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「THE DAYS」受話器から聞こえる役所広司の声に竹野内豊「引っ張られる」

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「THE DAYS」ワールドプレミアの様子。

Netflixシリーズ「THE DAYS」のワールドプレミアが本日5月29日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの役所広司、竹野内豊、小日向文世、小林薫、遠藤憲一、石田ゆり子、企画・脚本・プロデュースを担った増本淳、監督を務めた西浦正記と中田秀夫が登壇した。

本作は、2011年に起きた福島第一原子力発電所事故を7日間にわたって描く作品。政府・会社組織・原発所内で事故に対峙する者たちという3つの視点から、あの日、あの場所で、本当は何が起こっていたのかに迫る。最前線で指揮を執った福島第一原発の所長を役所が演じた。

「PERFECT DAYS(原題)」の演技で第76回カンヌ国際映画祭の男優賞を受賞した役所。MCが祝辞を述べると、「ありがとうございます、昨日帰ってきました。皆さんの応援が届いていました。『THE DAYS』も『PERFECT DAYS』もちょっと名前が似ていますけど(笑)」とユーモアを交えて挨拶。続けて彼は「この作品はみんなで本当に力を合わせて、志を持って作りました」と思いを伝えた。

西浦は「(本作は)“作品”というのもおこがましいし、連続ドラマとするのは変。我々が日々紡いだ気持ちを残した“映像”です」、中田は「史実にもとづく作品を扱うのは初めてでした。自主映画で津波のドキュメンタリーを作ったこともあるので、感慨深いです」とコメント。増本は「この企画を役所さんにご提案したのは2018年の暮れ。コロナウイルスの流行で1年以上中断していました。企画がなくなってしまうのではと不安もありましたが、『また集まってやろうよ』とスタッフ、キャストが言ってくださり、5年かかって、ここまで来れました」と感謝を口にした。

役所は「こういう時代だからこそ、エネルギーについて考えなければいけない。国民1人ひとりが判断して投票しなければなりません。このドラマをきっかけに立ち返って考えていただきたい」と呼びかける。1・2号機の当直長に扮した竹野内は「当時の作業員の方々の精神状況は、想像をはるかに超えるものだと思います。頭の中ではわかっていても、自分に問いかけても答えが出ないシーンばかりでしたので、気持ちだけは大事にしようと思いました」と述懐。さらに彼は「受話器から聞こえる役所さんの声だけで引っ張られるものがあり、助けていただきました」と振り返る。

総理大臣役の小日向はオファーを受けた理由について「台本をいただいて、いかに現場がすさまじかったか、総理がどういう状況だったか興味深かったし、演じてみたいと思いました」と明かす。防護服の衣装を身につけて演技に臨んだという小林は「“お国のため”というか、家族や身近な人ため、自分の仕事の誇りのために人はこんなに命懸けになれるんだと、演じていて思いました」と語る。

夫婦役で出演した遠藤と石田。遠藤は「とにかく張り詰めた現場でしたが、ゆり子さんを見ていれば幸福な気分になれました。ゆり子さんは俺を見ても幸福な気持ちにならないと思うので、申し訳なかったです」とジョークを飛ばす。石田は「(演じた役柄は)ほとんどセリフはないんです。ただ心の中にいっぱい言葉が詰まっていて。口には出さないけど、密度の濃い“祈り”でしたね」と述べた。

「THE DAYS」は、6月1日よりNetflixで世界独占配信。