但馬エリアに演劇が“うずまく”、平田オリザが手応え「『豊岡演劇祭』が育ってきた」
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「豊岡演劇祭2023」記者会見より、左から平田オリザ、市原佐都子。
「豊岡演劇祭2023」記者会見が、本日6月22日に兵庫・豊岡市役所およびオンラインで行われた。
「豊岡演劇祭」は、平田オリザがフェスティバルディレクターを務める演劇祭で、9月14日から24日にかけて兵庫県豊岡市、養父市、香美町を中心とした地域で開催される。フェスティバルディレクターが選定したディレクターズプログラムと、演劇祭が企画するフェスティバルプロデュースから成る公式プログラム、公募によるフリンジプログラムがあり、公式プログラムには91団体、96プログラムがラインナップされている。
会見には、「豊岡演劇祭」実行委員会の高宮浩之会長、「豊岡演劇祭2023」フェスティバルディレクターの平田オリザ、「豊岡演劇祭2023」プロデューサーの河村竜也、松岡大貴、加藤奈紬、「豊岡演劇祭2023」アドバイザーの田口幹也、「豊岡演劇祭2023」参加アーティストの市原佐都子が出席。平田オリザは「『豊岡演劇祭』は今回が実質的に3回目の開催となりますが、日本最大級の演劇祭に育ってきたのではないかという実感があります」と所感を述べつつ、「同演劇祭は、大きなエリアを回遊する、世界的に珍しい演劇祭を目指しています。そのために、但馬エリアに演劇が“うずまく”ようなプログラムを選びました」と今回のプログラムの選定理由を明かす。
平田自らがチョイスしたディレクターズプログラムには、Q「弱法師」、アル☆カンパニー「POPPY!!!」、芸術文化観光専門職大学×リヨン国立舞台芸術技術学校「私はかもめ」をはじめとする13演目がラインナップされた。「弱法師」の作・演出を手がける市原は「本作は、日本の伝統物語『俊徳丸伝説 / 弱法師』を原案とした現代劇。文楽の形式を踏襲して、俳優による語り、ミュージシャンによる音楽、マネキンや交通誘導人形、ラブドールなどを用いた人形劇のパートがあり、3つのパートが1つに重なって作品を形成します」と説明。
続いて、アル☆カンパニーのプロデューサーを務める平田満、「私はかもめ」の演出を担うロアン・グットマンのビデオメッセージが上映された。平田満は「昨年、初めて『豊岡演劇祭』を拝見して、のどかな環境で芝居を作る皆さんと観客の皆さんが、肩の力を抜いて楽しんでいる姿に感銘を受けました。私たちもぜひ参加したいと思い、今回それが実現することになりました」と笑顔を見せる。ロアン・グットマンは「今から1000年後の3023年を舞台にした未来劇『私はかもめ』には、芸術文化観光専門職大学の学生と、フランス・リヨン国立舞台芸術技術学校の学生が参加します。この作品で平田オリザさんが描くのは、『私たちを結び付けるものと分けるものは何か』という問題。日本人とフランス人の出会いは、作品を制作するうえでの都合ではなく、問題の核心そのものを表現しているのです」と本作の上演意義を語った。
そのほか会見では、地域と連携したフェスティバルプロデュースの演目、“セレクション”“ショーケース”“ストリート”の3部門から成るフリンジプログラムなどの説明が行われた。各プログラムの詳細については「豊岡演劇祭2023」の公式サイトで確認を。
「豊岡演劇祭2023」
2023年9月14日(木)~24日(日)
兵庫県豊岡市、養父市、香美町
ディレクターズプログラム
ぱぷりか「柔らかく搖れる」
2023年9月14日(木)~16日(土)
兵庫県 豊岡市民プラザ
作・演出:福名理穂
コープス×キオ 日本×カナダ共同制作作品「むかし、むかし」
2023年9月19日(火)・20日(水)
兵庫県 豊岡市民プラザ ほっとステージ
作・演出:ダヴィッド・ダンゾン
範宙遊泳「バナナの花は食べられる」
2023年9月15日(金)~17日(日)
兵庫県 芸術文化観光専門職大学
作・演出:山本卓卓
芸術文化観光専門職大学×リヨン国立舞台芸術技術学校「私はかもめ」
2023年9月22日(金)~24日(日)
兵庫県 芸術文化観光専門職大学 静思堂シアター
作:平田オリザ
演出:ロアン・グットマン
フランス語訳:マチュー・カペル
庄司紗矢香「音楽と言葉の旅『ふるさと』」
2023年9月16日(土)
兵庫県 豊岡市民会館 文化ホール
作・演出:平田オリザ
演奏:庄司紗矢香(バイオリン)、モディリアーニ弦楽四重奏団、ベンジャミン・グローヴナー(ピアノ)
CHUNCHEON CITY PUPPET THEATER COMPANY「変身」
2023年9月24日(日)
兵庫県 豊岡市民会館 文化ホール
作:フランツ・カフカ
構成・演出:イ・ビョンホン
Q「弱法師」
2023年9月15日(金)~17日(日)
兵庫県 城崎国際アートセンター
作・演出:市原佐都子
岩下徹×梅津和時 即興セッション「みみをすます(谷川俊太郎同名詩より)」
2023年9月17日(日)
兵庫県 香住東港上屋 2号棟
2023年9月18日(月・祝)
兵庫県 玄武洞公園
出演:岩下徹、梅津和時
堀川炎「窓の外の結婚式(利賀日本博プログラム)」
2023年9月22日(金)~24日(日)
兵庫県 旧名色スキー場
原作:柳美里
演出:堀川炎
こまばアゴラ劇場国際演劇交流プロジェクト2023「KOTATSU」
2023年9月14日(木)~17日(日)
兵庫県 江原河畔劇場
作・演出:パスカル・ランベール
共同演出・日本語監修:平田オリザ
翻訳:平野暁人
アル☆カンパニー「POPPY!!!」
2023年9月21日(木)・22日(金)
兵庫県 江原河畔劇場
作・演出:野田慈伸
演劇人コンクール特別企画 松村翔子「青い鳥」
2023年9月16日(土)
兵庫県 やぶ市民交流広場 リハーサル室
2023年9月23日(土・祝)・24日(日)
兵庫県 江原河畔劇場 スタジオ
作:モーリス・メーテルリンク
翻訳:堀口大學
演出:松村翔子
青年団プロデュース公演「馬留徳三郎の一日」
2023年9月17日(日)
兵庫県 香住区中央公民館
2023年9月24日(日)
兵庫県 やぶ市民交流広場
作:高山さなえ
演出:平田オリザ
※高山さなえの「高」ははしご高が正式表記。
フェスティバルプロデュース
「公文協アートキャラバン事業 劇場へ行こう3」参加事業 Platz市民演劇プロジェクト「豊岡かよっ!」
2023年9月23日(土・祝)・24日(日)
兵庫県 豊岡市民プラザ ほっとステージ
作・演出:内藤裕敬
「ON-PAM×豊岡演劇祭2023 共創するアートマネージャーとアーティストのための『Co-Creation Camp』 by Next Producers Meeting」
2023年9月18日(月・祝)
兵庫県 豊岡市街地
「JR西日本観光列車『うみやまむすび』×芸術文化観光専門職大学『うみやまむすび夢十夜 こんなゆめをみた!!の旅』~TAJIMA発☆奇々怪々方面、ヘンテコ!?夢うつつ行き。ぶらりとご乗車くださいませ~」
2023年9月17日(日)~23日(土・祝)
JR山陰本線 城崎温泉駅、佐津駅、香住駅、餘部駅
総合演出:田上豊
作・演出:田上豊、永井楓華
「お食事×文学×リーディング よるよむきのさき」
・中島らも「お父さんのバックドロップ」
2023年9月14日(木)
兵庫県 おけしょう鮮魚 お食事処 海中苑 駅前店
・宮沢賢治「よだかの星」
2023年9月15日(金)
兵庫県 三木屋
・山本周五郎「雨あがる」
2023年9月18日(月・祝)
兵庫県 さんぽう西村屋 本店
・小川未明「花咲く島の話・船の破片に残る話・強い大将の話・ある夜の星たちの話」
2023年9月19日(火)
兵庫県 城崎町家 地ビールレストラン GUBIGABU
・ほか1プログラム
豊岡演劇祭実行委員会「フェスティバルナイトマーケット」
2023年9月16日(土)・17日(日)
兵庫県 江原駅前イベント広場
2023年9月22日(金)~24日(日)
兵庫県 豊岡市役所本庁舎前市民広場
坂本長利 独演劇「土佐源氏」
2023年9月17日(日)・18日(月・祝)
兵庫県 圓覚山宗鏡寺(沢庵寺)
出演:坂本長利
烏丸ストロークロック×但東の人々「但東さいさい」
2023年9月23日(土・祝)・24日(日)
兵庫県 久畑 一宮神社
構成・テキスト・演出:柳沼昭徳
出演・お囃子:烏丸ストロークロックと但東の人々
菅原直樹「老いと演劇のワークショップ『認知症ケア“いま”をともに楽しむ』」
2023年9月18日(月・祝)
兵庫県 KARUBE・GARDEN LIVING