家入レオ『NOT ALONE』ツアー初日レポート「会いたいと思ったらツアー組んで。もっともっとみんなに届けたい」
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『家入レオTOUR 2023 〜NOT ALONE〜』5月19日(金) 千葉・柏PALOOZA Photo:旭 里奈
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すべて見る正直、こんな家入レオを見るのは初めてだった。ステージから客全員の顔が認識できるであろうサイズのライブハウスで、ひとりで弾き語るところと、サポートギターが入ったアコースティック形態、そして客とのトークを楽しみながらマイペースで進んでいくライブ。
ツアー『NOT ALONE』の初日を飾る柏PALOOZAに現れた家入レオはここで、これまで見せなかった表情を見せてくれた。極限まで音数を絞った演奏と、ブレスまで聞こえる近距離でうたわれる歌。客席の全員とアイコンタクトをとりあい、ともに歌うことで深まっていく絆。
そんな感動のひとつひとつは、彼女の中にアーティストとしての新たな方法論が根付いたこと、今現在の生き方に対して明確な答えが出ていることを証明していたように思う。
そもそもこの日の家入レオは、登場した瞬間から一味違っていた。大きめなTシャツにゆるっとしたパンツ、スポーティーなサンダルというラフな衣装で現れ、シャカシャカと小気味よくギターを奏でて爽やかなナンバーを一曲。アコースティック・ギター1本という極限的に少ない音数の中で聴く家入レオの歌声は、ブレスやビブラートのどれもがより生々しく響き、フルサウンドの環境で聴くそれとはまったく違った温度を感じさせる。
「みんな、げんきー?」と叫んだあとは徐々にテンポアップしていく。ときにはハンドマイクに持ち替えて手拍子を誘い、緩やかに場内の空気を温めていった。
「本当にさ、わざわざ雨の中来てくれて。めっちゃ降っとったやろうに!」
そんなわけでMCも、博多弁もそのままに、心に浮かんだ言葉を躊躇なく発していく。
「今までバンド編成でライブをすることが多かったんですけど、ここからもっと自由に、形式にとらわれずに、会いたいと思ったらツアー組んで。新曲も今までリリースしてきた曲ももっともっとみんなに届けたいと思ってます」
そんな決意があっての今ツアーであり、その初日は自由度高く音楽人生を歩んでいくためのスタートでもある。そして『NOT ALONE』というタイトルからもわかる通り、これからは少しでも聴き手に近寄っていきたいという想いがあるのだろう。
10代の頃につくった曲や、大人になっても未熟である自分を直視した曲など、メロウな曲はとことん悲哀感たっぷりに歌い上げていく。選曲は、むしろフルオケのイメージが強い代表曲や、これまでの成長過程でキーとなってきた曲など、ファンとしては弾き語り仕様が想像つかない曲が多かったかもしれない。その分次の曲が始まるたびに客席には驚きと喜びの声が生まれ、それに応えるようにレオのカッティングもどんどん鋭くなっていった。
チューニングする時間を「なんでも答える質問タイム」にしたのはいいものの、丁寧に答えてしまうためトークタイムがどんどん長くなる。ギターをいじりながら相手の発言にツッコむ様は、まるで友達とピクニックにでも来ているかのようだ。しかし、その親近感が後半の熱気に直結する。
再びサポートギターの仲道良(ircle)を呼び込み、低音の歌声がスリリングな「Overflow」、そして自らもギターを細かく掻き鳴らしてテンポアップをはかる「Shine」から、一気に白熱した空間を作り上げていく。連続でジャンプしたり、足を踏み鳴らしたり、そういった動作の一個ずつが特殊効果になる。観客は汗だくになって歓声と手拍子を送り続ける。
これまで規制されていたためできなかった、ライブで声を出すことによる“自己の開放”をレオが促すと、足元を揺さぶるような大合唱がステージに返っていった。
「みんなもっと自由になっていいんだよ!絶対に大丈夫。もっと開放して!みんなこと大好きーーー!また必ず会おうね!」
今年2月に出したアルバム『Naked』のインタビューで、「何事もやってみてから結果について考える、そんな生き方にシフトにしたんです。それを恥ずかしがらずに音楽でむき出していきたい」と話していた家入レオ。自分の弱点や欠点を受け入れ、より素直に音楽を楽しむようになった彼女が歌う本編ラストの「サブリナ」は、これまで必死に歌い手としての使命を守ろうとしていた自分自身に決着をつけるように熱く、それでいて爽快だった。
止まらない歓声に応えたアンコールでは、「私も自分のことを抱きしめるのが下手で、なんでもっと上手にできなかったかなと悩みます、でも、それも自分なんよ。それでよくて。もっと自分を抱きしめて、褒めてあげることを忘れずにお互いまた明日から生きていけたらいいなと想います」と語り、しっとりしたナンバーを披露。双方から交わされる歌声と手拍子は、これまで感じたことのない優しさに満ちていた。
家入レオのアコースティックという新たな試みのツアーはまだまだ続く。その初日を見て、これまでの『家入レオ』を作ってきた曲たちの素晴らしさを、ファンと一緒に吟味しなおすようなツアーになるだろうと強く思った。
Text:川上きくえ Photo:旭 里奈
<公演情報>
家入レオTOUR 2023 〜NOT ALONE〜
5月19日(金) 千葉・柏PALOOZA
<ツアー情報>
家入レオTOUR 2023 〜NOT ALONE〜
※終了分は割愛
5月25日(木) 静岡・Live House 浜松窓枠
5月27日(土) 香川・高松オリーブホール
5月29日(月) 京都・磔磔
6月7日(水) 宮城・仙台darwin
6月9日(金) 北海道・cube garden
6月17日(土) 福岡・DRUM LOGOS
6月18日(日) 広島・広島CLUB QUATTRO
6月22日(木) 大阪・梅田 CLUB QUATTRO
6月23日(金) 愛知・名古屋 CLUB QUATTRO
6月30日(金) 東京・Shibuya WWW X
家入レオ TOUR 2023 〜NAKED〜
10月7日(土) 大阪・Zepp Namba(OSAKA)
10月8日(日) 愛知・Zepp Nagoya
10月12日(木) 福岡・Zepp Fukuoka
10月21日(土) 宮城・仙台GIGS
10月27日(金) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
11月3日(金・祝) 香川・高松festhalle
11月4日(土) 広島・BLUE LIVE 広島
11月11日(土) 神奈川・KT Zepp Yokohama
11月18日(土) 北海道・サッポロファクトリーホール
★5月29日(日)23:59まで『TOUR 2023 〜NAKED〜』チケットぴあ特別抽選先行受付実施中:
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特設サイト:
https://www.leo-ieirimobile.com/feature/specialsite_tour2023
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