Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 【ライブレポート】5ピースバンドKhaki、8センチCD発売記念自主企画『アンダーカレント#2』

【ライブレポート】5ピースバンドKhaki、8センチCD発売記念自主企画『アンダーカレント#2』

音楽

ニュース

ぴあ

『アンダーカレント#2』より

続きを読む

フォトギャラリー(17件)

すべて見る

2018年に結成し、東京を拠点に活動する5ピースバンドKhaki(カーキ)が6月1日、2ndシングル『Undercurrent』のフィジカルリリース(8センチCD)を記念した自主企画『アンダーカレント#2』を新代田Feverで開催した。

迎えたゲストは、オルタナティヴロックバンドSuiseiNoboAz(スイセイノボアズ)とお笑いコンビの令和ロマンという異色の組み合わせで、SuiseiNoboAzとKhakiそれぞれのステージの前に令和ロマンが登場してネタを披露するという構成。キャッチーかつニッチな音楽ネタで令和ロマンが会場を沸かせ、続いてバトンの受けたバンドはそれぞれの濃い世界観で酔わせていく。三者三様のビートがポリリズムとなって、心地よい陶酔感を生み出すような夜となった。

令和ロマン

メロウな叙情性を紡ぐサウンドから、さまざまなジャンルが練りこまれ、変拍子や緩急のあるスリリングなアンサンブル、またアブストラクトなヒップホップなど、先の読めない展開で観客を己の世界に引っ張り込んでいくSuiseiNoboAzのステージ。

SuiseiNoboAz

ロック、ジャズ、ダブが混じり合い、そこに石原正晴(Vo / Gt / Sampler)が語るような調子で日本語詞、言葉を乗せていく。懐かしさと先鋭的なサウンドとが激しく衝突するエクスペリメンタルな体験は、ますます磨かれていると感じるライブだ。

SuiseiNoboAz

令和ロマンのネタを受けつつ、また主催のKhakiへの感謝を伝えると、たちまちディープな世界へと踏み込んでいく。昨年リリースしたアルバム『GHOST IN THE MACHINE DRUM』からの曲を中心に、「3020」など、爆発的なテンションで編み上げられるノイジーで、うねりのあるサウンドに観客は歓声を浴びせ、灼熱で染め上げるようなギターのフィードバックノイズに頭を揺らす。ラストには痺れるような轟音で会場を満たしていった。

令和ロマン

中塩博斗(Vo / Gt)、平川直人(Vo / Gt)、橋本拓巳(Ds / Cho)、黒羽広樹(Key / Cho)、下河辺太一(Ba)によるKhakiは、「疾走」からライブをスタートした。このKhakiというバンドを説明するのはとても難しい。もちろん、こんなギターサウンドでとか、こんなふうに美しいメロディでとかこんな手触りがあってなど、いくらでも表現は出てきそうだが、言葉を尽くせば尽くすほどにどんどんバンドの本質からは離れていってしまう気がする。

下河辺太一(Ba)

シングル「Undercurrent」のリリース時には、“イマーシブ・アートロックバンド”という表現がなされた。没入感を意味するimmersiveというワードもまさにピッタリであるし、また一方ではもっと軽やかな風のように聴き手の記憶をなぞっていく感覚もある。

平川直人(Vo / Gt)

会場を埋めた満員の観客もそれぞれ、いろんな角度で刺さっているのだろう。「車輪」のエキゾチックで甘美なメロディやハーモニーに酔いしれ、あるいは「The Girl」では懐かしい90'sのローファイポップの香りを感じ、また終盤で披露した「子宮」や「Overtone」では繊細かつ構築的なアンサンブルで深く内的世界に潜り込んでいく。個人的にはピンク・フロイドのどこか耽美なムードも思わせる。静謐なアルペジオと歌が織りなすリフレインにめまいがし、時にノイジーにボルテージを上げていくギターには、観客のコブシが掲げられる。ぐっと見入ってしまう会場の空気をさらに濃密にしたのは、今回の表題でもある「Undercurrent」のゾーンだ。

Khaki

3月にデジタルで、5月に8センチCDでリリースされたシングル「Undercurrent」は、「Undercurrent#1」「Undercurrent#2」「Undercurrent#3」の3曲で構成されている。さらにCD盤では音楽プレイヤーのシャッフル機能を使うことで、6通りの曲を楽しめるものとなっている。

黒羽広樹(Key /Cho)

今やデジタルでの作品が主流で、とくに8センチCDの再生にはひと手間必要で、CDがグッズ化している状況でもあるが、だからこその遊び心だろう。CDが主流だった時代には多重再生することで曲が完成するなんていう実験的な作品もいくつかあったが、そんな気概も感じさせる。

中塩博斗(Vo / Gt)

このライブでは、この「Undercurrent」の3曲を、「#2」〜「#1」〜「#2」〜「#3」〜「#3」という構成で、プログレッシヴに聴かせた。ジャズのインプロヴィゼーションのような「#2」からはじまり、幻想的な歌ものの「#1」、ラストでは一気にアメリカ南部へと着地するような土臭いグルーヴも聴かせる。並びが変わることで広がる曲の可能性や、サプライズ的なトリップ感がおもしろい。Khakiというバンドの、また新たな面を見せてくれるライブで、一段と大きな拍手が起こった。

橋本拓巳(Ds / Cho)

アンコールでは、8月13日(日) に再びこの地で『アンダーカレント#3』を開催されることがアナウンスされた。これまでの対バン形式でなく、初のワンマンによるライブとなる。エクスペリメンタルで普遍的に美しい、そんなKhaki世界を堪能できそうだ。

Text:吉羽さおり
Photo:横谷暉晋

<公演情報>
自主企画『アンダーカレント#2』

6月1日(木) 新代田Fever

【Khakiセットリスト】
01. 疾走
02. 車輪
03. The Girl
04. Kajiura
05. 眠りの午後
06. お祝い
07. Undercurrent #2
08. Undercurrent #1
09. Undercurrent #2
10. Undercurrent #3
11. Undercurrent #3
12. 子宮
13. Overtone
EN1. 違う月を見ていた
EN2. うってつけ

<ライブ情報>
Khaki自主企画『アンダーカレント #3』

8月13日(日) 新代田FEVER
開場 18:00 / 開演 18:30
料金:前売 3,000円 / 当日 3,500円

※入場時ドリンク代が必要

チケットはこちら:
https://w.pia.jp/t/khaki/

※6月11日(日) 12:00~6月25日(日) 23:59まで先行受付を実施!

Khaki公式サイト:
https://www.khaki-band.com/

フォトギャラリー(17件)

すべて見る