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“放浪の天才画家” 山下清の大回顧展『生誕100年 山下清展』6月24日より開催

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《長岡の花火》 1950(昭和25)年 山下清作品管理事務所蔵

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昭和の時代に「放浪の天才画家」として知られ、懐かしい日本の原風景や名所を貼絵で表して多くの人々の心を捉えた山下清。その生誕100年を記念する大回顧展が、東京・新宿のSOMPO美術館で、6月24日(土)から9月10日(日)まで開催される。

1922年に東京・浅草で生まれた山下清は、吃音と発達障害のために周囲になじめず、昆虫採りや絵を描くことを好んだ少年だった。12歳で千葉県の養護施設「八幡学園」に入園。授業で接した「ちぎり絵」に目覚めた清は、色の階調や細部表現に工夫を凝らした独自の「貼絵」の技術を磨いていく。

東京で開催された学園の子供たちの作品展で注目を集め、美術界の重鎮だった洋画家の安井曾太郎や梅原龍三郎らに高く評価されるが、18歳で学園を出奔。32歳までの15年間にわたって、自由であると同時に過酷な放浪生活を送った。 31歳のとき、新聞記事に取り上げられて一躍有名人となり、気ままな放浪が難しくなったことから、画家として身を立てようと決意。以後は、貼絵に加え、他の画材による制作や陶磁器の絵付けなどでも独自の表現を探り続け、全国各地で展覧会を開催して人気を博したが、1971年、脳溢血により49歳の若さで亡くなった。

驚異的な記憶力をもっていた山下清は、スケッチやメモをとらずとも、日本各地の旅先で見た風景を細部まで正確に思い出すことが可能で、放浪中もときおり自宅や学園に戻ってきては、高い集中力を発揮して、緻密で色調豊かな貼絵を制作したという。 同展は、代表作も含む数々の貼絵のほか、子供時代の鉛筆画や、後年に試みた油彩画やペン画、水彩画、陶磁器など約190点の作品に、放浪時代のリュックや浴衣などの遺品も加え、「日本のゴッホ」とも呼ばれた山下清の生涯と画業を紹介する大規模展だ。

生前から「裸の大将」のタイトルでその生き方が映画化され、その後もドラマ化や舞台化が続いている山下清だが、大規模な個展が東京で開催されるのは久々だ。超絶技巧とも言えるほどの丁寧な細部描写や豊かな色調の魅力を、ぜひ実際の作品から感じとり、その個性的な創作の世界を堪能したい。

© Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023

<開催情報>
『生誕100年 山下清展ー百年目の大回想』

会期:2023年6月24日(土)~9月10日(日)
会場:SOMPO美術館
時間:10:00 - 18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)
料金:一般1,400円、大学1,100円
公式サイト:
https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

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