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是枝裕和の「怪物」がカンヌ脚本賞、坂元裕二「たった1人の孤独な人のために書いた」

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第76回カンヌ国際映画祭フォトコール時の是枝裕和(左)、坂元裕二(右)。(写真提供:Abaca Press / Marechal Aurore / Abaca / Sipa USA / Newscom / ゼータ イメージ)

是枝裕和が監督を務め、坂元裕二が脚本を手がけた「怪物」が、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で脚本賞を受賞した。

本映画祭でクィアパルム賞も受賞した「怪物」は、ある郊外の学校で起きた子供同士の喧嘩が社会やメディアを巻き込んで大事になっていくさまを描いた物語。安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太らがキャストに名を連ね、坂本龍一が音楽を手がけた。

是枝は「ありがとうございます。ひと足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します。僕がこの脚本のプロットをいただいたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります」と回想。「そこに描かれた2人の少年の姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスを見つけられませんでした。なので、いただいた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました」と述べ、「一緒に脚本を開発した川村(元気)さん、山田(兼司)さん、作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さん、みんなの力でこの賞をいただけたと思っております。ありがとうございました」と感謝した。なお坂元は受賞について「夢かと思った」「たった1人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜んだという。

日本映画のカンヌ国際映画祭脚本賞受賞は、濱口竜介の「ドライブ・マイ・カー」以来2年ぶり。「怪物」は6月2日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。

(c)2023「怪物」製作委員会