WOWOWドラマの真骨頂、いよいよ新シーズン突入！
WOWOW『連続ドラマW フィクサー　Season2』特集

井上由美子が生み出した、フィクサー＝設楽拳一
というオリジナルキャラクター

「謎に満ちた」という形容がこんなにもふさわしい主人公もなかなかいない。

稀代のヒットメーカーである脚本家・井上由美子が生み出し、唐沢寿明が具現化した“フィクサー”設楽拳一。物腰は柔らかで、どんな事態に直面しても飄々としており、決して慌てふためいたり、声を荒らげることもない。“情報”というアメを武器に、現職の総理から与党政治家、キャスター、弁護士、刑事にいたるまでを携帯電話ひとつで操っていくさまは、まさに多くの人がイメージするフィクサーそのものだが、この男がいったい何をしようとしているのかはなかなか見えてこない。

そんな謎めいたダークヒーローぶりはSeason2でも健在！　だがちょっとした会話で発せられる言葉や眼差しから、彼の本音や人間味が垣間見える瞬間も……？　果たして彼はフィクサーという立場で日本をどうしようとしているのか――？

Season1では総理の事故を題材に政界を、
Season2では冤罪がテーマに裁判を

Season1で設楽が暗躍したのは“政界”。現職総理を乗せた車が事故に遭い重体に陥るという前代未聞の出来事の真相に裏から迫り、それに伴う総裁選にも関与。大物政治家たちの懐に飛び込み、日本初の女性総理誕生の陰の立役者となった。

そんな彼が今回のSeason2でフィクサーとして関与していくのは“司法”の世界。東京湾の埋め立て事業に絡んだ疑惑の渦中にいる現職都知事の妻がホテルの一室で何者かに襲われるという事件が発生し、現場にいた新聞記者の渡辺達哉（町田啓太）が殺人未遂の容疑で逮捕される。この事件に“冤罪”の匂いを嗅ぎ取り、その裏で蠢く陰謀の存在を感じた設楽は、敏腕弁護士の杉谷菜穂子（鈴木保奈美）に弁護を依頼。かつて、自身を刑務所に送り込んだ人物でもある東京地検検事・佐々木雪乃（江口のりこ）、そしてその背後に見え隠れする大物フィクサー・本郷吾一（西田敏行）と対峙することになる。

Season2のキーマンたち
過去に因縁!?　火花を散らす女検事と女弁護士

Season2から登場する新キャラクターとして、ひときわ強い存在感を放つのがふたりの女性。事件を担当する東京地検検事・佐々木雪乃と達哉の弁護を担当する敏腕弁護士・杉谷菜穂子だ。

かつては菜穂子も東京地検の検事であり、雪乃とは先輩後輩の間柄だったが、杉谷が検事をやめて弁護士へと転身するきっかけになった事件に雪乃も深く関わっていたようで、ふたりの間には何やら因縁がある様子。

雪乃は4年前に設楽が逮捕された事件を含め、与党議員がらみの案件を担当することが多いようで、昭和の時代から政財界を牛耳ってきた大物フィクサー・本郷吾一とも深い関わりが……。

かつて、あの設楽さえ刑務所送りにした優秀かつ冷徹な検事と、TVにも引っ張りだこの敏腕ヤメ検弁護士。法廷を舞台にバチバチと火花を散らす女たちの戦いにも注目だ。

Season2のキーマンたち
熱血新聞記者から一転、殺人未遂犯として投獄される渡辺達哉

Season1では顔の見えない謎めいた情報提供者（＝設楽）からのメールを元に総理の転落事故を追いかけ、その真相を解明して特ダネをものにした若き熱血政治記者・渡辺達哉。

謎に包まれた主人公・設楽をはじめ、昭和の大物フィクサー、与党の大物政治家などクセの強すぎる登場人物たちの思惑が交錯する本作にあって、時に迷い、葛藤しながらも真実を追い求める達哉は、観客の視点を代弁する“良識の灯”とも言える存在。

だが、Season2ではそんな達哉が何者かにはめられ、殺人未遂事件の容疑者として逮捕されてしまう。冤罪を主張するが、刑事も検事も世間も、そんな彼の言葉に一顧だにしない。記者としてのペンの力を奪われ、なす術もなく、壁の中で絶望の淵に叩き落された達哉の運命は――？

唐沢寿明と鈴木保奈美、
往年の名作ドラマから31年ぶりの共演！

Season1の製作が発表された際、その豪華なキャスト陣の顔ぶれが大きな話題を呼んだが、このSeason2ではさらに強力な面々が加わり、華麗なる競演を繰り広げる。

まず注目は、達哉の弁護を担当する敏腕弁護士・杉谷菜穂子を演じる鈴木保奈美。唐沢とは1992年に放送された往年のトレンディドラマ『愛という名のもとに』以来、実に31年ぶり。同ドラマでは大学時代の仲間で恋愛関係にある男女を演じたふたりだが、本作では冤罪事件に立ち向かうべくフィクサー×ヤメ検弁護士の強力なタッグを結成！　心は許さず、しかし互いの能力は認め合う戦う大人の関係性が心地よい。

ふたりが対峙する検事・佐々木雪乃を演じるのは江口のりこ。この他、疑惑に揺れる都知事役に石黒賢、その妻で事件の被害者を真飛聖が演じる。

さらに町田啓太（記者／殺人未遂事件容疑者）、内田有紀（キャスター）、小泉孝太郎（刑事）、要潤（秘書／情報屋）、斉藤由貴（母／看護師）、富田靖子（総理）に小林薫（幹事長）、そして、西田敏行（黒幕）とSeason1の面々も続投！ それぞれの見せ場で強烈な個性と存在感を発揮している。

Review
“自己紹介”から本領発揮へ！
新旧フィクサーの直接対決がアツい

やはり、Season1は“壮大なる序章”に過ぎなかった。Season2の第1話を観て、その思いを強くした。

これまで日本のドラマでほとんど描かれたことのない“フィクサー”を主人公に据えたこともあり、Season1は設楽拳一の自己紹介（＝フィクサー誕生！）とも言える物語だったが、Season2ではいよいよ設楽がその本領を発揮していく。

Season1では、総裁選の陰で暗躍し、昭和の時代からの大物フィクサー・本郷を出し抜き女性総理を誕生させ、名刺代わりのジャブをヒットさせたが、今回、新旧フィクサーの戦いが激化。Season1では実現しなかった、設楽と本郷の直接対決も！

殺人未遂事件の裁判を軸に展開しつつ、初の女性総理に女性キャスター、政治家の妻など様々な立場の女性の生きづらさや、恵まれた環境で育った者と持たざる親の下で生まれ不遇な環境で育った者たちの対比を、ちょっとしたセリフや登場人物たちの置かれた状況で表現するなど、井上由美子の脚本のうまさが光る。

散りばめられた伏線の回収、さらなる謎、そして登場人物たちの思惑が交錯し、さらなる重厚な物語が展開する。（黒豆直樹）

WOWOW『連続ドラマW フィクサー Season2』

Season2：7月9日（日）午後10時　放送・配信＜全5話＞
第1話無料放送【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】

【無料放送＆無料配信決定！】
・『フィクサー Season1』
　無料放送：7月9日（日）午後5:00～〈全5話一挙放送〉
　無料配信：7月1日（土）午前9:00～7月16日（日）午後9:59 WOWOWオンデマンドにて全5話配信

・『フィクサー Season2』
　無料放送：7月9日（日）午後10:00～〈第1話放送〉
　無料配信：7月1日（土）午前9:00～8月10日（木）午後4:59 WOWOWオンデマンドにて第1話配信

出演：唐沢寿明
　　　　町田啓太、江口のりこ、小泉孝太郎、要潤、真飛聖、斉藤由貴
　　　　西田敏行（特別出演）／石黒賢、富田靖子、内田有紀、鈴木保奈美、小林薫
脚本：井上由美子
企画・プロデュース：青木泰憲
監督：西浦正記、池辺安智
音楽：得田真裕
プロデューサー：村松亜樹、髙田良平、黒沢淳
制作協力：リオネス

■WOWOWオンデマンド　「連続ドラマＷ　フィクサー」特集ページ
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Text：黒豆直樹