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【ライブレポート】a flood of circle『Tour 花降る空に不滅の歌を』Zepp Shinjuku公演

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a flood of circle『Tour 花降る空に不滅の歌を』6月16日(金) Zepp Shinjuku Photo:Viola Kam (V'z Twinkle)

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ロックバンドとしての覚悟とロマンを詰め込んだニューアルバム『花降る空に不滅の歌を』を発表し、2月より全国各地で熱狂の夜を描いてきたa flood of circle(ア フラッド オブ サークル)。そんなリリースツアーのファイナルが「地下の闘技場みたいだ」と佐々木亮介(Vo/Gt)が称したZepp Shinjukuにて開催された。フラッドとして数々の思い出を刻み込んできたこの地でエネルギッシュかつドラマティックなライブを見せつけてくれた。

満員のオーディエンスで熱気が高まる中、ゆったりとステージに姿を表した彼らは助走などいらないとばかりに「バードヘッドブルース」をまずは解き放つ。佐々木の咆哮のような歌声にアオキテツ(Gt)の鋭いフレーズ、HISAYO(Ba)と渡邊一丘(Ds)が生み出すグルーヴの絡み合いが絶妙で、過度なアジテートなど一切せずともぶち上がるフロア。このツアーで積み重ねてきたモノあるからこその堂々たる立ち姿も頼もしく、バンドの充実ぶりをありありと見せつけてくれる。

佐々木亮介(Vo/Gt)

「おはようございます。a flood of circleです」という佐々木のいつもの挨拶から、HISAYOのベースに惹き寄せられる「Vampire Kila」を叩きつけ、オーディエンスからリズムに合わせて盛大なクラップが起こった「Dancing Zombiez」でさらに引っ張り上げていく。アオキのそそるリフも秀逸で、佐々木の「新宿、かかってこい!」の雄叫びが轟けば、まだまだ序盤にも関わらず瞬く間に会場全体がヒートアップし、フラッド色に塗り潰されていくのだ。

佐々木がビールを片手にステージを歩きまわり、しゃがみ込み、時にはのけぞりながら激しく言葉をぶちまけた「Black Eye Blues」はロックンロール特有の妖しさ満点。激しいライティングもそのムードを加速させ、新宿の光景を佐々木ならではの視点を持ったつぶやきから「如何様師のバラード」へ。曲の世界観を増幅する仕掛けと表現するのは少し野暮ったいかもしれないが、より没頭させてくれる流れになったことは間違いなく、佐々木がフロアへ飛び込み、オーディエンスをかき分けながら歌い上げたことも含め、素晴らしきショウに魅入られっぱなしになっていく。

渡邊一丘(Ds)

その「如何様師のバラード」の<お金ください>というフレーズからつなげるように「ウソ、何もいらない」、「ただパーティーしようぜ、新宿!」という佐々木の叫びからドロップされた「Party Monster Bop」は強烈すぎる一撃。ガツンとスイッチを入れ、グルーヴも高まれば、キレッキレのリズムでオーディエンスの心をかき乱す。ラスト、ドラムセットをぶっ壊すぐらいの勢いだった渡邊のプレイも痛快だった。

ここで少しチャンネルを切り替え、佐々木がギターを爪弾きながら始めた「カメラソング」は心地よく酔わせてくれる1曲。軽快だけど浮つき過ぎないポップさがあり、轟音で攻め立てるだけじゃない、フラッドの奥行きを感じさせてくれる。続けて披露された、佐々木の歌声に各楽器が寄り添っていくスローナンバー「人工衛星のブルース」もひとつひとつの音の余韻が美しく、そのザラつき具合がよりロマンティックさを醸し出した「花火を見に行こう」も見事な出来栄えだった。

アオキテツ(Gt)

アイロニカルに愛情を歌う「くたばれマイダーリン」から続けられた「BLUE」はアオキのまっすぐなコーラスも相まって、凄まじい浸透力を見せつける。希望や願いを歌うフラッドはどうしてこんなにも頼もしいのだろうか。強く拳を握りしめた瞬間にもなった。

鮮烈な疾走感を持つ「花降る空に不滅の歌を」でオーディエンスにまだまだイケるだろうと解放をうながしながら、実際に花びらを降り注ぐという演出は会場をさらに爆発させたポイント。本編の締めくくりやアンコールで紙吹雪やテープが舞うことはしばしばあるが、終盤手前というのがニクい。曲終わりにとんでもない拍手と歓声が渦巻いたのも当然だろう。

HISAYO(Ba)

そして、ここからは完全無欠なロックンロールゾーンがスタート。「ロックンロールバンド」と「GOOD LUCK MY FRIEND」を思いっきり叩きつけた後、メンバー4人で呼吸を合わせてから心をぶち抜くイントロを鳴らした「プシケ」がまた凄かった。緩急抜群の展開もそうだが、ひとりひとりにスポットを当ててバチッと決めるメンバー紹介はいつ観ても気持ちを持っていかれてしまう。

そんな熱気に満ち溢れた空間へ放たれる「シーガル」はもはや反則と言っていいぐらいの破壊力。佐々木の「ぶっ飛ばして生きます!」という宣言もあり、ステージから押し寄せる音の洪水にヤラれまくるオーディエンスが続出。フロアの狂乱っぷりは思わず笑い出しそうになるぐらいだった。

そこから佐々木がマイクスタンドをステージの最前に持っていき、アカペラで歌いだしたのが妖艶なニュアンスとドライブ感がたまらない「月夜の道を俺が行く」。歌詞に<気づけば結局佐々木亮介>というフレーズもあるように、すべてを背負うと覚悟を決めた男の魂の叫びが鳴り響き、ともに進んでいくアオキ、HISAYO、渡邊が加わってひとつの大きな塊となっていく。うるさくて、力強くて、色気があって、最高のロックンロールバンドの姿がそこにはあった。

本編ラストは自らに<これでいいのか?>と問いかけながら<これでいいんだ>と前を向く「本気で生きているのなら」をセレクト。星空のようなライトを背に、絨毯のように広がった花びらの上で大きく、大きく歌い上げる。凄くパーソナルな歌でありつつも、どこまでも広がるスケール感に満ちたサウンドは胸を締め付けるモノがあった。

オーディエンスからの鳴り止まない呼びかけに応え、アンコールでは「伝説の夜を君と」に「ミッドナイト・クローラー」とプレイして最高潮へ持っていった後、「I LOVE YOU」を投下。ロックバンドらしく、歪みまくっててエネルギッシュな愛の歌でフィナーレを飾っていった。

長いリリースツアーを終えても、決して止まらないのがフラッド。「曲ができなくて、マジで困ってます、今」と佐々木が自嘲気味に話していたが、なんとストレイテナーのホリエアツシをプロデューサーとして迎え、ニューシングルが9月にリリースされることが決定。それに伴い、リリースツアーも開催されると発表された。現状に甘んじることなく、常に明日へと手をのばす彼らのまだまだ続いていく物語を楽しみにしたい。

Text:ヤコウリュウジ Photo:Viola Kam (V'z Twinkle)

<公演情報>
a flood of circle『花降る空に不滅の歌を』

2023年6月16日(金) Zepp Shinjuku(TOKYO)

セットリスト

01. バードヘッドブルース
02. Vampire Kila
03. Dancing Zombiez
04. Black Eye Blues
05. 如何様師のバラード
06. Party Monster Bop
07. カメラソング
08. 人工衛星のブルース
09. 花火を見に行こう
10. くたばれマイダーリン
11. BLUE
12. 花降る空に不滅の歌を
13. ロックンロールバンド
14. GOOD LUCK MY FRIEND
15. プシケ
16. シーガル
17. 月夜の道を俺が行く
18. 本気で生きているのなら
EN1. 伝説の夜を君と
EN2. ミッドナイト・クローラー
EN3. I LOVE YOU

<リリース情報>
a flood of circle ニューシングル『タイトル未定』

9月13日(水) リリース

●CD+Blu-ray:8,800円(税込)

CD:ホリエアツシ(ストレイテナー)プロデュース楽曲収録シングル
Blu-ray:1日で2本のライブを行った合計29曲分を収録した映像作品
・"Tour 花降る空に不滅の歌を"Zepp Shinjukuでのワンマンライブ全20曲
・同日深夜の新宿LOFTでのレアライブ全9曲

●CD+DVD:6,600円(税込)
CD:ホリエアツシ(ストレイテナー)プロデュース楽曲収録シングル
DVD:"Tour 花降る空に不滅の歌を"Zepp Shinjukuでのワンマンライブ全20曲

※収録内容は変更になる可能性がございます。
※レーベルオンラインのみでの販売

早期予約特典:クリアポスター
受付期間:6月16日(金)~7月31日(月) まで

予約リンク:
https://teichiku-shop.com/top_news/view/987

<ツアー情報>
a flood of circle "HAPPY YAPPY BLOOD HUNT"

9月15日(金) 大阪・梅田CLUB QUATTRO ※ワンマン
OPEN18:00 / START19:00

9月17日(日) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO ※ワンマン
OPEN16:00 / START17:00

10月25日(水) 渋谷CLUB QUATTRO ※ゲストあり
OPEN18:00 / START19:00

10月26日(木) 渋谷CLUB QUATTRO ※ワンマン
OPEN18:00 / START19:00

チケット一般発売日:8月5日(土) 10:00~

オフィシャルサイト:
http://afloodofcircle.com/

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