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野坂実×山寺宏一×水島裕 今回は効果音も生演奏で! ベストな「シャーロック・ホームズシリーズ」を目指して

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左から)水島裕、山寺宏一、野坂実 撮影:石阪大輔

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演出家の野坂実を中心に、世界中の名作ミステリーを上演している「ノサカラボ」。その人気シリーズ、音楽朗読劇『シャーロック・ホームズ』が、「ノサカラボ TASTE OF SOUND WAVE Reading with Live music『シャーロック・ホームズ3』」として新たに生まれ変わる。名探偵シャーロック・ホームズ、その相棒ジョン・H・ワトスンを演じるのは、今回も山寺宏一と水島裕の最強コンビ。さらに豪華ゲスト陣とともに、“音”の魅力を最大限に引き出した劇空間を目指す。そこで野坂、山寺、水島の3人に、本作への想いをたっぷり語り合ってもらった。

ふたりの会話により、ホームズとワトスンの関係がより豊かなものに

――山寺宏一さん、水島裕さんによるシャーロック・ホームズシリーズも今回で第3弾です。これまでの感想、また手応えのほどは?

野坂 僕がちょっと頼りないところがあるので(苦笑)、おふたりには本当に支えてもらっているなと思います。おふたりとも常に上に行きたいという欲求をお持ちで、何気ない会話の中で、「こうすればもっと良くなるんじゃない?」といったヒントをくださる。一緒に良いものを作ろうと思ってくださることが嬉しいですし、こちらもより良いものにするため、毎回試行錯誤している感じです。

山寺 好意的な意見が多いので、どうやら楽しんでくださっているのかなと、それなりに手応えは感じております。ただ自分としては、もっとちゃんとシャーロック・ホームズになれるようにと言いますか……。「またあのシャーロック・ホームズを聞きたい」と言ってもらえるよう、そしてそういう想いを裏切らないよう、頑張ろうといつも思っています。

水島 生楽器の演奏と一緒に作る朗読劇って、ほかにそうないと思うんです。電気を通さない生の音楽と、僕らの言葉が重なり合う世界って。それは本当に大事にしたいなと。あとこの3人で言えば、『ラフィングライブ』(2015~19)からのおつき合いなので、もう8年に及ぶチームワーク。だから全然気負わなくていいですし、ゲストの皆さんのほうが、よっぽど大変じゃないかと思います。

山寺 そうですよね。我々はずっとホームズとワトスンのままですが、ゲストの皆さんは作品ごとに違う役作りをしなければいけないわけですから。

水島 約2時間で3作品、つまり3役って大変なことですよ!

山寺 まぁ僕の場合、ひと役の方が不安ですけどね。「ホームズだけで俺持つかな?」みたいな(笑)。

水島 山ちゃんはちょっと別格だから(笑)。

山寺 ちょっと変態なんです(笑)。

水島 でもホームズは変装シーンもあるでしょ?

野坂 そうなんです。今回もあえて変装シーンに作り変えたところもあるくらい。

山寺 それ大丈夫なの? ホームズファンの方に怒られない?

野坂 シャーロキアンですね。だから1回目は原作に忠実な、すごく真面目なものを作ったんです。でも2回目からは原作にない、少しユーモアのあるふたりの会話を足してみた。そうしたらこれが結構楽しんでもらえたみたいで。またそれによって僕らのホームズとワトスンの関係は、より豊かなものになったんじゃないかと思います。

――今回は音楽だけでなく、効果音、いわゆるSEもすべて生で演奏されるそうですね。

野坂 はい。僕にとってこのシャーロック・ホームズシリーズというのはものすごく意味のあるもので、ベターではなくベストを目指したいと思っているんですね。そのために音楽、役者さんの声だけでなく、すべての音を生にしたいなと。つまりは三位一体でセッションしていく。そうすることで“音”に特化した、非常に豊かな表現が提案出来るのではないかと思っているんです。

山寺 でもさ、それは舞台上でどうやるの?

野坂 例えばドアの開閉音は、実際にドアを立ててやろうと思っています。ただそういうのが頻繁にあると、ちょっと忙しくなくなっちゃうとも思っていて。あと過去2作は全編で音楽が鳴っていた印象がありますが、これも僕としてはちょっと鳴り過ぎかなと。だから生SEが入るシーンは役者さんの演技だけにして、次のシーンへの転換時に曲がかかる、そんな構成をイメージしています。

山寺 僕の場合、“馬のいななき”なんかはよくやって欲しいって言われますけどね(笑)。「そんなの声優の仕事じゃない」って人もいますけど、わりと僕は積極的にやってきたほう。

水島 それ、声優の「仕事」というより、「出来る・出来ない」の問題だからね(笑)。

山寺・野坂 (笑)。

手を入れることで長年愛される、ヴィンテージ家具のような朗読劇に

――本シリーズは毎回豪華なゲスト陣も話題です。今回は連投となる大塚明夫さんに加え、田中敦子さん、津田健次郎さんが初参加されますね。

山寺 毎回素晴らしい方々と共演させていただいているのですが、今回のメンバーもまぁよくそろったなと思いますね。この時点で、もう成功したって勝手に思うぐらい(笑)。また僕にとってこの3人は、『攻殻機動隊 SAC_2045』のメンバーでもあるので、このシリーズでまた共演出来るのは非常に嬉しいです。

水島 僕と敦ちゃん(=田中)は、『フレンズ』という海外ドラマで10年ずっと一緒だったんですよね。だから僕としてはツーカーの仲だと思っていて。

山寺 敦ちゃんがどう思っているかは……。

水島 わかんないけどね(笑)。ツダケン(=津田)とは『キラキラ☆プリキュアアラモード』という作品で1年間一緒だったんですよ。その時から面白い芝居をする人だなと。あと明夫ちゃんのデビュー作には僕も参加していたりして。

山寺 さすが先輩、長くやってらっしゃる(笑)。

水島 すみません、長いだけでございます(笑)。まぁだから変な緊張感もないですし、あの3人がどういう演技を見せてくれるのか、とにかく楽しみですね。

――改めておふたりでコンビを組む楽しみとは?

水島 すぐ隣で聞けますからね、山ちゃんの台詞を。これは贅沢ですよ。

山寺 僕こそですよ。裕さんがいてくれれば安心というか。しかもシャーロックに関してはもう3回目ですし、より良いコンビぶりを発揮出来るんじゃないかと思います。

――では最後に、公演を楽しみにされているお客様に向けてひと言お願いします。

野坂 お客様からすると、どの公演が当たりで、どの公演が外れなのかってわからないと思うんです。でもこれは必ず当たります!

山寺 自分で言っちゃうんだ?(笑) まぁそれくらい自信があるってことだよね。

野坂 そうです、そうです! 生音楽に生SE、さらにしっかりと芝居の出来る役者がそろっている作品なんてなかなかないですから。ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいです。

水島 絶対に心地良い空間になります。ぜひ一緒に、その空間を味わいに来てください。

山寺 僕、最近ヴィンテージ家具に目覚めたんですね。ずっと長く愛されているものを、しっかり手入れをして、自分も大切に使うって素晴らしいなと。で、このシャーロック・ホームズを今やるっていうのも、それに通じるものがあると思うんです。昔から愛されている作品を、僕たちの手を加えることで、また新たに楽しめるものにする。そんなヴィンテージ家具のような朗読劇になったらいいなと思います。

取材・文:野上瑠美子 撮影:石阪大輔

<公演詳細>
ノサカラボ TASTE OF SOUND WAVE Reading with Live music「シャーロック・ホームズ3」

■公演日時
7月15日(土) 13:00開演/17:30開演
7月16日(日) 12:00開演/16:30開演
※受付開始45分前、開場は開演の30分前

■公演会場
東京・大手町三井ホール
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F
https://otemachi-hall.jp/

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