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ぴあ 総合TOP > 『Grasshopper vol.14』イヌモアルケバ×つきみ×Paper moon Endroll×猫背のネイビーセゾン 楽しむ場所、そして明日を生きる気力を作り出す音楽に出会う【レポート】

『Grasshopper vol.14』イヌモアルケバ×つきみ×Paper moon Endroll×猫背のネイビーセゾン 楽しむ場所、そして明日を生きる気力を作り出す音楽に出会う【レポート】

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『Grasshopper vol.14』6月26日@下北沢Daisy Bar Photo by 燦

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2023年6月26日(月)、下北沢Daisy Barで、第14回ぴあ主催若手応援ライブハウス企画Grasshopperが行われた。今月は、イヌモアルケバ・つきみ・Paper moon Endroll・猫背のネイビーセゾンの4バンドが集結し、それぞれの音楽で観客に楽しむ場所を作り出してくれた。そして、喜びに満ちて帰っていく人々の笑顔を生み出していた。

イヌモアルケバ

中心に集まり、息を揃えて爆発的に大きな一音目を鳴らす。1曲目の『リフレイン』から観客もステージのメンバーも熱量が溢れ出す。サビではほとんどの人が拳を突き上げ、満員のフロアの後ろから見る光景には感動を覚えた。『君の夏休み』は、彼らの特徴である爆発的な音の重さはありつつも、爽やかさに溢れた疾走感のある曲だ。「最高のギター!」との紹介を受けた、だばし(Gt)のギターソロに全員が目を奪われた。

軽快なドラムから続くのは『メーデー』。シンガロングの熱量に見る人の心が惹かれていく。そして最も新しい曲であるという『多摩川を越えて』。アルペジオが重なる繊細な音楽の美しさと、突然音量が爆発的に上がる火力の大きさが、彼らの音楽の迫力を生み出す。そこに声を枯らしたおおたけ(Gt/Vo)の感情的な歌が乗った。

青の照明に包まれ、落ち着いた雰囲気の中奏でられたのは『妥協点』。頭上から降ってくるような不思議なギターの音を浴びた。続く『淡麗』はおおたけの最初の一声から高く拳が上がる。あいいちろう(Ba)は観客に応えるようにステージ前に乗り出して笑顔でかき鳴らした。最後は『8.32』を演奏し、ライブを駆け抜けた。彼らは静かな立ち振る舞いをするが、内に秘める熱量は大きい。それが音楽となり、ライブを通して観客の心を奮い立たせた。

つきみ

ヒップホップのSEをバックにつきみのメンバーが登場する。一音目から大きな音を鳴らし、大きな声で叫ぶ。その破壊力に目が奪われた観客は高く拳を上げる。1曲目『ガールズバンド』はロック音楽の持つ強さを感じさせてくれた。続く『うそロック』は「ロックンロールと君しか興味ない」というフレーズが印象的だ。がなり声で感情的に歌うにに(Gt/Vo)の表現は、怒りのようにも、素直になれない告白のようにも聞こえた。

最新曲の『Stay with me』。ザーザーと歪むギターの音が心をざわめきと共鳴に感じた。にには髪を乱しながらも歌った。大好きな人に向けて書いたのは『消えないで天使』。「うちらはあんたに生きててほしい!」「拳貸してくれ!」と真っ直ぐな言葉を真っ直ぐに伝える。

続くのは『ミッド ナイト セブンス』。マイクを斜めにずらした状態でも気にせずに、必死に歌を歌い続けた。音楽に夢中になる彼女たちを見て、感情が昂った。『ねー、ダーリン』も同様に鬱憤を発散させるような歌と大きな音での演奏を見せてくれた。サビでは観客が拳を上げる。にには「死にたくなったら呼んでよ!また歌いにきます」と伝えた。つきみのライブは、見ている人の鬱憤まで発散させるような力を持っていた。

Paper moon Endroll

1曲目は『生活のなかで』。重厚感のある演奏と掠れたロングトーン、そして白い照明に照らされて、神々しさすら感じる迫力を見せる。何重にも重なったような音の中で、ギターソロが奏でられ、空間が淀み、揺らぐ。2曲目の『In(隠)』はライブの流れガラッと変える。歪んだ音でベースソロが奏でられ、空間が一気にダークな雰囲気に染まる。オクターブのコーラスが歌声に二重人格のような雰囲気を持たせ、曲の怪しさが増した。

ヨコスカアラタ(Gt/Vo)はGrasshopperに出演できた喜びを語り、謙虚さあふれるMCに人柄が現れていた。そして新曲『季節と共に』を演奏する。入りのストロークからすでに興奮を煽られる。ヤマグチハルキ(Ba)は動き回りながら全身で演奏する。新曲でありながら、いっぱいになったフロアの奥まで拳が突き上がる。

『エバーブルー』はドラムの合図から観客もタイミングを合わせてグッと拳を上げた。ステージとフロアが一体感を持って音楽を楽しむ姿があった。ヨコスカは汗だくで一生懸命歌をぶつけた。曲が終わると、ドラムが残って次の曲への伏線をはる。最後の曲『Find us』は、激しくも優しさを感じる一曲だ。ヨコスカは「みんないい顔をしてる、その顔が好きだ!」と叫ぶ。彼らは聴いている人をよく目に焼き付け、大切に思いながら演奏する。そのスタンスがライブから伝わっていた。

猫背のネイビーセゾン

演劇のブザーのような音が鳴ると、彼らのライブは開幕した。1曲目の『DOLE PLAYING』からスピードをのせ、観客の熱量を一気に引き上げる。横山大成(Gt/Vo)は前に出て秀逸なギターソロを見せ、フロアの手が上がる。終わると同時にインスト音楽が流れ、綺麗に『さらば、フラストレーション』につながる。丁寧な歌、技術力の高い演奏、ステージングにおいても揺れ方が揃い、ライブ感だけでなく演劇感までも感じられる。

続くのは新曲『kimiOS』。そして『ごく身近な監獄』。彼らの特徴であるダンスロックが色濃く現れた楽曲が続く。井上直也(Gt/Vo)は「1時間でも2時間でも踊れる場所を作っていきます!」と観客に宣言した。気分を上げていった観客は曲に手拍子をのせ、リズムに乗って縦に揺れる。

劇公演時に流れるようなアナウンスで「次は、『偽り切ないな』を。」と流れ、それと同時に演奏が始まった。歌詞のキャッチーな言葉遣いが耳に残る。観客も言葉に合わせて手を上げて一緒に楽しんでいた。最後の曲は『愛想のまちがい』を。猫背のネイビーセゾンでしか聞けない、中毒性のあるダンスミュージックを浴びせられ、ファンだった人もファンではなかった人も彼らの音楽に夢中になって踊ったのではないだろうか。

観客のアンコールの手拍子に応えて、猫背のネイビーセゾンのメンバーはまたステージに登場した。神戸出身らしく関西弁で観客を楽しませるMCを見せてくれた。そこから雰囲気をサッと切り替えて『サイケな恋。』を。自信満々に彼らの音楽を奏で、観客にもそのパワーを届けた。最後にはフロアから「ありがとう」の声が響いた。

Text by らいれいな
Photo by 燦

『Grasshopper vol.15』 は7月31日(月) 下北沢CLUB Queにて開催!

イベント公式サイト
https://fan.pia.jp/grasshopper/

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