国際的に大きな注目を集める現代美術家・蔡國強の大規模個展『蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる』、6月29日より開催
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蔡國強『原初火球 The Project for Projects』P3 art and environmentでの展示風景、1991年 撮影:萩原義弘 提供:蔡スタジオ
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すべて見る1957年に中国の福建省に生まれ、現在はニューヨークを拠点に国際的な活躍を続ける現代アーティスト・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)。日本では8年ぶりとなる大型個展が、6月29日(木)から8月21日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。同館とサンローランの共催による大規模な展観となる。
1986年に来日して筑波大学に在籍し、1995年まで日本で活動した蔡は、その間に火薬ドローイングや野外の爆発プロジェクトなどで〈外星人のためのプロジェクト〉シリーズをスタートさせた。1991年には、火薬で描いた7つの屏風ドローイングのインスタレーション〈原初火球〉の展示を中心とした同名の個展を開催。「原初火球」という言葉は、蔡が宇宙物理学と老子の宇宙起源論に基づいて提示したもので、宇宙の始まりを表すという。
今回の展覧会は、その30年前の個展を蔡の芸術における「ビッグバン」の原点ととらえ、その爆発を引き起こしたものが何であり、その後にどのような展開をとげたかを探求するものだ。蔡のキャリアにおいて、日本で過ごした約9年間を重要な時期と位置づけ、国内の国公立美術館や作家が所蔵する作品と、多数の貴重なアーカイブ資料、記録映像も合わせて展示する。
大きな見どころは、2,000平方メートルの広大な空間を使った展示構成を、蔡自らが考案していること。壁がすべて取り払われた展示室には、ふたつの壮大なインスタレーションが展示される。ひとつは、ガラスと鏡を使った新作の火薬絵画3点を加えた歴史的なインスタレーション〈原初火球〉。もうひとつは、LEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション《未知との遭遇》である。
その周囲に過去から現在に至る様々な作品を配した斬新な構成には、宇宙への憧れに導かれて蔡が過ごしてきた時間と空間が凝縮されているという。展覧会全体がひとつのインスタレーションと化した空間で、作品の中を自由に歩く観客もまた、宇宙や見えない世界との会話を体感することになる。国内最大規模のダイナミックな展示は、この会場でしか味わえない貴重な体験となるに違いない。
<開催情報>
『蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる』
会期:2023年6月29日(木)~2023年8月21日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜
料金:一般1,500円、大学1,000円
公式サイト:
https://www.nact.jp/exhibition_special/2023/cai/index.html
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