。でも、急にふと、衝動が起きました。まず楽譜が読めないので(笑)、教えてもらいたいです。
望月 これでトランペットをバリバリに吹けたら、カッコイイよね。ライブでソロ演奏とか見られたり。そういうのをいろいろ活かせるのがアイドルの良さだし、この事務所の自由度の高いところなので。ぜひ頑張ってね。
高咲 いつか楽器でバンもんさんと共演したいです!
――今回、他にお客さんに楽しみにしてほしいことはありますか?
鶴見 同じ事務所のファミリー感を見せたいと思っています。ファンの方もそれぞれ、今までフェスとかで他の二組も観たりして、だいたいわかっていると思うんです。ここでより内面を見せたり、仲の良さを出したりするので、もっと深く知ってもらえたら、全組ちゃんと追い掛けてみようというふうになれるかな。
望月 もともと、それぞれのグループに推しがいる人も多いですからね。私たちも「他のグループを負かしてやろう」とか、ピリつく感じはないので(笑)。リラックスして見にきて、サイリウムも何本か持ってきて、曲ごとに色を変えるくらいの感じで楽しんでほしいです。そこがファミリー感の良さなので。
高咲 フェスの熱狂的な盛り上がりとは、また違うステージになると思います。各グループで中野サンプラザでライブをやった話で、「きれいだった」という感想が出ましたけど、それがこのホールの素敵なところだと思います。中野サンプラザならではのキラキラした雰囲気を、最後に一緒に楽しんでいただきたいです。
Text:斉藤貴志 Photo:吉田圭子
<公演情報>
「さよなら中野サンプラザ音楽祭」
日程:2023年5月25日(木) 開場17:30 / 開演18:30
会場:東京・中野サンプラザホール
出演:でんぱ組.inc×バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI×虹のコンキスタドール
料金:指定席5,500円/プレミアムシート11,000円
※当日券の販売については下記オフィシャル公式Twitterをご確認ください。
「さよなら中野サンプラザ音楽祭」公式Twitter:
https://twitter.com/sayonarasunpla
「さよなら中野サンプラザ音楽祭」公式サイト:
https://sayonaranakanosunplaza.com/
関連リンク
でんぱ組.inc:
https://dempagumi.tokyo/
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI:
https://banmon.jp/
虹のコンキスタドール:
https://2zicon.tokyo/
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