Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 《所有・雰囲気・振動—森のはずれ》を約30年ぶりに展示『若林奮 森のはずれ』6月1日より開催

《所有・雰囲気・振動—森のはずれ》を約30年ぶりに展示『若林奮 森のはずれ』6月1日より開催

アート

ニュース

ぴあ

《所有・雰囲気・振動―森のはずれ》1981-84年 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵 撮影:山本糾

戦後日本の彫刻を牽引しながらも2003年に67歳の若さで病死した若林奮の回顧展『若林奮 森のはずれ』が、6月1日(木)~8月13日(日)、武蔵野美術大学 美術館・図書館で開催される。

若林は1986年に「以前から私は自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた。その確認のために様々なものを観察し、彫刻や絵をつくることが必要であった」という言葉を残している。没後20年にあたるこの展覧会では、若林作品の核と言える「自然」をめぐる諸相を読み解いていく。

武蔵野美術大学で教鞭を執っていた1981年、若林は学内にある工房に鉄板を立て、自分自身のために10畳ほどの空間を制作。その後、この通称「鉄の部屋」の周囲を鉛で覆い、周辺に植物や大気を表す鉛の板やキューブを配置し、《所有・雰囲気・振動―森のはずれ》(1981-84年)として発表している。同展では、この作品を約30年ぶりに展示する。

この作品は、自分自身が所有できる空間を区切ることで生まれた「境界」や「領域」をめぐり、自身を軸とした周縁への思索を深め、自らの彫刻観を拡張させるきっかけとなった重要作。若林自らを含んだ自然や風景そのものの具現化を試みたともいえそうだ。

さらに、人の背丈ほどある角柱に植物の構造を想像させる《Daisy I》全10点とともに、ひと続きの空間で相対的に展示。この2作品を考える糸口として、自身と対象との距離を測るものさしとして通底する概念となる《振動尺》シリーズ、重要な素材のひとつとなる硫黄を用いた作品ほか、ドローイングや資料なども併せて約100点で構成される。

自然と人間の関係が問われる今、若林奮がつくりあげた彫刻を再び見つめ直したい。

<開催情報>
『若林奮 森のはずれ』

会期:2023年6月1日(木)~8月13日(日)
会場:武蔵野美術大学 美術館・図書館 美術館展示室2・4・5、アトリウム1・2
時間:11:00~19:00、土日祝日は10:00~17:00
休館日:水曜
料金:無料
公式サイト:
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/20684/

フォトギャラリー(8件)

すべて見る