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『スリル・ミー』キャスト対談第1弾:尾上松也×廣瀬友祐 唯一の昭和生まれペア~セピア色に見えるかも!?

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左から)尾上松也、廣瀬友祐 撮影:杉映貴子

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舞台にいるのは“私”と“彼”、そして衝撃のドラマをともに綴る一台のピアノ。2011年に日本初演を迎えて以降、再演を重ねるたびに熱視線を浴びてきた異色ミュージカル『スリル・ミー』(原作・音楽・脚本:Stephen Dolginoff)が2023年、さらなる進化を見せる。1920年代アメリカで実際に起きた二人の天才少年による驚愕の事件をモチーフに、“私”と“彼”による息もつかせぬ濃密な100分間の心理劇が展開。今回、この二人ミュージカルに挑むのは、尾上松也&廣瀬友祐(私&彼、以下同)、木村達成&前田公輝、松岡広大&山崎大輝の3チームだ。初演から演出を担う栗山民也とともに、それぞれのペアが衝撃のドラマをいかに構築するのか注目必至! まずはインタビュー第1弾、尾上松也&廣瀬友祐の作品にかける思いを、ここに。

驚きと喜びと、嬉しさと・・・

――松也さんは2014年公演に続く、二度目の『スリル・ミー』ですね。復活をあきらめてはいなかった(笑)、と伺っています。

松也 はい。僕はずっと出演を望んでいましたので、あきらめてはいなかった……あきらめかけていましたけど、新納慎也さん(前回2021年公演で9年ぶりに復活)が出演されたのなら僕も出来るだろうと。新納さんは僕にとって希望の星でしたから。(一同笑)

――そして廣瀬さんは今回が初参加です。お話を受けた時のお気持ちを教えてください。

廣瀬 いつか出会えたらいいなと思っていた作品のひとつだったので、嬉しかったですね。ただ、やっぱり“彼”の役なんだな……と率直に思いました。

――それは、“私”のほうに関心があったとか?

廣瀬 いや、よく周りから「やるなら“彼”だよね」と聞いていたので。何を思ってそういうふうに言っているのかなと、ずっと思っていたんですけど。イメージって時に重要だけど、時に邪魔じゃないですか。だから、周りのイメージ通りに“彼”役をいただいて、嬉しい反面、そのイメージをいい意味で壊した感じに届けられるよう、頑張ろうと思いました。でも何よりも、“私”の役が尾上松也と聞いた時が一番、驚きと喜びと、恐怖と興奮を覚えましたね。

松也 フフフ、僕もすごく嬉しかったです。役のイメージうんぬんではなく、廣瀬君は最近大作に出演している印象があって、こういう少人数の緊密な空間でのお芝居に出るイメージがあまりありませんでしたので、意外だったのと、驚きと嬉しさと。同世代、同い年でガッツリ芝居が出来る喜びはありましたね。

新しい扉を開いてくれる役

――松也さんは今回も“私”を演じますが、“彼”を演じてみたいと思ったことは?

松也 最初に、9年前に演じたのが“私”でしたので、やっぱりもう一度“私”にチャレンジしたいなという気持ちになりましたね。少なくとも今回に関しては“私”しかやりたくないという気持ちでお受けしました。でも、かといって“彼”に興味がないわけではないので、今後また機会をいただけるのであれば、次は“彼”をやってみたいですね。“私”と“彼”、両方演じた人はまだいませんから。

――2014年公演で松也さんが“私”役と発表された時は、“彼”役だろうと予想していたのて少々意外に思った記憶があります。

松也 僕もそうでした。自分の性格的には、まったく“私”という人物の要素を感じていなかったので、なぜ“私”なんだろう!?と思いましたね。でもまったく自分にない要素だからこそ、これは面白そうだなと。演じていくうちに、不思議と心地よく感じる部分もあって、もしかしたら自分にはそういう要素もあるのかな〜と思ったり。ある種、新しい扉を開いてくれた役ですね。

――廣瀬さんはこれから扉を開くわけですが、おふたりに、異色ミュージカルと呼ばれる本作の、ストーリーから感じることをお話しいただきたいです。また、再演を繰り返されるほどに観客を惹きつける、その理由をどのように考えますか。

廣瀬 難しいですよね。モチーフとなっているのが実際にあった凶悪事件なので。それを扱った作品にファンが多いって……違う視点で見るとやべえなと思うんですけど。

松也 フフフ。

廣瀬 でも、このキャストふたりと音楽という究極にシンプルに削ぎ落とされた舞台を、今を生きている人たちが見て、何か感情が一致する瞬間があるんじゃないかと思うんですね。教訓と感じたり、作品が訴えている問題が見えてきたり。何かの思想にとらわれて、ひとつの選択が違っただけで人生が変わっていってしまう。そういったスリリングな魅力がシンプルな構造の中に詰め込まれていると。あと、“私”の視点から物語が展開するところにも魅力があるのかなと思いますね。

松也 実際にあったことをもとにしていると知った時はびっくりして、前回、夢中になって事件のことを調べたのを覚えていますね。ちょうど2014年公演の頃に僕、歴史的に名を残した、いわゆるシリアルキラーと呼ばれる殺人犯の人たちのことを調べるのにハマっていた時期があって……。

廣瀬 ……やべえな。(一同笑)

松也 そうそう、だからもとから関心があるんですよね。僕が調べたところによると、ここに出てくる“私”と“彼”もそうですが、凶悪犯罪を犯す人のほとんどは両親からの愛に飢えているというか、幼少期の家庭環境に問題がある人が多い傾向にある。もちろん犯罪を犯すことに対して何ひとつ同情の余地はないんだけれども、もとは同じ人間であり、その少しの掛け違いと特殊な要素が折り重なってしまった結果であると。だからこの『スリル・ミー』に限らず、こういう実際にあった事件に多くの人が関心を寄せるのは、やっぱりみんなの深層心理のどこかに通じているものがあるからだと思うし、そこをこの作品は音楽を通して、物語を通じて深く表現できているんだろうなという気はしますね。長く愛される理由も、ただ単に奇を衒った異色ミュージカルではないところでしょうね。

今後もあるかわからない、貴重な時間

――初演から演出を担う栗山民也さんとの作品作りについて、今の思いを聞かせてください。

廣瀬 僕は初めてご一緒しますが、もういろんな意味で、思いっ切り期待しかないですね。自分の出来る限りでぶつかっていきたいなと思います。

松也 栗山さんは、心理をとても大事にする方だなと思いましたね。おっしゃることの一つひとつがとても信頼出来る、そんな印象でした。この舞台、美術や装置などを非常にシンプルにしているところに、役者の表現でそこを埋めて欲しい、空間を創造して欲しいという栗山さんなりの意図を感じるんですよね。ですので演出の一つひとつの印象が、とても力強く残っていて。今回も初心忘るべからずで、栗山さんに全速力でついていけたらなと思っています。再演ですが、別物だと思っていますね。経験者として分かる部分、慣れている部分は少しはあるかもしれませんが、基本的にはゼロからの気持ちでやっていこう……というか、そうなっちゃうと思います。

――二人芝居について思うところ、それぞれ相手に望むことなどは?

廣瀬 望むことはとくにないですね。とにかく限られた時間で僕自身が、松也君からも栗山さんからも、自分からも逃げずにやること。ふたりだけ、あとピアニストの方がいるだけの少人数で、怖いけれどやり甲斐があるものになると思いますし、やっぱり贅沢な時間だと思います。より上質な、作品の魅力が凝縮されたものを届けられるように頑張りたいです。

松也 僕も、新たな“彼”と組めることには未知数の楽しみがありますし、がっつり芝居するのは初めてだから、どういうふうに廣瀬“彼”が“私”を突き放してくれるのか、すごく楽しみですね。望むことというよりは、純粋にふたりで楽しみながらいい作品を作れたら、それがベストかなと思います。

――ほかの2チームとは違う、おふたりのペアが醸し出す空気、色はどんなものになるでしょうか。

松也 う〜ん……、昭和生まれのふたり?(一同笑)

廣瀬 昭和生まれは、ほかのチームにもいるんじゃない?

松也 いないよ、僕らだけ。

廣瀬 マジですか!

松也 もうそういう時代なんですよ。だって平成元年生まれが今年34歳とかでしょ? 現場で昭和生まれに会うのなんてわずかなんだよ。

廣瀬 ……今日イチびっくりした。(一同笑)

松也 今後あらためてよく見た方がいいよ。ミュージカルの現場とか、実は昭和生まれって少ないから。そのうち、「あれ? 廣瀬さんって昭和生まれなんだ……」みたいな感じにどんどんなってくるよ。

廣瀬 そうだよね……気をつけよう。

松也 だから我々しか昭和じゃない、レトロ感ですよ。

廣瀬 セピア色に見えるかも。他のチームより関節の音がよく聞こえるかもしれません。(一同笑)

――同い年のおふたりが生み出す、これまでにないコンビネーションを期待しています。

廣瀬 初参加で初の二人ミュージカル、初めて尽くしですが、同世代の尊敬している松也君と一緒に作品を作れるのは、今後もあるかわからない貴重な時間だと思っています。今までもそうでしたけれど、役者としてこれが最後の作品になってもいい、それぐらいの気持ちで挑みたいですね。いろんな意味で衝撃的な瞬間に出会えると思うので、多くの人に劇場に足を運んでもらえたら嬉しいです。

松也 いろいろな見方ができる、多面性のある作品だと思いますので、さまざまな感情を呼び起こす、そんな奥深い作品に見えたらいいなと。単なるホラー・ミュージカルみたいに思っていただきたくないので、実際に起きたこの事件を扱う意味と、この事件を通すからこそ見える何かをお互いに追求して、結果的にいろいろな刺激を皆さんに与えられる舞台になる、それが理想なのかなと思いますね。

取材・文:上野紀子 撮影:杉映貴子

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<公演情報>
ミュージカル『スリル・ミー』

【東京公演】
2023年9月7日(木)~2023年10月3日(火)
会場:東京芸術劇場シアターウエスト

【大阪公演】
2023年10月7日(土)~2023年10月9日(月・祝)
会場:サンケイホールブリーゼ

【福岡公演】
2023年10月11日(水)・12日(木)
会場:キャナルシティ劇場

【名古屋公演】
2023年10月14日(土)・15日(日)
会場:ウインクあいち 大ホール

【群馬公演】
2023年10月21日(土)・22日(日)
会場:高崎芸術劇場 スタジオシアター

チケット情報 ★東京・大阪公演は7月5日(水) AM11:00より一般発売
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2343901

公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/thrillme2023/

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