Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 自由を希求する「自娯遊戯」の世界を描いた絵画や工芸品を紹介『企画展 楽しい隠遁生活』9月2日より開催

自由を希求する「自娯遊戯」の世界を描いた絵画や工芸品を紹介『企画展 楽しい隠遁生活』9月2日より開催

アート

ニュース

ぴあ

岸田劉生《塘芽帖》昭和3年(1928)頃 泉屋博古館東京

続きを読む

フォトギャラリー(7件)

すべて見る

六本木一丁目にある泉屋博古館東京では、2023年9月2日(土)より『企画展 楽しい隠遁生活 文人たちのマインドフルネス』を開催する。理想の隠遁空間を描いた絵画に触れることで、「暮らしを楽しむ」ことの意義を改めて考えようという展覧会だ。 

深山幽谷に庵を編み、自然を友に文雅を楽しみながら、悠々自適な生活を送る隠者たち。東洋の山水画に数多く描かれたイメージは、中国の士大夫や日本の文人たちが憧れた、マインドフルネス(安寧な心理状態)な理想の隠遁生活であった。その根底にあるのは、人の心を惑わす富貴や栄華など世俗的な欲望を絶ち、世間から離れて高潔に生きたいという「脱俗」の思想である。中国ではすでに3世紀の三国時代末には、俗世間を避けて竹林に会し、親しく交友したという「竹林の七賢」の主題が生まれていた。そんな隠者たちの理想的世界が、自然の移ろいを楽しみ、文化芸術に親しみながら、人々が自由に生きる「桃源郷」である。

桃源郷をはじめ、文学に詠われた風景のイメージとして描かれた山水図には、雄大な自然の中で人間がいかに小さな存在であるかをあらわすために、雄大な滝と小さな書斎を並置するなど、自然に対して人間の営みは小さく描かれた。時に隠者たちは、趣味を同じくする者と、詩歌音曲に遊び、酒を酌み交わして親交を温めることもあり、その様子は「雅集図」や「臥遊図」に描かれた。展覧会ではそんな隠遁生活にふさわしい文房諸道具や酒器などもあわせて紹介する。今も昔も変わらぬ、自由で安らかな生活への憧れ。その思いの強さに、驚く人もいれば、共感する人も多いに違いない。

なお会期中は「住友コレクションの近代彫刻」の特集展示を同時開催。かつて住友家の邸内を飾っていたと考えられる彫刻群を初めて一堂に紹介する。住友家の彫刻コレクションの全貌を知るとともに、作品に流れるコレクターの美意識を読み取ることができるだろう。

<開催情報>
『企画展 楽しい隠遁生活 文人たちのマインドフルネス』

会期:2023年9月2日(土)〜10月15日(日)
会場:泉屋博古館東京
時間:11:00~18:00、金曜は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
料金:一般1,000円、大高600円
公式サイト:
https://sen-oku.or.jp/program/20230902_joifulseclusion/

フォトギャラリー(7件)

すべて見る