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「僕らが繋いだ愛は簡単には消えない」MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOURレポート

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「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」6月1日(木) Zepp Haneda 撮影:安井 宏充(Weekend.)

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6月1日(木)、Zepp Hanedaにて「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」の6公演目が行われた。ウィンにとって初の全国ツアー。ファンにとっても、ウィンにとっても記念すべきツアーの節目となった公演の模様をレポートする。

ウィンの想いが込められた約2時間の熱い、熱い公演

現地時刻19時。天気は……晴れ。
フライト前を思わせる開演前アナウンスが流れ、いよいよライブスタートの時間が迫る。
そんな直前の瞬間に会場はソワソワとした空気に包まれている。

Crumple Bandが入場し、『Perfect weekend』のイントロが演奏され始めると自然と会場からはクラップが起こる。そんなクラップに誘われるようにしてマイクを持ったウィンが登場、一段と大きな拍手が会場を震わせた。
柔らかな声が響き、歌詞にひもづいたような動きがとてもキュートだ。しかし、ラップの部分はどこセクシー。だんだんと力強さを増していく歌声がライブの始まりを告げているよう。

1曲目を歌い終え、笑顔を見せたウィンが「Are you ready?」と客席に向かって呼びかけると客席からは大きなレスポンスが響く。その様子に顔をほころばせ、『Live in the Moment』へ。パワフルな歌声を響かせながら、ステージサイドまでに行き、楽しげにCrew(ファンの総称)たちに笑顔で手を振る。小気味よいベースラインが響き『UNBROKEN WORLD』。
どこか妖しげな照明の光の中でセクシーに歌い上げていく。共にあるのは音とスタンドマイクだけ。シンプルだが、スタンドマイクの前に立っているだけで絵になってしまうアーティストだ。

しかし、MCになるとガラッと表情が変わる。
大きな拍手の中「Zepp Haneda調子はどうだい!楽しんでるかーい!盛り上がってるかーい!」ととびきりの笑顔で呼びかけ、改めて客席のCrewたちにご挨拶。

「『MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR』6日目、東京公演へ来てくれて本当にありがとうございます。森崎ウィンのライブ、初めての人もそうじゃない人も僕が全員最後まで連れて行くから、1人残らず、全員ついてきてください!」と言い、続く『Fly with me』では、会場も一緒になってお馴染みの振り付けを。楽しげにそれぞれが体を動かしていくが、もちろん、一番楽しそうなのはウィンだろう。「やべぇ、楽しい!」と言い、笑顔を見せ、それに観ている側も笑顔になっていく。
続いては全員が腕を振り上げ始まった『Me Myself and I』。ステップを踏み、ステージを縦横無尽に動き回り、楽しげに笑う。その様子にテンションが上がってきているのが感じられる。

曲間には会場からウィンの名前を呼ぶたくさんの声が飛ぶ。それに嬉しそうに頷き、「みんなの顔をじっくり見させて、後ろのみんなも真ん中のみなさんも」と言い、ステージを端から端まで歩き、「いいね、いいね」と微笑む。「帰りにみんなの似顔絵書いてプレゼントするから。それぐらい覚えましたからね」とにっこり。
そして、2階席に向かっても「2階席の皆さんもよかったらクラップをしていただいて。落ちないようにだけ気をつけてください。落ちるのは……僕だけにしてください」とトークも絶好調だ。

そして続いての楽曲はニューアルバムから。
ウィン自身が作詞を手掛けたこの楽曲。ミュージカル『SPY×FAMILY』の稽古をしながらアルバムの制作をしていたときに生まれた曲だ。
「今だから言えることでもあるんですけど、相当追い込まれてたんですよ」とウィン。「役を作りながら、森崎ウィンとしていま何を伝えたいのか。自分でやりたいからやらせてくれって言ったわりには、相当追い込まれまして。自分の中でも限界を感じた瞬間だったんですよね」。そんな中で「純粋に自分が追い込まれたときに、『こういう言葉を、イヤホンをつけたときに囁かれたら俺、頑張れるかな』という自分が欲しい言葉を詰め込んだんです。あとあとになってもう一回聞いてみると、すごくパワーをもらえる曲になりまして。このときにこういうふうに言って欲しかったんだな、って。だからここにいるみんなも、そんなふうに感じてくれたら。何かに立ち向かう前に一瞬に立ち寄れるような曲になるいいな、という思いで今日はお届けしたいと思います」と楽曲に込めた想いを伝え、『No Limited』を披露した。

ギターの音色と共に落ち着いたウィンの声が響く『Anymore』。柔らかな歌声に少しずつ音が加わり、世界観が膨らんでいく。しっとりと歌い上げると、上手の台に腰かけ『midnight』を。スポットライトの下で語りかけるように歌う。

大人な空気感でCrewをうっとりとさせたあとのMCでは、最近落ち込むことがあった、と話し始める。『SPY×FAMILY』の福岡公演でのオフにキャンプに行ったウィン。趣味がカメラとドローンということで、ドローンを飛ばしてそれで動画も撮って……と計画していたのだが、ドローンが木に突っ込んで壊れ、ホテルについてからはカメラバッグの中に入れた缶ビールが漏れ、新しく買ったレンズバッグの中で溺れる事態に。これが5月のはじめの出来事だったそうだが、今でも立ち直れていない。切り替えようとしても、ふとしたときにドローンとレンズのことを思い出すウィンが提案したのは、「今日を節目に切り替えるからここで励まして!」。会場からはさまざまな声が飛び、ニッコリ。「ライブで励ましてもらってこんなに楽しいんだね」。

そんなウィンの近況エピソードを挟みつつ、次の曲へ。
今回のライブではアンケートを取っており、何の曲をやってほしいか要望が多かった楽曲をフレキシブルに演奏しているという。しかし、「今日はどうしてもCrewと星空を眺めたくて」と言い、『Love in the Stars-星が巡り合う夜に-』を。「星空の代わりに僕を眺めてください」とはにかみ、水を一口飲んだあと、キーボードの音とともにウィンの声が響き渡る。気づけば、会場内には満天の星が。

何かを与えられるようなエンターティナーになりたい

続いてアカペラでThe Jackson 5の『I'll be there』を。
今回のツアーの裏テーマは「すぐにかけつけるよ」だと言うウィン。「ずっとアジアツアーを目指してて、僕はミャンマー生まれでアジアにルーツがあって、自分のルーツで自分が見てきたいろんなことに、苦しんでたりとか立ち向かって壁にぶつかってたりとかしていて、一瞬、その場から逃げたくなるような瞬間にエンターテインメントして寄り添いたくて」と言い、「いろんな方たちにパワーを、何かを与えられるようなエンターテイナーになりたくて。この音楽を持って君のもとに行くよ、本当にそのままのメッセージがこの曲にあるな、と僕は思っていますし、その曲のメッセージを借りて、皆さんに届けたかった」と語った。「届きましたでしょうか」と問いかけると、すぐさまに大きな拍手が。「届いたってことですね」と笑顔を見せた。

そして、ここからは2曲続けて撮影がOKに。「まだまだ盛り上がっていきますよ」と言い、ポップな『WonderLand』では軽やかなダンスを見せ、Crewたちを魅了。さらに疾走感のある『DAY1』でボルテージをあげていく。緩急のあるメロディが、さらにウィンの歌声を際立たせる。
そして、「まだまだ俺についていけるか!」と煽り、『Move out』へ。ご機嫌なナンバーに自然と体が弾む。ステージで躍動するウィンに合わせてCrewたちも体を動かす。続けて『パレード-PARADE』。サビでは全員で体を揺らし、音楽に身を委ねる。そして腕を大きく動かし、会場のペンライトがきらめく。ウィンが「きれい」と目を細め、星空のような照明が会場を彩る中、一体感を高めていった。

「本当にやっと声を出せるようなライブができてめちゃめちゃ嬉しいし、その中で、ツアーガちゃんとできたっていうのはありがたいなと思います。改めて東京公演ができて本当に嬉しいです」と感謝の気持ちを伝える。
そして、ウィンが「次がラスト一曲」と言うとCrewから「えーっ!」の大合唱が。それにウィンも頷き、「俺も同じ気持ちなんだ。今日めちゃくちゃ早くね!?」
「俺、さっき着替えたばっかりという気持ち」としつつ、最後の曲について「ミャンマーにいる距離が離れていて、なかなか会えない家族というテーマに書いてもらった」と言い、その思いを語った。

なかなか会えない、毎日連絡がとれるわけでもない。ときにはケンカもし、「うるさいな」と思うこともある。これはきっと多くの人が体感としてあることだろう。
それでも、「ふとしたときに、やっぱりこの愛があるから、僕はこうやってがんばれているんだな、昔いろいろ言われたことが自立したときに、『こういう意味で言ってたんだ』と思うこともあったして。そのときに培った愛は、そんなに簡単に消えたりしないし、なくなったりしないと僕は信じてます」。

そして、そんな関係を、Crewとの関係と重ねる。
「ライブが終わったらCrewと僕は少しばかり離れ離れになってしまうこともあると思うんだけど、でも今日まで、今日この瞬間に起きてる奇跡とか、この瞬間に僕らが作った思い出とか、この瞬間に僕らが繋いだ愛は簡単には消えないし、なくならないから。僕はCrewのことを家族の一員だというふうに思ってるぐらい、本当に大事な存在です。だから僕はまたすぐに会えるように頑張るけど、それまで頑張れるようにこの楽曲で、僕らの絆を改めて強く強くもう1回しっかりと繋いでおきたいな、と思うので、そんな想いを込めて、この楽曲を皆さんに届けたいと思います」
そう言って、『Love won’t die』で思いを伝え、本編を締めくくった。

みんな、自由になりたいか!

興奮冷めやらぬ中、大きなアンコールの声に走って再び登場したウィン。
「まだ終われないよね」「アンコール一曲目といえば、この曲じゃない!?」と『俺こそオンリーワン~Don’t Boo!ドンブラザーズ』で拳をあげて、さらに暴れていく。
「まだ終わりたくない!」という言葉どおり、ステージの端から端まで走り、歌い、飛び跳ねる。
さらに、ここでウィンから重大発表が。
「実は言ってない言葉がある」と意味深に微笑む。発表されているツアー日程は6公演で、この日のZeppHanedaが最終公演となる。が、ウィンはここまで「6公演め」と言い、「ファイナル」や「最終公演」などといったワードは使っていなかった。
「JAPAN FRIGHT TOUR、続きます!」とウィンが言うと、会場からは大きな歓声が。詳細は「ちゃんとした文書でお伝えする」とのことなので、続報を待ちたい。
ハッピーなお知らせの中、「ということで、みんな自由になりたいか!」と呼びかけ、『Be Free』へ。ウィンもCrewも一緒になって飛び跳ねる。ツアーが続くことへの喜び、ライブの高揚感で会場の温度が上がっているのがわかる。最後は全員でジャンプをしてしめくくった。

心の底から「楽しかった!」と言うウィン。
最後はCrumple Bandのメンバーと手を繋ぎ、挨拶をしライブを終えた。
……が、客席の熱狂は冷めやらない。Wアンコールで登場したウィン。Wアンコールに「めちゃめちゃ嬉しい」と笑顔を見せ、「次のツアーへのいいスタートになりそう」と言う。
バンマスの宮野玄士を呼び込み、キーボードと共に本当にラストの一曲を。
「最後なので僕の愛をこの曲で伝えてもいいですか」と披露したのは『My Place,Your Place』。Wアンコールのための用意をしていなかったということで、一度歌い直す、というプチハプニングもあったが、それもまたライブならでは。

途中からはステージを下り、客席をゆっくりと歩きながら歌う。
客席でどのようなパフォーマンスを見せたのかは残念ながら、レポートをしていた席からは見えなかったが、これはあの会場にいたCrewたちとウィンだけの思い出、ということかもしれない。
「Crew、本当にありがとう。また会おうね!」
そう言って最後までとびきりの笑顔を見せた。

いつも楽しい時間を届けてくれるウィン。今日だけではなく、ワクワクするような旅はまだ続く。そんな旅の詳細を楽しみに待とう。

取材・文:ふくだりょうこ、撮影:安井 宏充(Weekend.)

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