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ノゾエ征爾×竜星涼 対談 『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』2023年版に向けて

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左から)竜星涼、ノゾエ征爾  撮影:石阪大輔

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社会に上手く馴染めず、派遣でピエロの仕事をしている青年・太郎。ぎこちない手品で道端にいた老婆・まちこに花を渡すと、彼女はどこまでもついてきて、太郎の家に上がり込む。そうして、半ニートな青年と孤独な老婆との奇妙な共同生活が始まり……。岸田國士戯曲賞受賞作家・演出家のノゾエ征爾が自身の劇団「はえぎわ」で2010年に初演した代表作『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』。幾度かの再演を経て、ブラッシュアップした最新版が9月に上演される本作で、居並ぶ個性派キャストのなか主役の太郎を演じる竜星涼とノゾエの対談が実現!

太郎という役との摩擦を楽しみたい

―― ちょっと意外なマッチングに思えるこの役への竜星さんのキャスティング理由は?

ノゾエ まず僕が好きだったというのがあるんですが。ごめんなさい、ちょっとプライベートな話いいですか? (自身のスマホ内の動画を見せ)これ21年のハロウィンで息子が「キョウリュウジャー」(2013~14年にテレビ朝日系列で放送された『獣電戦隊キョウリュウジャー』、竜星がキョウリュウレッドとして出演)のコスプレしてるところ。

竜星 へえ! キョウリュウジャーから今年でちょうど10年目ですよ。じゃあ男の子がよくやるように、昔のヒーローものを追っかけて見てくれていたんですね。

ノゾエ 僕もそこから入って竜星さんを好きになっていって。戦隊ものはいろいろ見ているんですが、竜星さんのキョウリュウレッドは技術云々じゃない、ただただ一生懸命でまっすぐで、「僕の思いはこうなんだ!」というのがすごくストレートに出ている「レッド」 で、それがすごく好きでしたね。ということでいえば、対人恐怖というと言葉が強いけれども、社会にあまり馴染めない陰鬱なキャラクターのこの役は全然違うんですよ。実際、これまでの太郎役は割とそれに近い、イメージしやすい役者さんでやってきていて。でも次やる時には逆に、この役を当てた時に摩擦が起きるような、その摩擦を楽しむようなことがやりたいと思っていました。そうした時、好きだった竜星さんの、いわゆる太郎とは離れているイメージがマッチしたので、迷うことなくオファーさせていただきました。受けてくださるか不安でしたけど、この役を快諾してくださったと聞き、これはなかなか変わった人だなと(笑)。

竜星 確かに、ここ最近は比較的ひょうきんで陽気な役柄が多かったですね。自分もそっちに近いタイプではあるし。というなかで、自分の根本とはまた別のベクトルのこういう人物っていうのが、「また挑戦しがいがあるものが来たな!」という印象です。一般的にイメージしづらいものをオファーしてくる人っていうのは、それはそれでイカれていると思うので。

ノゾエ イカれてないよ(笑)。

竜星 (笑)。イメージとは違うものを挑戦させたいと思わせられたのが、またひとつの縁。僕はそういうものを大事にしたいタイプ。それに基本、“挑戦”で生きているんですよね。特に舞台をやる時は毎回思う。怖いんですよ。

ノゾエ でも好きなわけですよね、それがまた(笑)。これまでの舞台は結構大変でした?

竜星 まあどの作品もそうなんですけど、新しい分野だったのでより努力と勉強をしていかないといけないことが多かった気がしますね。もちろんそこで得られた収穫が、人生の中の大事なターニングポイントになってもいるし。やっぱり、舞台って稽古期間も長いし、ある意味、鏡の自分と一番闘うというか。だから辛いんですよねえ。

進化してんのか?してないのか?

――2010年初演の作品ですが、どういった経緯で生まれた舞台だったのでしょうか?

ノゾエ この年に始まった、世田谷パブリックシアター企画の高齢者施設での巡回公演がきっかけになっています。僕らの演劇を観て、それまで全く無表情だったご利用者さんの顔の筋肉が働き始めて、笑顔になったり、歌に合わせてふいに動き出したり。それを見た職員さんがすごく喜んで、僕らはそっちのけで(笑)ご利用者さんの表情を一生懸命写真に撮っていたり。

ノゾエ それまで、それなりに演劇をやっていましたけども、お客さんの反応を見て、胸が詰まって、せりふが言えなくなるみたいな経験は初めてだったんです。その感激を具体的に文字化するとどういうことなのかというのはわからない。ただ、それが自分の中にすごく残っているというのが初演当時あって、この作品が生まれました。「これ、こういうことなのかな?」とちょっとずつつかまえながら出来上がっていったんですが、確信は何もないから、初日前もめちゃくちゃ怖かったのを覚えてます。

――大道具はなく、壁や床が黒板に覆われた中で、俳優が自らチョークで背景などを描きながら劇世界が作り出されていくユニークな作品です。今回もそのスタイルは変わらず?

ノゾエ そうですね。ただ、この手法はどこかでとても危険だなとは思っています。話題が先行してしまう強さ、特殊性を持っているので。中身が負けないようにしていかないといけないハードルが、常についてまわる作品でもあります。

――演技に加え、「舞台上で絵を描く」ことも今回必要になってきますね。

竜星 絵は、模写とかそういうのは得意です。コロナ禍中にちょっと描いてインスタグラムに上げたりしたんですけど、わりと評判でした。……びっくりするぐらい上手いと思います(笑)。

ノゾエ どこまで信じれば(笑)。
(編集注:インタビュー後、インスタグラム上の竜星さんの絵を拝見し、画力の高さにノゾエさん含む一同びっくり、という場面がありました)

竜星 でも、それは時間がある中で描いたものなので。今回はいかに一瞬で、みんながわかってくれるようなものを描くかっていう絵心が問われる(笑)。そこらへんは本当に未知数ですね。

ノゾエ なんか、表れるんですよね。雑な気持ちでいると雑な線になるし、力がこもるとそういう線になる。意外と、感情と直結できるんです。余談ですが、このチョークという手法も初演の時、稽古場の時点では「うわー、面白い!」と思ったんです。でも通し舞台稽古ぐらいの段階になると急に、「ドつまんない!」と思って(笑)。

竜星 「マジか、これやるのか?」って(笑)。

ノゾエ 「なんで誰も言ってくんないの? 言ってよ!」みたいな(笑)。「でも開幕しちゃいます、ごめんなさーい」とか思いながらやったら、結果、お客さんがとても喜んでくださった。それぐらい確信も何もないけど、どこかで感じた強いものに支えられた「これかもしれない」という、表現者としての挑む気持ちや、そこの輝きみたいなものがすごくある作品です。今もそれが何かは具体的にはわからなくて、再演を繰り返している。だから、上演ごとにやっぱり変わっていきます。あれから震災もコロナも戦争もあって、人々の距離感や生活がどんどん変わり、僕自身も老いというものとの距離感が全く変わってきている。そうした社会との関わりでもまた、どういう摩擦が起きるか。「進化してんのかしてないのか」というテーマが、いい意味でずっと付きまとう作品だなというのは感じています。

登場人物それぞれの愛のかたち

――脚本を読んで、竜星さんは率直にどう感じましたか?

竜星 オムニバス的に、いろんな人たちの物語がどんどん入り混じっていく。そこに各々ペアごとの愛のかたち(笑)があって、どういうかたちであっても各々の物語がちゃんと生まれて終わるっていう、そこがすごく面白いなと。それを成長と言うのか何なのかというかたちで終わっていくところに、ノゾエさん自身が愛のある人なのかなというのを感じました。演じていて、僕らもその役を愛せると思う。ドラマや映画を観ていて、「これは必要ないのにただ入れられただけの役なのか」と感じるものも時にはありますが、そういうのがないという意味で、俳優陣はたぶんすごく楽しいんじゃないかなと。

――時代によって変化していく作品とおっしゃっていましたが、2023年の今の観客にどんなものを持ち帰ってもらいたいと思いますか?

ノゾエ これを、というような限定的なものはないんですけれども。ただ……持ち帰ってはほしいんです。要は、響いてほしい。僕ら側は、ちゃんと感じているものを夢中になって投入するし、それを懸命に表現するので。何が響くか響かないか、それはもちろんこっちで決めるようなことではないんですけど、モヤっていたものが少し晴れてるような気持ちでは帰っていただきたいなというか、そういう系統のものは持ち帰ってもらいたいなとは思いますね。

――まだ会って間もない(取材時)というおふたりですが、ウマが合うというかとても打ち解けた様子に、本番が楽しみになりました。

竜星 昨日のビジュアル撮影で初めてお会いしたんですよね。渋谷の街で撮影しながら、後ろで歩く人がほしいということに急になった時に、ノゾエさんが自分で歩いてくださったんですけど、馴染みすぎてて(笑)。溶け込む才能というか、役者だなあと。自分でもプレイヤーとして舞台に立つ人っていうのを、その瞬間にすごく感じました。

ノゾエ 昨日の撮影はすごくいい時間でしたね。初めてご一緒する役者さんだと、「こんなことしてみて」というのを言いやすい人と控えておこうかなって人がいるんですけど、気が付いたら、竜星さんにはちょっとしたことをポンポンポンと言ってる自分がいて。「あ、なんかいい感じかも」って瞬間が何回かあり、撮影でしたけど、演出家としていい時間を過ごせました。

――ちなみに、初対面では「キョウリュウレッドだ!」というようなファン的な感覚も?

ノゾエ 最初はね!(笑) やっぱり決まった時は息子に「おい、キタよ……」なんて自慢しましたから。何のことかあんまりよくわかってなかったみたいですけど(笑)。

取材・文:武田吏都 撮影:石阪大輔
ヘアメイク:(ノゾエ)芝原睦美(MMC) / (竜星)井手賢司(UM)
スタイリスト:(竜星)山本隆司(style³)

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<公演情報>
COCOON PRODUCTION 2023『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』

作・演出:ノゾエ征爾
出演:
竜星涼 / 藤井隆 / 青柳翔 / 瀬戸さおり / 芋生悠
駒木根隆介 / 山本圭祐 / 山口航太 / 中井千聖 / 柴田鷹雄
ノゾエ征爾 / 家納ジュンコ / 山田真歩 / 菅原永二 / 高橋惠子

【東京公演】
2023年9月10日(日)〜24日(日)
会場:世田谷パブリックシアター

【京都公演】
2023年9月30日(土)・10月1日(日)
会場:京都劇場

【岡山公演】
2023年10月11日(水)・12日(木)
会場:岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場

【新潟公演】
2023年10月21日(土)・22日(日)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2344602

公式サイト
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/23_galapacospacos.html

フォトギャラリー(6件)

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