性分化疾患を題材にした台湾映画「I(アイ) ~人に生まれて~」9月公開
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「I ~人に生まれて~」ポスタービジュアル
2021年の第16回大阪アジアン映画祭で「人として生まれる」のタイトルで上映され、主演のリー・リンウェイが薬師真珠賞を受賞した台湾映画「生而為人」。性分化疾患(インターセックス)を題材にした本作が「I(アイ) ~人に生まれて~」の邦題で、9月22日より東京・シネマート新宿ほか全国で順次公開されることがわかった。
本作は外見や性自認も男性だったが、あるきっかけで性分化疾患と診断された14歳のシーナンを主人公にした物語。両親は当の本人に病気のことを伝えぬまま、性転換手術を受けさせることを決めてしまう。術後に目を覚ましたシーナンはアイデンティティは男性にもかかわらず、体は女性になっていた。自らの意に反して手術を受けたシーナンが自身の生き方に葛藤を抱えながら、女性として新しい街で生活を始める姿を描く。
Netflixシリーズ「返校」で注目を集めたリー・リンウェイがシーナン役で映画初主演。アメリカで映画を学び、本作が長編デビューとなるリリー・ニーが監督を務めた。配給はライツキューブが担当する。
リリー・ニーは自身の“女の子らしい”子供時代を振り返りながら、「映画を勉強して監督になるには『女性的』すぎると言われたとき、私はドレスをすべて捨て、髪を短く切りました。自分の夢を自覚した今、私は映画監督になるために『男性的』である必要はないと思っています。老子道徳経に『万物は陰を持ちながら陽を抱く』とあるように、外見や名前を恥じるべきではないのです。私は『I ~人に生まれて~』を自己批判として書き、監督しました」と語っている。
リリー・ニー コメント
母が私を妊娠したとき、医師は超音波検査で男の子のようだと言ったそうです。両親は少しがっかりしましたが、「曜(ヤオ)」という男の子らしい中国名をつけてくれました。しかし、産まれた私が女の子だと知った両親は大喜びし、ピンクのドレスやバービー人形をたくさん買ってくれたのです。
私は4歳でピアノを習い始め、すぐに歌とダンスも習い始めました。思春期になると、母はファッション雑誌やティム・バートンの映画を教えてくれました。ティム・バートンの映画は、私を新しい世界へと導いてくれたのです。
私はゴシックスタイルに身を包み、プロダクションデザインと特殊メイクに夢中になりました。映画学校では、私の好きな仕事はいつもアート部門。
両親のおかげで、私の“女の子らしい”子供時代は、音楽、ファッション、映画芸術への愛を育んでくれました。そして私は、映画芸術が大好きになったのです。正直なところ、映画を勉強して監督になるには「女性的」すぎると言われたとき、私はドレスをすべて捨て、髪を短く切りました。自分の夢を自覚した今、私は映画監督になるために「男性的」である必要はないと思っています。老子道徳経に「万物は陰を持ちながら陽を抱く」とあるように、外見や名前を恥じるべきではないのです。私は「I ~人に生まれて~」を自己批判として書き、監督しました。
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